作者不詳 Anonymous
グリーンスリーブスによる変奏曲(グラウンドによるグリーンスリーブス)
 繰り返して反復するバス(グラウンドバス)の単純な伴奏上にグリーンスリーブスの変奏がのる。変奏と言っても割と易しく、メロディーが美しいので楽しめる。難易度2〜3。9変奏だけは難しい。譜面ヅラはやさしいのに。このc#のからむ音形は、いつになっても練習しなければできないね。
 最初に手にしたのは全音ででていた(る?)
「グリーンスリーブスによる変奏曲と7つのイギリス小曲集」というもので、これはドルメッチ(なつかしい!)のフレージングなどがついているもので、ずいぶん練習した覚えがある。7つの小品もドルメッチ編これはもともと1954年ショットででているものらしい。
 大もとは、1706年、有名なWalshが出版しているThe Division FLUTEで、このほかに、「ラ・フォリア」の非常にやさしいのとか「イタリアン・グラウンド」とか、いろいろ入っているらしい。ドルメッチの選曲はこの中からなのだろうか?実物を見てないもので、何とも言えない。(その後購入、Division FLUTE を見よ)この曲の編曲はウォルシュ Walshではないか、とはむかーしの季刊リコーダー1980年No.4の付録についていた、この曲の楽譜の解説(有田正広)にあった。
 また、ソプラノリコーダーとギターのために、ゼンオンリコーダーピースR−67で、5度上げた形ででている(た)。これはギターのためにただのグラウンドバスではなく、掛け合いなどが書いてあってなかなかよい。リコーダーもドルメッチのとは違って、よけいなアーティキレーションが付け加わっていないのでよい。
 また、積志リコーダーカルテットでリコーダー四重奏曲に編曲している。


 詩の朗読のBGMを生で、と頼まれたことがある。時間は数分なのだが、正確な時間はわからないし、練習もほとんどできないような話だった。たまたま僕が頼まれたけれど、ほかに音楽が趣味という人がいるわけでもないし、困った。
 考えたあげく、たしかギター(エレキだったか、フォークだったか)が弾ける若いのがいたはずだ、あいつに頼んで、曲はこのグリーンスリーブスにした。楽譜は読めないらしいので、ギター版ではなく、コードネームだけ書いて渡し「適当に弾いて」と頼んだ。
 この曲なら、朗読が終わったのを 見計らって、テーマに戻れば、どこで終わってもおかしくない。そういえば昔、同僚の結婚式で、ケーキカットじゃなくて、なんだっけ、書道かなんだか「初の共同作業」のBGMを頼まれたときにもこの手を使ったっけ。
 試しに10分ほど合わせた。幸い、楽譜は読めないが、コードネームと曲の雰囲気で、適当に弾いてくれた。録音し、主催者?に聞かせると「曲が明るすぎる」と言う。ソプラノリコーダーだったからなあ。
 そこで、他の曲をさがすふりをして、曲は変えず、コードネームを書き換えて(というか、五度下げて)アルトで吹いて聞かせると「いいねえ」と言ってくれたので良かった。
 本番は途中を飛ばしたり、朗読が終わらなかったのでラス前を3回くらいくり返したり、適当にアドリブをしたりして、もうだめだ、テーマに戻ったらちょうど朗読が終わって、すごく良いタイミングで終わることができた。評判もまあまあ良くて、良かった良かった。




アルビノーニ 、トマゾ・ジョヴァンニ Albinoni, Tomaso Giovanni  (1671-1751)
オーボエ協奏曲Op.9-2 (をリコーダーで)
 
ひつじ通信、夏木さんの情報だが、アルビノーニのオーボエ協奏曲はリコーダーでほとんど吹けるとのこと。作品9の2をカラオケしてみると実に楽しい。吹けない音は3楽章の最初のレだけ。満足した(^^)。
 2楽章最初。ファの伸ばし。なんでもオーボエというのはファさえ吹いていれば満足だそうで(^^;)。リコーダーでは若干欲求不満の所はあるけれど、今出ているのはオーボエの音だ、と思いこむとなかなか良い。音を膨らましてシェーディングする、あるいはトリルを途中から付ける、とか、装飾を付けるとか、、、
 3楽章、そういうわけで最初の音が出ないが、どうしようか、、、最初の1小節をまるまる1オクターブあげるのが無難かな。1小節目の最後のミから元に戻す、というのは意外に良くないようだ。今思いついたのは2小節目のファまでオクターブ上で次のソから元に戻すというのはどうだろうか。それともいっそ最初の出ないレの音だけ吹かずにファから始める、と言うのも意外に良いかも知れない。



オーベール Aubert , Jacques (1689-1753)
フルートデュエット作品16





バッハ 、 カール・フィリップ・エマヌエル Bach , Carl Philipp Emanuel 1714-1788
バス・リコーダー、ヴィオラと通奏低音のためのトリオ ヘ長調 H.588
 カールフィリップエマニュエルバッハにバス・リコーダー、ヴィオラと通奏低音のためのトリオというオリジナル曲がある。こんな編成の曲なんて聞いたことない。なんどか遊んだことがある。それほどの傑作ではないように思うが、エマニュエルバッハらしい曲想でなかなか良かった。
 IMSLPに楽譜は登録されているし、ナクソスに録音がある











バッハ 、ヨハン・クリスチアン Bach , Johann Christian (1735 - 1782)
 フルートための6つのソナタから1〜3番

東京コレギウムからヨハン・クリスチアン・バッハのフルート(又はヴァイオリン)と鍵盤楽器のための6つのソナタの1〜3番が出ている。(現役)
 金 昌國が編曲したもの。解説によると、モーツァルトのヴァイオリンまたはフルートのオブリガート付きクラヴィーアソナタをjoseph Bopp が編曲したように、この曲もオブリガートの方のフルートとクラヴィーアの右手を入れ替えた物だそうだ。
 少なくとも2番、3番はリコーダーで完全に吹ける。1番も適当にオクターブ上げたりすれば吹ける。なんというか、軽く、薄く、軽快に美しく吹くのは難しいかも知れないが、ま、遊びで吹くにはよい。

Johann Christian Bach 6 Sonatas
 for the Flute and Harpsichord or Piano Opera 16














バッハ、ヨハン・ゼバスチャン Bach , Johann Sebastian (1685-1750)
 バッハがリコーダーのソロソナタもリコーダーを含む室内楽も書いてくれなかったのは、かえすがえすも残念だ。たくさんのカンタータにリコーダーを使っているのだから、3曲でも6曲でも書いてくれていたら、と思うが今さら言ってもしかたがない。
 リコーダーを使ったオリジナルは、ブランデンブルク協奏曲の2番、4番、4番の編曲と言うか「移調した」に近い、チェンバロ協奏曲、あとは多くのカンタータ。
 リンデの「リコーダーとその音楽」によれば、カンタータにリコーダー(flauto)が使ってあるのは、13,18,25,39,46,65,71,81,106,119,122,127,142,152,161,175,180,182,(96,103フラウトピッコロ)番。
 リコーダーのためのオリジナルは少ないが、多くの曲が移調して楽しめるし、多くの編曲があってありがたい。僕以外の人もバッハが好きであって、うれしい。
 フルートソナタが、偽作、無伴奏パルティータ、二本のフルートのトリオソナタ、を含め、そのすべてが移調すれば吹けるのはありがたい。
 ヴァイオリンとチェンバロのソナタがリコーダー用に編曲されていて、素晴らしい(全音)。難しいが、演奏効果も高い。もしかしたら、そのいくつかはフルートソナタの移調版より無理がないかもしれない、と言うくらいだ。これを遊びで吹いているときに、友だちのアマチュアフルーティストが「これ、バッハのオリジナル?」と隣にささやいているのが聞こえたのは、とてもうれしかった。別に演奏がよかったかどうか、はわからないけれど。
 無伴奏ヴァイオリンソナタとパルティータ、無伴奏チェロ組曲のブリュッヘンによる編曲はリコーダー奏者にとっての大きな財産だ。また同じく全音からでている、北御門文雄の鍵盤楽器のための作品のアルト2本への編曲(アルト・リコーダー二重奏曲集1)も、とても素晴らしい。同じくブランデンブルク協奏曲6番のアルト2本への編曲。廣田健による、組曲2番のアルトと通奏低音への編曲。
 その他、コラールのリコーダー四重奏への編曲だとか、何か器楽曲のいくつかの楽章の編曲だとか、限りない。それから、大竹尚之のカンタータのリコーダーアンサンブルへの編曲もある。





カンタータ106番「神の時こそ いと良き時」Gottes Zeit Ist Die Allerbeste

 カンタータ106番は、少なくともリコーダー吹きにはとても有名な、とてもきれいな曲だ。リコーダー2本とヴィオラダガンバ2本と通奏低音と歌という簡素な編成で、バッハのごく若いときの作曲、葬儀の音楽だそうだ。
 左の写真はIMSLPのスコアを加工したものだが、見てわかるようにスコアはフラット二つで書いてあるが、リコーダーは本来、左上のように2度上でフラット一つで書いてある。当時オルガンや弦楽器はコーアトーンと呼ばれるおそらくa=465くらいのピッチで、管楽器はカンマートーンと呼ばれるa=415くらいのピッチだったらしく、移調楽器のように扱われているのだ。
 だから、スコアや、どこかでもリコーダー用にカンタータの中から抜き出した楽譜を見ることがあるのだが、吹く気がしない。リコーダー2本で楽しむなら、フラット一つのヘ長調で吹きたい。
 フラット二つのスコアの2度下のリコーダー用がフラット一つというのも面白いところで、どうもフラットは一つ少なく書く習慣があり、スコアは本当はフラット3つの変ホ長調のはずだ。ドリア旋方のなごりだと思うのだが、よくわからない。
 CDはアーノンクールーレオンハルトの全集の一部と、BCJのを持っている。二つを聞き比べるとどうもアーノンクールの方はフラット二つのスコアで演奏しているように聞こえる。フラットの音がクロスフィンガリングのくすんだ音なのだ。BCJのほうはすっきりした音で、ライナーノートにも明言してあるが、ちゃんとコーアトーンとカンマートーンの混合で演奏しているようだ。
 (
→次女の卒業式の思い出





バッハ、ヨハン・ゼバスチャン Bach , Johann Sebastian (1685-1750)
カンタータ第182番「天の王よ、汝を迎えまつらん」
 実演を生でって実演が生は当たり前か、聴いた。すばらしかった。リコーダーが美しくってねえ。
 聴いたのはモダンピッチのものだったが、この曲はバッハがワイマールに行って最初に書いたカンタータらしく、IMSLPにあるマニュスクリプトはリコーダーは短三度上になっている。オルガン始めオーケストラはa=465のコーアトーンでリコーダーは低いカンマートーンのものだ。聴いたモダンピッチでは下がつかえてしまって、編曲したものだが、元のほうが下降アルペジオなど絶対前の方が良い。バッハ自身10年後に再演しているそうで、そのときは高いカンマートーンだと聞いた(ネットでは出てこない)が、編曲はバッハ自身なんだろうか?どうせこの曲をオーケストラ、声楽と演奏できる可能性は限りなく0に近いアマチュア笛吹きとしては元々のフラット2つと、シャープ1つ版と両方練習できてつまりバッハに触れることができて幸せだ。(IMSLPのスコアを見て、例の短三度上げをすればフラット2つでできる。)
 上のasまで出てくる。(写真のアリア、3小節目)編曲したものは上のfisが出てくる(膝を使うのが一般的、聴いた実演では立って吹いていたが巧みに片足立ちになり、腿をを使っていた。あれ、何人気づいたかなあ?)

 復刊した季刊リコーダーの2020年冬号にくわしくとりあげられている。







バッハ、ヨハン・ゼバスチャン Bach , Johann Sebastian (1685-1750)

オルガンのためのトリオソナタ BWV525-530 の編曲
 バッハのオルガンソロのためのトリオソナタは、いろいろに編曲されていて、ホリガー(Ob)らのCDもあるし、僕自身はもうずいぶん昔、有田正広、鈴木秀美らの演奏を生で聴いた。
 リコーダーと鍵盤楽器のための編曲も様々あるようだ。僕は楽譜は4番のみ、ベーレンライターの8077という番号の、リコーダーと鍵盤楽器用のものを持っている。ホ短調をイ短調に移調してある。
 エオリアンコンソートのリコーダー、フルート、通奏低音のための編曲もある。こちらにはMIDIもあるのでカラオケまでできる。
 エオリアンコンソートのMIDI、ベーレンライターの楽譜でカラオケ。1楽章も3楽章も速すぎる!3楽章なんて50%でもいいくらい。MIDIは速度も変えられるのですばらしい。すごく楽しめた。









バッハ、ヨハン・ゼバスチャン Bach , Johann Sebastian (1685-1750)

オルガンのためのトリオソナタ 第6番 BWV530
 Vivace,Lento,Allegroの3楽章。

   2楽章がすごい。冒頭はシチリアーノとしか思えないが、もう、すぐにすごい装飾で、グニャグニャだ。すばらしく美しい。こういう装飾が考えられたらすごいなあ。もっともバッハ自身、教会のオルガンで、「わけのわからない装飾を入れて」なんとかかんとか、教会のえらいヒトに怒られている。あんまり理解されていなかったかもしれないなあ。僕に限らず現代ではみんなバッハが好きで、美しく感じると思うのだが、別に音楽的に進歩したというわけではなく、純朴さ、純粋さを失ってしまっただけかもしれない、などと思ってしまう。

















バッハ、ヨハン・ゼバスチャン Bach , Johann Sebastian (1685-1750)

無伴奏ヴァイオリンソナタとパルティータBWV1001〜

 バッハのヴァイオリンソナタとパルティータは、一部がブリュッヘンの編曲で
全音から(今でも)出ている
 無伴奏ヴァイオリン曲をリコーダーで吹こうってのが間違ってるが、それでもいくつかの楽章は充分楽しめる。でも難しい。

無伴奏ヴァイオリンソナタ 第1番 ト短調→ニ短調 BWV1001 からアダージョ

 この曲はこの曲集の第1曲なのだが、難しくていつも飛ばして吹いている。何曲(楽章)か吹いて、それでもエネルギーが余っているときに時々吹くくらいなので、結局たまーにしか吹かない。おまけに難しくて、曲にならない。アダージョなのでテンポというか、拍がすぐわからなくなってしまう。8分音符で拍を感じるのだが、音楽はあくまで4分音符が4拍のごくゆっくりの曲だと思うのだが、実際は全然できやしない。8分音符ごと、鉛筆で印を付けていて、それで吹くもんだから、8分音符の音楽になってしまう。  そう思っていたら、 あるが's てくにっきさんのところに、楽譜が間違っている、とある。全然気付かなかった(^^;)

 2小節目の2拍目のtr.のついてる音符の次、旗が一本足りないとのこと。確かにそうで、バッハの自筆に当たると、きちんと美しく、間違えようがないような書き方がしてあって、感心してしまった。
 つまり4分音符1拍分の続いて書いてある旗2本、これとははっきり離して、2本加えて書いてあるので、付点のリズムがきわだって読みとれる。
 

 さらに吹き進めていったら、他にも間違いを発見した。リコーダー版の一番下の段、15小節目の2拍目の裏、旗が一本足りない。






 さらには、リコーダー版に、Org. key : d moll とある。違う違う。オリジナルはフラット1つで書いてあるけれど、g moll というか、g のドリア旋法なのだ。

 だから、リコーダー版も、本当はフラットなしでd のドリア旋法で書くべきなのだ。



 6小節目、3拍目のシ(リコーダー版)のナチュラルも4拍目のソのシャープもすぐ忘れてしまうので、鉛筆で書き込んである。バッハの自筆を見てみると、おもしろい!

 当時、臨時記号は1つの音符のみ有効だから、当然ナチュラルは不要だし、シャープは書いてあるので、演奏者は要らぬ神経を使わずに済む。面白いのはこの小節の最初の音(ヴァイオリンで es )で、前の小節と同じ音だから、当然、フラットは書いてないのだ。





バッハ、ヨハン・ゼバスチャン Bach , Johann Sebastian (1685-1750)

無伴奏ヴァイオリンソナタ 第2番 イ短調→ニ短調 BWV1003 からアレグロ  

 バッハのヴァイオリンソナタとパルティータのリコーダー版は、ソナタ1番のアダージョの後はソナタ2番のアレグロまで編曲されてない。たしかにフーガも多声のものも編曲できないだろうなあ。パルティータの1番もドゥーブルがついてるから、編曲しにくい。そうかと言って、ドゥーブルなしというのは耐えられない。
 結局このアレグロだが、これだって難しくって吹けやしない。ただし、ただのアレグロなんだから、プロのように速く吹かなくても、32分音符をスラーにしてしまったって、充分楽しめると思う。でも吹けない。どの一部を取り出しても練習にはなるし、バッハはどの一部を取り出しても美しい。
 リコーダー版、BWV1004とあるが、1003だ。





バッハ、ヨハン・ゼバスチャン Bach , Johann Sebastian (1685-1750)

無伴奏ヴァイオリンパルティータ第2番ニ短調 BWV1004
 パルティータ2番は、アルマンド、クーラント、サラバンド、ジーグが編曲されている。
 アルマンド、クーラントは実によい。難しいが、リコーダーで充分楽しめる。
 アルマンド、前半の最後に上のラが出てくるが、カッコの中、下のラでも充分美しい。(上のラは0(半開)2356膝で出る。)後半5小節目の3拍目上のミにもフラットが必要だと思うが、書いてない、注意。同じく後半の7小節目の最初、ソーソのオクターブの跳躍にスラーがかかって書いてあるが、原典は付点8分音符なのだ。音域の関係でオクターブの移動をスムースに聞かせるためのブリュッヘンの工夫なのだろうが、下のソを付点8分音符で吹く方が良いと思う。
 次のサラバンドはハ短調、ジーグはト短調に編曲してある。別の曲だと思って吹くべきなのだろう。サラバンドはあまり吹いたこと無い。ジーグはとても難しいが、練習になるし楽しめる。最後の6小節のメロディーが美しい。ここに来て全く新たなメロディーが出てくるのだが、でも唐突と言う印象は全くない。綺麗だ。
 リコーダーで吹いているときは、シャコンヌがあることは全く忘れている。ジーグを吹き終わると充分満足(というか、うーん、吹けないぞ、練習しなきゃ)


バッハ、ヨハン・ゼバスチャン Bach , Johann Sebastian (1685-1750)

無伴奏ヴァイオリンソナタ 第3番 ハ長調 BWV1005 からアレグロ  

 やはりアレグロだけが編曲されている。難しい。僕には練習にすらならないくらいで、楽譜は何年経っても奇麗なままだ。







バッハ、ヨハン・ゼバスチャン Bach , Johann Sebastian (1685-1750)

無伴奏ヴァイオリンパルティータ 第3番 BWV1006 
 バッハの無伴奏ヴァイオリンパルティータの3番は、ブリュッヘンによって、Preludio、Gavotte en Rondeau 、Bourree、Gigue、の4曲が編曲されている。プレリュードはとてもむずかしくて練習すらむずかしいが、他の3曲はとても楽しめる。バッハはともかく練習していてもとても美しくて楽しい。















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バッハ、ヨハン・ゼバスチャン Bach , Johann Sebastian (1685-1750)

無伴奏フルートパルティータイ短調→ハ短調 Solo pour la Flutetraversiere par J.S.Bach

 バッハの無伴奏フルートパルティータは、短三度上げて普通にリコーダーで吹ける。(技術さえ許せば(^^;))。イ短調がハ短調になるのでとても難しい。esを含むクロスフィンガリングのこんぐらがってしまうところがたくさんある。
 楽譜はもちろんいまやIMSLPかもしれないが、ベーレンライターの青いのも、どこでも手にはいるし安いし、良い。イ短調版の方が、短三度上げる練習にもなる。吉沢実の「踊りのアルバム」(音楽之友社)には短三度あげた、ハ短調版が納められている。(この楽譜、Allemande 17小節目の最後のラにフラットが落ちている。だがもう絶版らしく、こんなことを書いてもしょうがない。その後、吉澤はバロックソナタ集を出しているはずで、その中に収められているはずなのだが、未確認。)

 パルティータと呼ばれるが、バッハは「Solo」と書いているらしい。確かに変なアルマンド(前打音がないし、いったいどこで息継ぎすりゃーいいんだ。)だし、ジーグがない。なんとなく、変な、たとえば古いタイプの組曲かと、漠然と思っていたが、そうではない、「おそらくほかの楽器のための物を編曲したものらしい、憶測だが、ジーグはバッハが編曲不能と考えて(多声部で書かれていた?)、ないのだろう」と言うのを読んで、なるほど、と感心した。「Solo」と書いてるのもうなずける。放棄されたジーグを見たい。
 バッハは楽曲形式には明確なイメージがあるらしく、パルティータと組曲(suit)も明確に区別している。舞曲形式もそうで、テンポディガボットなんてのはバッハのガボットの範疇からはずれているのだろう。このアルマンドは確かにアルマンドなんだろうなあ。だから、この曲はジーグがない四つの楽章で、緩急緩急の協会ソナタなのだ、と言う意見も読んだが、バッハがそんないい加減なことはしないと思う。






バッハ、ヨハン・ゼバスチャン Bach , Johann Sebastian (1685-1750)

ヴァイオリンソナタBWV1014をリコーダーで
  バッハのヴァイオリンソナタは1014,1016,1017,1019が北御門文雄の編曲で全音から出ている。なかなか良い編曲で(少なくともリコーダーを吹いていて、実に気持ちいい。)バッハ好きなリコーダー奏者には第一のおすすめだ。もしかしたら、フルートソナタの編曲より、いいかも。2つ ずつのスラーはため息。
 1014はロ短調をニ短調にしてある。1楽章、Adagioはほんとはヴァイオリンの重音、あるいはチェンバロと合わせての6声もの対位法を 聴かせる音楽なのかも知れないけれど、でも美しい。長い音符は音楽的に、 意味があるように、特に機械的なヴィヴラートは厳禁!
 2楽章、30小節目からが難しい。ヴァイオリンだったらそんなに難しく なさそうだ、などと言わずに練習しよう。
 3楽章、ほとんど16分音符だし、ほとんど順次進行なのに、なんで バッハならでは、の音楽なんだろう?2つずつのスラーはやはりため息か。









バッハ、ヨハン・ゼバスチャン Bach , Johann Sebastian (1685-1750)

ヴァイオリンソナタBWV1015をリコーダーで
 BWV1015は、北御門文雄の編曲はないが、リコーダーJPからカラオケが出ている。リコーダーJPもいつもすばらしいと思っているのだが、ろくでもない(失礼!)ソナタなんかも出ていて、今回はその配給ではなく、バッハにしてみた。
 バッハはいい。練習する意欲がわく。
 2楽章、70小節あたりからの16分音符の連続が、変だ。こんなに息が持つはずがない、バイオリンはこんなことやってるのか。途中にカッコ付きの所があるが、つけるなら、もうちょっと息がもつあたりにつけなきゃあなあ,もっといいさぼり方はないのか、と思い、さいわい伴奏譜もついているのでそっちを見てみると、何のことはない、オリジナルは全然違うじゃないか。オリジナルは、ヴァイオリンに和音が書いてあるだけ。当時こう言うのはアルペジオで演奏するものらしいから、リコーダーJPの編曲もそれに則っているが、それにしてもリコーダーを吹く人間が編曲したとは思えない。ここはチェンバロはメロディを演奏しているので、邪魔にならないように、和音を見て適当に吹くのがいいと思う。










バッハ、ヨハン・ゼバスチャン Bach , Johann Sebastian (1685-1750)
ヴァイオリンソナタBWV1016をリコーダーで
 1楽章、リズムを正確にきちんとやるとそれだけで、バッハになるし、美しい。(けっして、やさしいという意味ではない)17小節目はわかりにくいが、リズムを理解して、しかもタラータラーの連続だ という意識で。
 3楽章、3連譜が美しい。リズム!高い音のスラーが難しいが、なめらかに。
 4楽章、8分音符、3連譜、16分音符が混ざっていて、難しい。鍵盤奏者はよく一人でこんなの混ぜて出来るなあ。3楽章の同音反復、4楽章のスラースタッカートが物を言うようになるといいのだけれど。













バッハ、ヨハン・ゼバスチャン Bach , Johann Sebastian (1685-1750)
ヴァイオリンソナタBWV1017をリコーダーで

 1楽章がシチリアーノで、美しい。
 シチリアーノと言えば、
フルートソナタのBWV1031のが笛吹きにはとても有名で、ともかく綺麗だけれど、偽作らしい。BWV1035のフルートソナタにもシチリアーノがあって、こちらもいかにもバッハらしく、素晴らしいと思うのだけれど、バッハらしく、少しくすんでいるように感じられる。たしかに1031の方はバッハじゃないかもなあ。
 このヴァイオリンソナタのシチリアーノは1031の様に薄くなく、1035の様に晦渋ではない、なんて言ったら怒られるかな、すごく美しいと思う。  他の楽章ももちろんとても美しくて、傑作。
 2楽章、アダージョ、付点は三連譜と合わせるべきか、ずらせるべきか、、、チェンバロは三連譜と八分音符を同時にやらなければならない所があるようだし、ちゃんと付点でやるべきなのかな。4楽章16分音符に三個ずつスラーがかかっていて、ずれて行くところ(後半の最初)が好き。



バッハ、ヨハン・ゼバスチャン Bach , Johann Sebastian (1685-1750)
ヴァイオリンソナタBWV1018をリコーダーで
 1018も北御門文雄の編曲はないが、リコーダーJPからカラオケが出ている。すばらしくきれいでバッハらしく、うれしい。















バッハ、ヨハン・ゼバスチャン Bach , Johann Sebastian (1685-1750)
ヴァイオリンソナタBWV1019をリコーダーで
 フラット2つになると、とたんに指が回らなくて困る。
弦楽器だったらやさしいかも知れないけど、木管楽器には難しいと思ってしまうところがたくさんある。24小節みたいな、リズムがずれて行くところが美しいなあ。
 3楽章はチェンバロソロ。名著「クワルテットの楽しみ」に
ピアノと言う楽器はともかくうるさい。ベートーベンの「街の歌」(クラリネット、チェロ、ピアノ)にピアノが完全に休みの部分がある。そうか、全部ピアノは休みでいいじゃん、と弦楽四重奏をやることを決心するのだ。
 と言うようなことが書いてあるのを、いつも思い出す。リコーダーの伴奏なんて、相当欲求不満らしいから、この部分で伴奏なんてやーめた、とならないと良いんだけれど、、、このソロで欲求不満は解消してもらって、また伴奏、お願いします。
 次のアダージョはチェンバロの右手と左手とのきれいなトリオ、と書いて、この楽章だけじゃなく、この曲は全部そうなのだ、とやっと 気付いた。これなら、この曲は弦楽3重奏でもきれいに響きそうだ。
 最終楽章は始め、音が飛んでいるのだけれど、意外に吹きやすい。61小節目のcisの混ざっている順次進行がいつになっても出来ない。





バッハ、ヨハン・ゼバスチャン Bach , Johann Sebastian (1685-1750)
フルートソナタソナタBWV1020をリコーダーで
バッハのフルートソナタのリコーダー版が OTTO HEINRICH NOETZEL VERLAG からでている。(BWV1030,1031,1032,1020)

 この曲はBWV1020という番号が与えられているが、ゼバスチャンではなく次男のカール・フィリップ・エマヌエル・バッハの作品らしい。しかも一般にフルートソナタと言うことになっているが、伝えられている筆写譜は「ヴァイオリン」ソナタになっていて、だから1020なのらしい。(フルートソナタは1030あたり)フルートソナタという確証もないらしく、
ひつじ通信だけでなく、有田正広のCD解説でもオーボエソナタじゃないかと書いてある。

   遠い昔「欣ちゃんのどーんといってみよう」と言うラジオ番組がニッポン放送で放送されていた。あれはテレビよりラジオが先だったのだ。たしか21時30分からで、その後の40分からの江戸川乱歩のラジオドラマ?が面白いというので聞いていたのだが、その前の「欣ドン」と言うのが面白いよ、と言う友達の話を聞いて、聞き出したのだった。そのずっと後になって、テレビ番組になっていて、人気だと聞いてぴっくりしたものだ。提供はオリベッティタイプライターだった。タイプライターなんて物が昔はあったんだなあ。
 話が回りくどいが、その、オリベッティタイプライターの宣伝に1020フルートソナタのフルートが出てくる前までが、使われていた。(こんな事書いてもだーれも知らないだろうなあ(^^;))
 そう言うわけでこの曲を吹くと中学の頃のことを思い出す。友達、元気かなあ。






バッハ、ヨハン・ゼバスチャン Bach , Johann Sebastian (1685-1750)
フルートソナタロ短調→ハ短調 BWV1030
 有名な、傑作ロ短調ソナタは半音上げてハ短調で(技術さえ許せば)全部吹ける。何人か、プロが吹いたのを知っているけれど、録音があるかどうかは知らない。いや山岡重治が録音しているかもしれない。ミカラペトリがキース・ジャレットと録音したやつは、なんと原調で吹いている。下のeはひざを使ってるのかな?
 もともとこの曲はト短調の(たぶんオーボエ)ソナタで、
(*注)バッハ自身が3度上げてトラベルソ用に書き直したらしい。普通、管楽器のソロソナタはよく移調して吹かれ、その際、オーボエを基準にトラベルソなら2度上、リコーダーなら4度上で、吹かれる。この曲の場合、その関係は崩れている。バッハは(も)ロ短調に特別な意味を見いだして、どうしてもロ短調にしたかったのではないか?いや、案外、ト短調のオーボエソナタを定石どおりイ短調にすると、重要なところで上のf(トラベルソはfがとても苦手)が出てくるのを避けただけだたりして、、、
 どちらにせよ、とても難しくて、人前でやることは永遠にできそうもない(難易度5)が、トラベルソ奏者にとってもそうらしいしなあ。それに、ひとりで吹いてもこれは傑作だ。出だし、普通に吹いていると、あまりにあっけらかんとした響きが、トラベルソで吹かれたロ短調の響きとかけ離れていて、がっかりしてしまう。(トラベルソにとってもやはり、イ短調ではなく絶対ロ短調だ。)最初のc(以下リコーダー用に移調したときの音名)はともかく、次のgは替え指を使うこと(34とか)。またasはできるだけ正規の0123456(6は半開)を使い、23456(これはgisの指)を避けること。できるだけ暗い響かない音を出したい。
  2楽章、バッハによくある、装飾を奏者任せにできなくて、書いてしまった例。装飾のない、旋律だけを類推してみると、いかに素晴らしい装飾かよくわかるし、勉強になる。6小節目最後の拍のg(リコーダー用ハ短調ではas)はgis(リコーダーでa)ではない!また後半5小節目の最後のgも同じ。バロック時代は同じ音の連続など、明らかな場合を除いて、臨時記号はその音のみに有効だ。バッハは明確にこの規則に従って書いており、上の例はあきらか、だそうだ。
 ちなみにハ短調に移調して415の楽器で吹くと440の楽器でトラベルソ用の楽譜で伴奏してもらえるはずだ。気持ち悪いと言われるかもしれないけれど。
 *その後有田正広のバッハフルートソナタ全集の再録が出たが、彼のよるとこのト短調版がオーボエソナタではあり得ないとのこと。バロックオーボエでは出ない音があると言うことだ。では何用かというと、c管のフルートソナタだとのこと。ともかく有田のCDはお勧めだ。





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バッハ、ヨハン・ゼバスチャン Bach , Johann Sebastian (1685-1750)
フルートソナタ変ホ長調→ヘ長調 BWV1031
 バッハのフルートソナタのリコーダー版が OTTO HEINRICH NOETZEL VERLAG からでている。(BWV1030,1031,1032,1020)

 1031は変ホ長調がヘ長調に移調して出ている。(N3443)
 この曲は大バッハではなく、エマヌエルバッハのものらしい。バッハだろうと、偽作だろうと、名曲だ。
 2楽章がとても有名なシチリアーノ。原曲ト短調、移調してイ短調になっていて、有田正広によれば「遙かに隔たった属調の平行短調」で、要するにフラットが一つ減るのだが、つい間違えてしまう。
 原曲のト短調が、トラベルソで吹くとくすんでいて良いのだが、リコーダーでイ短調で吹くと、リコーダーは軽いなあ、と思ってしまう。でも、名曲だ。
 1,3楽章は原曲の変ホ長調ではトラベルソにとって、ギャラントな感じが出にくい、と言うようなことが書いてある。もしかしたら、リコーダーの方がむしろ軽くて良いのかもしれない。






バッハ、ヨハン・ゼバスチャン Bach , Johann Sebastian (1685-1750)
フルートソナタイ長調→ト長調あるいはハ長調 BWV1032
 この曲の自筆譜は一部失われているそうで、僕の持っているリコーダー版(OTTO HEINRICH NOETZEL VERLAG)は2,3楽章しかない。3楽章が非常に長く、立派で、2,3楽章を吹けば、まあ満足できる。でも補完した物も吹いてみたい。
 原曲のフルート版がイ長調なので、短三度上げればハ長調になるはずで、実はフルート版を使えば吹ける。吹いてみたがなんの違和感もない。
 今ではIMSLPで失われた一部を補完したものさえある。(2018 7月)






バッハ、ヨハン・ゼバスチャン Bach , Johann Sebastian (1685-1750)
フルートソナタ ホ短調→ト短調 BWV1034 
  バッハの1034はトラベルソを吹くようになったら、リコーダーで吹く気がしない。難しくてぼくのトラベルソで吹ける曲ではないのだけれど、リコーダーでも吹けないしなあ。トラベルソの練習は楽しくてしかたがない。1楽章にトラベルソで上のgが出てきて、リコーダーで短三度あげると上のb(フラット)だ。01245で思いっきり吹けば出るのだが、この曲の中での音にならない。
 Adagio ma non tanto , Allegro , Andante , Allegro の4楽章
 1楽章はスラー。速いパッセージよりゆっくりなスラーこそ指をきちんと同時に素早く動かさなければならない。
 リコーダーJPでカラオケが出ているようだ。












バッハ、ヨハン・ゼバスチャン Bach , Johann Sebastian (1685-1750)
  フルートソナタホ長調 BWV1035 を ヘ長調に編曲したものが、UNIVERSAL EDITION WIENからでている、UE 18749。なぜ原曲の短三度上のト長調にしてないのだろう?原曲を見てみると、下がeまでしかないのね。それで2度上にしてあるわけだ。もしかしたら、この曲も1030と同じように、本当はもともとニ長調なのかもしれないね。
 この曲は1楽章が、バッハが装飾を書いた例。僕の楽譜にはちょっとだけ骨組みの旋律が書いてある。意外に易しく吹ける。バッハらしくてよい。難易度4。












バッハ、ヨハン・ゼバスチャン Bach , Johann Sebastian (1685-1750)
2本のフルートと通奏低音のためのトリオソナタ ト長調→変ロ長調 BWV1039
 バッハはトリオソナタをほんの少ししか現代まで残してないが、ほんとは数十曲は書いているんじゃないかというのを読んだ。なんてことだ。でも考えてみれば、書いているだろうなあ。初期のカンタータにたくさんリコーダーを使っているので、リコーダーを含むものもたくさんあったに違いない、うーん、身もだえするほど残念だ。
 1039はトラベルソ2本と通奏低音のためのトリオソナタなので、三度上げてリコーダー2本で吹ける。通奏低音も上げたのが出版もされている。大学時代に同好会仲間のSと良く練習したのだが、通奏低音なしだった。やっぱりトラベルソのためだよなあ、とも思いながら、でもバッハはとても良い。しばらくこの楽譜を開いていない。残念だ。












バッハ、ヨハン・ゼバスチャン Bach , Johann Sebastian (1685-1750)
ヴァイオリン協奏曲 イ短調 BWV1041 をリコーダーで
 バッハのヴァイオリン協奏曲イ短調はクイケンの演奏が好きで、ずいぶんよく聴いた。
 ふと、笛で吹けないのか、どこかに編曲があるはず、と
積志リコーダーカルテットのサイトに行ったらあった。うれしく吹いている。名曲だなあ。 
 ちょっと思いついてトラベルソで吹いてみたら、楽しい!僕の技術でも(かってにひとりでなら)楽しめる。上はeまでしかない。下が何度かつかえてしまうが適当に上げれば良い。機械的なところはなんの問題もない。(2018 4 追記)  














バッハ、ヨハン・ゼバスチャン Bach , Johann Sebastian (1685-1750)
ブランデンブルク協奏曲第2番 BVW1047
  ブランデンブルクの2番はリコーダーとトランペット、ヴァイオリン、オーボエが独奏というなんともすごい編成の協奏曲だ。ほとんど演奏会で取り上げられないと思う。笛とトランペットが対等にわたりあえるはずがないが、実はバロックトランペットはとても小さい音量(も吹ける?)で、リコーダーとバランスがとれるのだ、というのを10年以上昔にラジオの解説で聞いたのだが、今でもあまり実演の話も、そもそもバロックトランペットの音量の話も聞かない。どうなっているのだろう。
 アマチュアとしてはカラオケとか「カラじゃないオケ」で楽しめる。











バッハ、ヨハン・ゼバスチャン Bach , Johann Sebastian (1685-1750)
ブランデンブルク協奏曲第6番 BVW1051(北御門文雄編曲)
 バッハのブランデンブルク協奏曲第6番をアルト2本に編曲したものは、全音ではなくて、季刊リコーダーの付録で知った。大学時代のリコーダー仲間Sとずいぶん吹いたのを懐かしく思い出す。最近音信不通なのだが、元気でいるだろうか?
 1楽章、半拍ズレのカノンで難しくて、最後まで通した記憶がない。全音のアルト2重奏曲集のバッハの最後に入っているが、アルト2本と鍵盤楽器のために全曲が編曲されて出版されている。これも北御門文雄(きたみかふみお)の編曲でまえがきがほんの十数行なのに、含蓄に富んでいる、と感じてしまう。
 実は2,3楽章はまだ合わせたことがない。やってみたい。





バッハ、ヨハン・ゼバスチャン Bach , Johann Sebastian (1685-1750)
チェンバロ協奏曲 第6番 へ長調 BWV 1057
 これはもうまったくの老人の自慢話だけれど、僕はブランデンブルク協奏曲4番の編曲である、チェンバロ(と2本のリコーダーの)協奏曲(ヘ長調 )をやったことがある。やったことがある、というのはもちろんアマチュアだがバロックオーケストラで、ちゃんとチェンバロと、少額の入場料を取る数百人の聴衆の前でだ。えっへん。
 リコーダー2の方だったから、最初からいきなりこの難しいパッセージで、これはブランデンブルクのト長調とどっちが難しいんだろう、たいして変わらないかな。
 その時の指揮者が、どんどん遅くなる、と言って、設定速度が練習のたびに速くなっていってまいった。後から考えれば、遅くなるのは設定速度でも、ソロでもオーケストラのせいでもなく、指揮が悪かったんだと思う。しゃくるような、つまりオーケストラを先導する指揮でなく、オーケストラに後追いするものだったのだ。だいたい速すぎるテンポを設定すれば、だんだん遅くなるに決まってるじゃないか。でもリコーダー2だったし、音楽は指揮者のものだ、と思い、まあどうにか吹けるギリギリのテンポだったので何も言わなかった。どうにかなってホッとした。





バッハ、ヨハン・ゼバスチャン Bach , Johann Sebastian (1685-1750)
管弦楽組曲第2番 BWV1067
  言わずと知れた、フルートと弦楽(と通奏低音)のための「序曲」(というのはフランス風序曲から始まるフランス風の組曲と言う意味)で、序曲のあとはロンドー、サラバンド、ブーレー1,2、ポロネーズ、メヌエット、バディネリーと続く。有名曲で、言わずもがなだなあ。
 フルートはもちろんトラベルソだから、3度上げるとすべてリコーダーで吹ける。全音からリコーダーと通奏低音(鍵盤とガンバ)のために編曲した形で出ている。(
こちら
 名曲で、難しいがとても楽しい。序曲は長くて体力が持たない。ブーレーはなぜ1と2の間で譜めくりがあるんだ?けしからん。ポロネーズとバディネリーは難しいが、超絶技巧ではないし、ともかく名曲。








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ミッシェル・ドゥ・ラ・バール Michel de la Barre
組曲第1番(二つのフルートのための)
 ミッシェル・ドゥ・ラ・バールという作曲家を何度か耳にしたが、よく知らない、印象にない。探したら、むかしむかし「季刊リコーダー」の付録に付いてきた、この楽譜が出てきた。
 吹いてみたの(一人からおけ)だが、余り面白くない。やたらに3度を重ねてあって、すぐ飽きる。Fantaisie や、Fugueですら、3度を重ねている、と言う印象なのは逆にすごいことかもしれない。Gigue は余り速くないのかな。Musette だけはいかにもそれらしくて楽しめた。







バルサンティ、フランチェスコ Barsanti,Francesco(1690-1772)
リコーダーソナタニ短調 Op.1-1
Adagio , (指示なしアラブラーベ) , Grave, Allegro Assai (Gigeだろう) の4楽章
 有名な2番のようなぐちゃぐちゃな装飾は書いてなくて、その分やさしいかもしれない。
 4楽章がアレグロアッサイだと言うからアレグロというかプレストで吹き始めたら前打音を入れてテンポでできない。(^^;)これ難しいし、途中の拍をまたがったスラーなんかを考えても、プレストで吹き飛ばすジーグとは思えない。ほんの少し抑制されたスピードで吹くものなのだろう。 







バルサンティ、フランチェスコ Barsanti,Francesco(1690-1772)
リコーダーソナタハ長調 Op.1-2
 リコーダーJPのカラオケを買った。解説(HPでも読めます)も詳しいので、あまり書くことはない。
 イタリア的な、なにも書いてない3楽章以外は相当難しくて、練習しないと楽しめない。
 1楽章は装飾を簡略化した版が入っていて親切だ。もっとも旗が5本もついているけれど、八分音符を感じれば適当にやってりゃあいいんだろう。(と思っていたらカラオケの伴奏と一緒に終われなかった(^^;))。
 2楽章は、音が飛んでいるところが難しいが、そこは上の音だけ吹いて下は無視すれば、やさしく吹ける。
 3楽章はなにも書いてないので、装飾を入れなければつまらない。だから、譜面づらは白いが、難しいと言えば難しい。
 4楽章、3/8のプレストなのだが、解説の「冒頭などは猛烈に速いテンポが合いそうですが、」とは思わない。カスタムCDのテンポもさらに速いのが二つ注文できるようになっているが、「標準的な」このテンポがもっとも適切だと思う。この3/8はあくまで3/8で、いち!に、さんと感じるべきで、6/8や12/8のプレストとは違うのだと思う。シンコペーションのところはバスの1拍目を強く感じなければ。




バルトーク、ベーラ Bartók Béla Viktor János (1881 - 1945)
ミクロコスモスをリコーダーSAで
  全音リコーダーピースの旧R7として、No.32:ドリア戦法旋法で 58:東洋のスタイルで 40:ユーゴスラビアの旋法で 88:笛の二重奏 100:民謡のスタイルで が収められている。
 全部は合わせたことがないかも知れない。いまや無料で原典が見えてしまうので、このほかもかってに(シロートでも)編曲できると思う。いま僕はチェロ二重奏とかあるいは他の楽器とのアンサンブルにできないかなあと思っている。







ビッティ 、 マルティーノ Bitti , Martino
フルートのためのソロ
 かつて全音リコーダーピースの138として出版されていたもので、全音リコーダーピースはいま次々と復刊しているので、そのうちこれも手に入りやすくなるだろう。IMSLPにはリコーダーソナタが8曲セットで楽譜が登録されている。ファクシミリも登録されていてすばらしい
 ビッティは生没年不詳、フローレンス宮廷の音楽家らしい。この作品は1712年に出版されたものらしい。ごく普通の室内ソナタ。たまに吹くには楽しめる。ただ、全音も、IMSLPもかってなスラーがついている。ファクシミリにはついていない。スラーは参考にして、ファクシミリを使う方が良い。充分というかとても美しいものだ。(2013 Mar.)







ビッティ 、 マルティーノ Bitti , Martino
 1番ハ長調を吹いてみた。息つぐ場所がなく弦楽器のためのものだと思う。でもまあ息を吸うために時間をもらっても音楽的にはまあ大丈夫だと思う。たいしたものではない。音域も低く、曲の内容も平易。ファクシミリが横長で、どの楽章も1枚なので、コンピュータ画面を見てストレスなく吹けて、うれしかった。
 Preludio Vivace , Corrente Vivace , Gavotta Preste , Minuette Allegro の4楽章。クーラントは1カ所だけ大きな3拍子が大きな3拍子として記譜してあるが、他にもトリルの書いてある小節はほぼすべて、その前の小節と連結してヘミオラとして感じた方がおもしろいと思うなあ。 Vivace はもちろんバロック時代の Vivace 。ガヴォッタは今の感覚ではアレグロ、ミヌエットはアレグロモデラートだろう。(もちろん僕の個人的感覚ではある。)









ブラヴェ Blavet
 小品集
 どんな楽器でもアンサンブルをしようと思えばデュエットはお手軽だ。リコーダー奏者にとってデュエットと言えば
全音の3巻テレマンの作品2モーツァルト(はあまりリコーダーでは吹かないか、、、)はトラベルソの物だなあ。
 ブラヴェの小品集もトラベルソの物だけれど、何しろ小品集で、短三度上げれば出来て、お手軽だ。  当時のフランスを始め、ドイツイタリア、イギリス、有名な音楽家の作品(の編曲)と自作をあらゆる様式、いろいろな難易度を織り交ぜてある。
 小さな音符で、厚いのが三巻。これだけ有れば一生楽しめそうだ。全部はとても音に出来そうもない。
 有田正広がこの中の「門番」「ある日病気のコランは・・・」が妙に好きらしくて、何度も録音している。季刊「リコーダー」にも別冊付録としてリコーダー用に三度上げて載せていた。特にコランの方なんか、この微妙なニュアンス、入りがわからないようなソットヴォーチェ、消え入るようなデミュニエンド。こういうのを聞いてしまうと、絶対リコーダーでは無理だ、と諦めてしまう。
 でも一方、花岡和夫、篠原理華がヴォイスフルート、バスリコーダーで吹いているCDがすばらしく美しくて、気持ちよくて、すぐ寝てしまう。(^^;)




ブラヴェ Blavet
 フルートソナタ ト短調 Op.2-4 
 Adagio"La Lumague",Allemanda.Allegro,Ciciliana,Presto,Allegro"Le Lutin"(いたずらっ子) の5楽章。例によって、フラット一つで書いてある。リコーダーで吹くとト短調なら、フラット5個と言うことになるのか、とても難しい。1楽章、リュマグというのは人名なのか、なんななのか。譜割がなんだか間違えてあるところがあるが、要するに雰囲気で、大きな拍が感じられればいいのでしょう。Adagio なのだが、Andanteのような曲想だ。歩かないように。
 有田正広がCDに入れている(ブラヴェ フルートソナタ集、5楽章が間違えてアダージョと書かれている)









ブッケ 、 ケース  Kees BOEKE
アルトリコーダーのための3つの練習
  ケース・ブッケはブリュッヘンの弟子。同じくワルター・ファン・ハウヴェとサワークリームというアンサンブルを作っていて、聴くだけのファンにも知られていると思う。
 ブッケ(だったかハウヴェ?)が、リコーダー教師としてのブリュッヘンのことを昔々季刊リコーダーだったかの対談で語っていて、酔っ払ってレッスンに来ることがあった、とか「今日は間違えたら音の数×いくらの罰金を取る」と言って、実際取られて、頭にきた。などと語っていた。
 この練習曲は前書きがすべてを語っている。曰く、技術的な練習曲で、音楽的なことはまったく考えてない。技術はそれだけで意味がある。どの一部分を取り出しても練習になる。
 なるほど、練習ってそういうものだよなあといたく感心して、いまもずっと脳の片隅にある。この練習曲という意味ではともかく難しくって、3つめの28の練習曲は28の部分のさらにほんの一部というか、いやつまりどれかの2つの音のつながり、というそれしか練習してないと思う。







ボワモルティエ 、ジョゼフ・ボダン・ド Boismortier, Joseph Bodin de  (1689-1755)
 ボワモルティエはIMSLPに登録されているだけでも作品1、2、6、8、13、78の6×4+12+4=40曲のフルートデュエット、通奏低音付きのフルートソナタを作品19,44,91 の6×3=18曲 組曲作品35が6組曲、3つのフルートのためのソナタが6曲(作品7)、4つのフルートと通奏低音あるいは5声の協奏曲を6曲(作品15)などがあり、他にも旋律楽器なら何でも大丈夫!みたいなのとか、ミュゼットのはたいていリコーダーでも吹けるみたいだし、もちろん、フルートの曲は3度上げれば吹けるし、まったくどれだけ書いたんだと言う気もするが、どれもみんなおんなじ。(いや、実際の所あんまり吹いてないけど。(^^;)フルートの曲は作品1からしてフレンチGクレフで書いてあるので、そのまま吹くのは難しい。でもとても書き直す気にはなれず、そのまま吹く練習のためにしか吹いてない感じだ。いろいろ出版されてるのを吹けばそれで十分か。







ボワモルティエ 、ジョゼフ・ボダン・ド Boismortier, Joseph Bodin de  (1689-1755)
 フルートデュエット作品1 をリコーダーで
 1番 ニ長調 
 ボワモルティエの作品1はフルートデュエットなので短3度あげればリコーダーデュエットにできる。フレンチGクレフで書いてあるので、C管で普通のト音記号だと思って一個上をフラットを二つ増やして読む。この写真ならソソーミファソド、、、という感じ。ハ長調(シャープなし)。この方法が正当?な方法で、ヴォイスフルートなら、トラベルソともあわせられる。難しいが意外にできるもんだ。
 フレンチGクレフはヘ音記号の1オクターブ上なので、ヘ音記号だと思ってC管の指でも吹けるが全音分高くなる。
 アルトというかF管の指でそのまま読むと下がつかえてしまう。(これは当然でフルートというかトラベルソというかdまで出てくるからたいていいつでもつかえてしまう。)
 Allemanda(Gravement) , Gayment , Gavotte , Lentement , Legerement の5楽章
 基本的に1番2番フルートは対等で、模倣して始まるが、カノンやフーガというわけではないようだ。5楽章がちょっと変わった3/8で(ジーグではない)おもしろかった。



 2番 ト短調
 Allemanda( Gayment ), Courante , Rondeau , Gavotte の4楽章 フラット一つで書いてあるが、ト短調で実際はフラット二つ、リコーダーで短三度あげるとフラット5つ相当(というのはアルトの指で)になってしまう。長三度あげた方がシャープ二つになるのでやさしいか、と思ったのだが全然違う。そんなの全然できない。C管だと思って普通に吹くのの半音下なのだ。結局C管の指で吹くのが一番良さそうだ。
 ひととおり(独りで)吹いてみたが、フレンチGクレフをC管の指で吹くのが難しくて、どんな曲なのかわかりゃしない。(^^;)
 1番のアルマンドはGravementで2番はGaymentなのだが、その感じの違いを感じることすらできなかった。






ボワモルティエ 、ジョゼフ・ボダン・ド Boismortier, Joseph Bodin de  (1689-1755)
二重奏曲集 作品17
 ボワモルティエはリコーダー奏者にもなじみの深い作曲家だと思うのだが、名曲がないのかな、この曲というのが思い浮かばない。当時からその多作ぶりを揶揄されていたらしいからなあ。
 作品17は音楽之友社からでていたものだが、今は手に入らないらしい。どうやらこの曲集はミュゼットのためのものらしく、IMSLPで手に入るようだ。
 たまに吹くと、なにしろやさしいし、なかなかヴァラエティに富んでいて、まあまあ楽しめる。













ボワモルティエ 、ジョゼフ・ボダン・ド Boismortier, Joseph Bodin de  (1689-1755)
 フルートと通奏低音のためのソナタ 作品19
 トラベルソのものだが、3度あげればリコーダーで吹ける。きれいなファクシミリがIMSLPに登録されている。

 第1番 ト長調→変ロ長調?
 低いところをうごめいている。
 Largo 最後の最後で短調になっていてなんか新鮮だった。Allemanda(Allegr), Affettuoso , Largo ヘミオラだらけ最後の最後にとても細かい音符。次のGigaもあまり速くないのだろう、途中カナリータイプのリズムが入り、最後の最後の速い音階が楽しい。
 全体として楽しめた。




 第2番 

 第3番 

 第4番 

 第5番 

 第6番 













ボワモルティエ 、ジョゼフ・ボダン・ド Boismortier, Joseph Bodin de  (1689-1755)
6つの組曲と2つのソナタ 作品27
  2 vielles or musettes or recorders or flutes or oboes のため、つまりどんな旋律楽器でも良い、と言うわけだ。ヴィエールというのはどうやらハーディーガーディー(の一種?)のことらしい。ミュゼットはバグパイプ(の一種?)。音色を考えるとチェロ二重奏でも相当良いと思う。今思いついたが、超初心者がドローンで参加してもおもしろいのではないか。
 6つの組曲はデュエット、ソナタ二つはソロと通奏低音
 音楽之友社から昔出ていたリコーダーのためのオリジナル曲集 SOR-1310 としてソナタ二つが出ていた。いまはすべてIMSLPに登録されている。
 買ってたぶん40年ほど、あわせたことはないと思う。メロディーだけは買ったときにでも音にしたかなあ。それでも40年ぶりに音にしたと思う。まあ、たいしたことないけれど楽しい。(2021Feb.)


ソナタ1番 ハ長調
 アルマンド、クーラント、ロンド-、ジーグの4楽章
 実にたいしたことない。ハ長調だし。ジーグの後半、息がもたない。どうすりゃあいいんだ。とても保たない。通奏低音と打ち合わせして、どこかで息を継ぐ時間をもらうのが良いかもしれないなあ。(2022Feb.)

















ボワモルティエ 、ジョゼフ・ボダン・ド Boismortier, Joseph Bodin de  (1689-1755)
二つのフルートのための4つの小組曲
 Broekmans em Van Poppel(http://www.broekmans.com/en/default.cfm)
から、ボアモルティエの二つのフルートのための4つの小組曲というのが出ている。ボアモルティエがあまりに多作で、オリジナルが何なのか、わかりゃしない(^^;)。
 トラベルソの音域なので、短三度あげてリコーダーで完全に吹ける。
 舞曲組曲だが,バッハでおなじみの定型ではなく,適当に並べたような感じ。
 4つの組曲がすべてメヌエットで終わっている。メヌエットは人気だったんだろうなあ。
 トラベルソのフランスっぽい感じはあまりなくって,むしろリコーダーでいい感じだと思う。易しく,特別の情緒もなく、お手軽。




















ビュターン 、 シャルル  Buterne , Charles
ソロソナタ ハ短調 作品2−4
 かつての全音リコーダーピース 148 で出ていたもの。なんと全音リコーダーピースは2017年復刊しているのだが、そのうちまた出版されるのかもしれない。と、この間書いたと思ったら、とっくに復刊して、2018,3月にはもう売り切れている。すごい。
 タイトルはアルト・リコーダーと通奏低音のためのと書いてあるが、ラソスキーの解説によれば、原題にはvielle(ってなに?と思ったが、ミュゼットのことあるいは一種らしい、へえ)、など様々な高音楽器の名前が書いてある。ラソスキーだろう、調性と高音のパッセージからアルトリコーダーのためのものだろうとしている。吹いてみると確かにリコーダーのためのものらしく感じられ、その、上のg(ほぼ最高音)を含むパッセージはとても難しい。
 (Rondeau)Tendrement,La Bully(Allegro),Minuetto(1,2)の3楽章。内容は平易
(2018/03/31)










ジェイムズ・ダンカン・ケアリー James Duncan Carey (1927-2011)
サーカスにて 
 リコーダー4重奏曲のための曲でとっても良い。楽しめた。
Fanfare (Ringmaster) (Alla marcia) - The Clowns
The Dancer on the High Wire
Trapeze Artists (Tempo di Valse )
Fanfare and Circus Parade
 の4曲
  最初の行進はピエロやら熊やらのものなのだろう。
  クラウンは道化(ピエロ)のことだ。

 3曲目のワルツテンポのワルツはもちろんウィンナワルツではなくてイギリス?の(ってどんなの?)というか、少し速めだと思う。
 後半の3小節めの3拍目はあくまでアウフタクトだから次の1拍目とは違うニュアンスで。

















チャリンジャー 、 アンドリュー Challinger , Andrew ( 1950- )
 チャリンジャーはイギリス生まれで、ずいぶんいろいろリコーダーのために作曲しているようだ。MONTEM MUSIC というところからたくさん出版されていて、簡単に手に入るようだ。

三つのダンス
  リコーダー6重奏のための3つの舞曲。現代リコーダーコンソートのための、それらしい楽しい曲。
 3曲目は8/8で書かれていて、一貫して8分音符のタタタ、タタタ、タタというリズムで書かれている。こういう変拍子の曲ってよく考えられていて、どうしてもわからない、ということはない。たいてい楽しい。ストラビンスキーだってそうなのだ。
 この曲もとても楽しい。個人的な考えだが、この曲のアクセントはリコーダーでよくやるような、長めに吹くアクセントではなく、本来の、強いアタックのものだと思う。リコーダーの場合難しいが、(雑音混ざりの)強いタンギングでやるべきだと思う。
 そもそもこのリズムは変形3拍子だ。この曲の三拍子は1拍目が強く2拍目が次に強く3拍目は弱くなっていると思う。三拍目は8分音符2個で短いんだし。いや、曲の半ばにはあきらかにアウフタクトが強いところもあり、2拍目より3拍目の方が強いのかも。
「3拍子の中には2拍目が弱く3拍目が強いリズムと、2拍目も強く、3拍目が弱い3拍子があり、サラバンドは後者だ。」
 というのは鈴木秀美の受け売りなのだが、この曲はどっちだ?。
(2018 4月、6月)








ショヴォン 、フランソワ  François Chauvon (活躍時期 1710-1740)
 故本間正史のフレンチ・オーボエの芸術がすばらしくて、その中に収められているショボンも知り、IMSLPに登録されているのだ、うれしく楽しんでいる。ショボンについてはクープランの弟子と言うことくらいしか知られていないようだ。
 ティビアード TIBIADES 「フルート、オーボエのための新しい分野の作品と、ヴァイオリンのためのいくつかのソナタ」
 短3度あげるとか、あるいは4度あげればリコーダーでも楽しめるのだが、フレンチGクレフで書いてあるのだ。どちらもむずかしい!やはりCDで聴いている曲はイメージがつけやすいというか、影響されやすいと言うべきか。その、本間正史のアルバムには1番と3番が収められている。
 曲集の名前「ティビアード TIBIADES」というのはTibia つまり動物の脛骨から作った古代の長い笛のことだそうだ。(http://blog.livedoor.jp/klangredeconcert/archives/53603188.html クラングレーデ コンサート事務局ブログ)













シェドヴィーユ 、ニコラ(Nicolas Chédeville, 1705-1782)
 シェドヴィルとするのが正しい、とネットでは書いてあるようだけれど、本当?。Chédevilleのダッシュはアクセントではなくアクサンで、eを「ウ」ではなく「エ」で発音する意味しかないと習ったのだが。ただ、昔の発音のことは知らない(そもそも昔の発音わかっているの?)し、フランス語っぽく口先?でグニャグニャ発音するとシェドヴィルでも良いような気がしてきた。
 18世紀フランスの作曲家、あるいはミュゼット教師。

忠実な羊飼い
 今の古楽ブームというか古楽の隆盛以前はヴィヴァルディの作とされていた。シェドヴィーユの作品というか、ヴィヴァルディを語った、かってな編曲、改竄(かいざん)とはっきりわかっているらしいのだが、そんなことは当時は割と普通のことだったらしく、あまり非難してもしょうがない。
 2番の冒頭がNHKFM「バロック音楽の楽しみ」のテーマ曲で、ランパルだったか、耳について離れない。楽譜は全音から全曲セットで出ている。
 ついでながら「羊飼い」は、宗教上の指導者のシンボルなのだそうだ。全然知らなかったが、僕自身は中野京子の「怖い絵」で知った。

 1番ハ長調
  1番ハ長調 を吹いてみた。なかなか良い、楽しめた。Moderato , Allegro Tempo di gavotta,Affettuoso,Allegro,Giga Allegroの5楽章。2楽章がフラット二つで、なんだよヴィヴィルディゆずりのいい加減さかと思ったらそうじゃなくてハ短調なのだった。4楽章は途中から出てくる十六分音符が吹けるテンポで。でもある程度速くないとおもしろくない。2018/06/23





シェドヴィーユ 、ニコラ(Nicolas Chédeville, 1705-1782)
忠実な羊飼い 2番 ハ長調
 昔ランパルの演奏で「バロック音楽の楽しみ」のテーマ曲だったので、それが耳について離れない。最初の楽章だけしか聴いたことないだろうけれど、他もなかなか良い。Preludio Adagio , Allegro Assai , sarabanda Adagio , Allegro の4楽章。2楽章はアレグロアッサイだが、僕の感じる曲調は速いメヌエット(ということはパスピエ?)だなあ。4楽章のほうは十六分音符が吹けるテンポを考えると普通のアレグロだが、曲はもっと速く吹けと言っていると思う。





シェドヴィーユ 、ニコラ(Nicolas Chédeville, 1705-1782)
忠実な羊飼い 3番 ト長調
 プレリュード(アンダンテ)、アレグロ・マ・ノン・プレスト、サラバンド、コレンテ、Giga(Allegro) の5楽章。
 全音の楽譜には、同じフレーズにやたらにフォルテピアノが書いてあるのだが、ファクシミリにはほとんどない。いい加減なことは書かないで欲しい。だいたい本当にエコーなの?エコーってのは2小節くらいのものではないのだろうか?「ヤッホー」「好きだー」「バカヤロー」くらいならともかく「おまえがむちもうまいなごうまんやろうだってのはだれだってしってるぞー」とか言っても、山びことして返ってこないんじゃない?(^^;)鈴木秀美が、ヘンデルのソナタの時だと思うのだが、同じことがくり返されるとすぐエコーと考えられるようだが、普通同じことを繰り返し言うときは強調で、二回目の方が強く大きく言いませんか?と言っていたのが忘れられないのだ。もしかしたら2回目は繰り返し記号の繰り返しではないけれど、装飾を入れるべきなのかもしれないと思えてきた。なにかを強調したり、確認したくてくり返すとき、違う言い回しで言わない?
 おもしろいことにジガ(ジーグ)の通奏低音は2/4で書いてある。イネガって旋律楽器とあわせるべきだろうか?それならわざわざ2/4で書くだろうか?しかし、上が6/8で下が2/4なんて当時、演奏されたのだろうか?わからない。





シェドヴィーユ 、ニコラ(Nicolas Chédeville, 1705-1782)
忠実な羊飼い 4番 イ長調→ハ長調または変ロ長調
 原典はイ長調で、下のミがやたらに出てくる。リコーダーJPのカラオケはなんと半音上げて変ロ長調にしてあるが、短三度上げの方がIMSLPのファクシミリをそのまま使えるし、音域的にも良いと思うけどなあ。ハ長調になるのだし。









シェドヴィーユ 、ニコラ(Nicolas Chédeville, 1705-1782)
忠実な羊飼い 5番 
 この曲は特にヴィヴァルディっぽい感じを受けた。要するにあまりおもしろくない音階、ミソファソレソファソみたいな機械的なところがヴィヴァルディを感じさせるんだなあ。

 2楽章のこんなところとか

   3楽章のこことか

 こことか












シェドヴィーユ 、ニコラ(Nicolas Chédeville, 1705-1782)
忠実な羊飼い 6番
  なかなか良い。特に2楽章Fuga da capellaのテーマが美しい。3楽章はシチリアーノっぽいLargoだがいまいち。4楽章はAllegro ma non presto なかなか難しくて僕にはプレストでは吹けないけど、プレストでも良いんじゃない?この楽章はヴィヴァルディの協奏曲Op.4-6(RV316a)の1楽章の借用だそうだが、未確認。(2003/08/19)








シェドヴィーユ、ニコラ  Shedeville,Nicolas (1705-1785)
パントマイム第6番
有田正広編 季刊リコーダー 1983No.3別冊付録

 トラベルソは1年以上毎日、じゃないな、週に平均4日、5分ほど吹いている。上のシが出しにくくって、いつになっても、これはたぶん吹き続けても一生、意識して努力しないとちゃんとでないんだなあ。今日吹いたのはシェドゥヴィーユのパントマイム第6番。
  シェドゥヴィーユは、ヴィヴァルディの作曲ということになっている「忠実な羊飼い」というソロソナタ集を出版した人物だ。  この曲は古い季刊リコーダーの付録で有田正広編、「イタリア風パントマイム」と題された作品のうちの6番目とのこと。
Allegro Andante Chaconne Minuetto Tambourin の5楽章。Allegroはアルマンドのような気もしなくもない。Andanteはシチリアーノのような感じもある。Chaconneは割と軽いもの。テンポもあまり遅くないはずだ。Minuettoはあまりにも単純すぎてつまらない。Tambourin は、これもとても軽く、良い。(2010Oct.)






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コレルリ 、 アルカンジェロ Corelli,A
  ヴァイオリンソナタ Op.5
コレッリのヴァイオリンソナタOp.5のうち室内ソナタ6曲は、例の
ウォルシュ Walshがリコーダー用に編曲して出版している。ブリュッヘンの録音がある。協会ソナタの方はヴァイオリンの重音を利用したフーガを含んでいるからだろう、編曲は断念されている。
 1754年だかの、編曲者不詳のフルート版は1番から6番までで、トラベルソのためのものなので、三度あげればすべて吹ける。ウォルシュのリコーダー用編曲もフルート版も、なんと今やimslpで無料でダウンロードできるのだ、すごいことだと思う。




コレルリ 、 アルカンジェロ  Corelli,A
  ヴァイオリンソナタ Op.5-1 ニ長調→ヘ長調
 リコーダーJPのカラオケがあるのだが、冒頭、通奏低音というかドローンの上のソロ、すぐまたテンポが変わり、また同じ。これをカラオケでやるのは無理があるよなあ。むりやりちょっとやってみたが、無理。
 また、一人で吹いていてもあまりおもしろくなかった。分散和音が単純でヴィヴァルディを思い出した。あまり変わらないとはいえ、トラベルソ版のほうがなんとなくおもしろい。アルペジオのちょっとした扱いの違いだと思うのだが。また、ともかくヴァオイリンで弾くテンポでは難しいし、楽しくないと思う。笛で吹くにはもう少し遅くない楽しめない。また息継ぎの問題もあり、ともかくカラオケは難しい。
 画像は1754年のトラベルソ版。(だから短三度あげられるリコーダー奏者はそのまま簡単に吹ける。)












コレルリ 、 アルカンジェロ  Corelli,A
  ヴァイオリンソナタ Op.5-7 ニ短調→ト短調
 コレッリのヴァイオリンソナタ、後半6曲の室内ソナタはすべて
ウォルシュがリコーダー用にして出版している。5−7はウォルシュ版では3番と言うことになっているようだ。
 コレッリVnではニ短調だがフラットはなしで、臨時記号をつけまくっているが、ウォルシュ版はちゃんと♭2個で書いてある、おもしろいなあ。
 Preludiu (Vivace) , Corrente , sarraband(Largo) , Giga

 実に楽しいのだが、iPadで楽譜を見て吹くのは老眼にはつらい。(^^;)

 ウォルシュ版の臨時記号がというか、当時の習慣だが、シャープがアスタリスク*みたいだし、当時ナチュラル♮がなかったのだ、esをeにするナチュラルがシャープで書いてあって、しかもfisとそのeと、臨時記号の位置がちょっと微妙にズレてるんだもん、ミなのかファなのかシャープかナチュラルか、ワケがわからなくなる。まいった。








コレルリ 、 アルカンジェロ  Corelli,A
  ヴァイオリンソナタ Op.5-8 ホ短調→ト短調
 リコーダーJP からカラオケが送られてきた。リコーダーJP のカラオケの楽譜には、4楽章のジーグにわざわざ注釈を付けている。ひとつは、
ウォルシュ Walsh版では1オクターブ上げているところを上げない、下のasもダブルホールならできるでしょ、と言うもの。 もう一つはウォルシュはジーグのスラーを2つだけかけてるけど、原典通りの3個スラーにした、と言うもの。なるほど、それは一つの意見で、良いと思う。
 ただ、僕自身は、両方ともウォルシュ版を取る。下のasを含むフレーズはムダに難しくて効果がないと思うからだ。音域とその性格の問題もある。あたりまえだが、リコーダーはやはり下の方の音は弱いのだ。ヴァイオリンはけっしてそうではない。でも練習にはなる。なかなか難しい。
 スラーの方も2つスラーの方が感じが出ると思う。ヴァイオリンで2つ1つのスラーはややぎくしゃくすると思うのだが、リコーダーではやさしいし、リズム感が出て、多少ゆっくりでもジーグの推進力?が出ると思うのだ。3つスラーにするなら、さらに速めのテンポを選ばなければいけないと思う。
 書いていて思い出した。鈴木秀美が無伴奏チェロ組曲の解説で、イネガってやると多少遅くてもリズム感が出る、と同じことを書いている。ただの受け売りだったか、、、







コレルリ 、 アルカンジェロ  Corelli,A
  ヴァイオリンソナタ Op.5-9 イ長調→ハ長調
 Preludio(Largo),Giga,Adagio,Tempo di Gavotta(Allegro)の4楽章。カラオケだと1楽章のソロの出から通奏低音が出てくるまでが微妙にあわなくてまいる。2楽章がジーガってのが珍しいなあ。3楽章は装飾必須。4楽章はガボットなのだ、このカラオケは遅すぎる。アレグロのあくまでアラブラーヴェ(2/2)のアレグロなのだ。もっと速ーい。
 一通りやってみて楽しかったが。内容の割に長いなんていったらコレッリにおこられるかなあ。繰り返しさせるなら、中身に繰り返しの内容はなくして欲しいもんだ。そんなこと言っても無茶な注文か。
















コレルリ 、 アルカンジェロ  Corelli,A
  ヴァイオリンソナタ Op.5-10
 リコーダーJPのカラオケが RG-145 (小さいサイズ900円)他、大きく高いのもいろいろ売っている。
 ウォルシュの版では2番。どちらもト長調になっている。
   Preludio(Adagio),Allemanda(Allegro),Sarabanda(Largo),Gavotta(Allegro),Giga(Allegro)の5楽章。
 ガヴォッタはあまりそれらしくない、短くて、楽しい曲。ジーガはたしかにジーガなのだが、ちょっとおもしろかった。
 全体としてヴァイオリンらしく音がとても飛ぶので難しく、とても楽しい。リコーダーJPの解説に、難しいからあきらめた方が良いと書いてある上のシードシャープのスラーは難しいが、大切なのは息の圧力の調節で指をきちんと動かすことと息の圧力の変化の同期なのだ。










コレルリ 、 アルカンジェロ  Corelli,A
  ヴァイオリンソナタ Op.5-11
 リコーダーJPのカラオケ:RJP 157
 ウォルシュでは五番 ト長調 プレリュード アレグロ アダージョ ヴィヴァーチェ ガヴォッタ の5楽章
 ビルスマはコレッリは嫌いだそうだが、僕は端正でわりと好きだ。でも今日は吹いていてあまりおもしろくなかった。真っ白なアダージョだけでなくプレリュードもぜひ装飾を入れたいなあ。特にアダージョは「作曲」しなければならないと思う。3/8のヴィヴァーチェはメヌエットより速くだからパスピエの感じだがコレッリにはパスピエってないような気がする。(僕が無知なだけかもしれない、すみません。)もちろんフレーズの最後は定番と言って良いヘミオラなのだが、全体としてリズムのぎくしゃくしているところを楽しむ曲なのだろう。飛び跳ねていてだからやっぱりパスピエと思う。










コレルリ 、 アルカンジェロ  Corelli,A
   ヴァイオリンソナタ Op.5-12 「ラ・フォリア」
 ラ・フォリアは
ウォルシュの編曲?もあるが、全音リコーダーピース145(編曲は有田正広)で出ていた。他にもあるようだ。
 難易度5。あたりまえだ、ヴァイオリンでも難しいってのに。通奏低音も難しい。むかしもリコーダー奏者は曲に飢えていたんだと思う。まあ、プロじゃないんだからゆっくり吹こう。ロックなんかでも感じるのだが、同じ事を何度も何度も繰り返していると、なんというか、興奮してくる。上手く吹けないからと言って、ガッカリしちゃあいけない。上手く吹けたつもり、高揚感を大切にすると吹き終わって、充実感を感じることが出来る(かな?)
 有田の録音を聞くと、さらにダブルストップの音を前打音にして入れていたりする。上手いなあ。おひねりを投げたくなる。

 





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クープラン 、 フランソワ Couperin,Francois
恋のウグイス
 恋のウグイスはクラブサン曲集第3巻 14オルドルの冒頭。クープラン自身がフラウト・トラベルソにも似合うと書き残しているらしい。
 ブリュッヘンがソプラニーノで録音したせいでその後もソプラニーノで吹かれたり録音されることが多いが、僕に言わせればぜったいソプラノ(リコーダー)で吹くべきだ。原調で吹けるのだ。
 アルトというか、ソプラニーノというか、F管の運指では多田逸郎編の
アルト・リコーダーと鍵盤楽器のためのバロック名曲選に納められている。僕自身のリコーダープレゼン曲、アンコール曲としていて、プラスチックのリコーダーのケースにこの楽譜のコピーを小さくたたんでいつも突っ込んである。(暗譜すりゃあ良いんだけれど、、、)
 2019年4月、まあ余興なのだが、1000人近くの聴衆の前で吹いた。
 柄にもなくあがってしまって、息のコントロールがうまくできなかった。くっそー。
 それでもリコーダーってすごいんですね、と言われたし、一人には感動した(なにを?どう?)まで言ってもらってありがたいことだ。







クープラン、フランソワ Couperin,Francois
王宮のコンセール第6番
 東京コレギウムからクープランの王宮のコンセールが何曲かアルトリコーダー用に編曲されて出版されていた。今も手に入るだろうか?飯室謙編曲。変ロ長調がハ長調になっている。
 Gravem.et mesure,Allemande,Sarabande,Air de Diable,Siciliene。最初ドーってのがなんて言うのかな、唐突と言うか、がさつというか、好きじゃないんだけれど、だんだん感じが出てくる。全体的に易しいので装飾などが余裕を持って出来ると言うことなのかな。どの楽章もあまり速くしたり遅くしたりしないで、細かい音符を(イネガって)ニュアンスを込めて演奏できたらいいな。難易度3




クープラン、フランソワ Couperin,Francois
王宮のコンセール第7番
 東京コレギウム COLLEGIUM MUSICUM TOKYO から出ているシリーズで、アンサンブルシリーズの7となっている。(現在品切れ、じゃないのか、「完売しました」ってのはもう印刷しないと言う宣言なのだろうか?(^^;))
 いまなら、オリジナルというか、アンサンブル譜の物を買って、移調したり、上げ下げしたりする方が良いのかな。
 たまに吹くには、何も考えず、音に出来るし、フランス物は装飾などをそれらしくやれば楽しい。ガヴォットは最後の最後に装飾がとても細かく書いてあって難しい。
こちらの考えているテンポよりゆっくりなのかな?お終いのシシリエンヌの感じがつかめない。







クープラン、フランソワ Couperin,Francois
王宮のコンセール第9番
 これも東京コレギウム COLLEGIUM MUSICUM TOKYO から出ているシリーズで、まだ手にはいるかも知れない。と、ここまで書いて調べてみたらちゃんとあるじゃないか。
こちら。現役です。いや、違った。もう完売だ。でもせっかくだからリンクは張って置くか。
 楽しい。フランスものだし、もちろん雰囲気を掴むのが難しいが、うまく装飾を入れれば感じが出る。上の6番より難しいと思う。難易度4。
 クーラントが難しい。典型的なフランスのクーラントで、3/2なのだが、大きな3拍子と2拍子が交代する。






クープラン、フランソワ Couperin,Francois
王宮のコンセール第10番
 これも飯室謙のアルトリコーダー用の編曲が東京コレギウム COLLEGIUM MUSICUM TOKYO から出ていたが、今や
HPにも載ってない。イ短調から、ハ短調にしてある、定番の短三度上げだ。
 Gravement et mesure,Air tendre et Loure,Plainte pour les violes,La tromba、の4楽章。どれもフランス風の感じを出すのが難しい。3楽章はヴィオールの二重奏が指定で、この編曲ではリコーダーのソロとかデュエットとかいろいろできるように書いてあるが、バスリコーダーの二重奏にすりゅあ良いんじゃないかねえ?そういえば、チェロのデュエットにしてある楽譜をよく見るが、チェロでもやったことがないなあ。4楽章のLa tromba(ラッパ)がリコーダーで吹くにはやさしいと思うけれど、ひさしぶりに吹いたらうまく指も舌も回らなくてまいった。









クープラン、フランソワ Couperin,Francois
王宮のコンセール第13番 ト長調
 クープラン(Couperin,Francois)の王宮のコンセールの13番(正確には?「趣味の融合、または新しいコンセール Les Gouts reunis ou Nouveaux Concerts」 のほう)は二つの低音楽器のためのもので、バスヴィオール(ヴィオラダガンバ)でやるべきものだろう。
 当然、チェロのデュエットでもできそうで、たとえばショットの5491として出版されているようだ。今やimslpでファクシミリがダウンロードできる。音域は下がCまでしか出てこないようなので、すべて原典どおり弾ける。ところが、今見てみたら恐ろしいことに上のパートはヘ音記号が下に一個ずれて(フランス式ト音記号のように)いるのだ!これじゃあ、ファクシミリでは弾けないなあ。
 そもそもチェロ、しかもモダンチェロでは感じが出にくいだろうなあと思う。どうせならバスリコーダーでやるほうがむしろ感じが出しやすいかもしれない、リコーダーのほうが軽い低音なのだ。もっとも当然音域が足りないので上げ下げしなければならない。
 Vivement,Air Agre'ablement,Sarabande Tendrement,Chaconne le'gre`re の4楽章







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コートヴィル Courteville,R
アルトリコーダーと通奏低音のためのソナタハ長調
黄色い表紙の全音リコーダーピースR−146 として出ている(出ていた)。 コートヴィルは生没年不明、1685-1705に創作活動をしたイギリスのオルガニスト、 作曲家らしい。(編曲者、ラソスキーの解説) Adagio Allegro Adadio Largo の4楽章。はっきり言って、面白くない。2楽章が 一番マシか。4楽章がラルゴってのがよくわからない。遅い3拍子、1拍目がない、 なんてのは、パッサカリアっぽい?でも、軽いのはともかく、繰り返される低音でも ないし、、、、










ドビュッシー 、クロード・アシル Debussy , Claude Achille (1862-1918)

シランクス(Syrinx)
 ドビュッシーを笛で吹こうなんて思いもしなかったのだが、シランクスを長三度上げればほとんど吹けると聞いてびっくりした。楽譜はIMSLPで手に入る。三度上げはリコーダー吹きは得意のはずだ。へ音記号というか、フランス式ト音記号で読んで、オリジナルがフラット5つで書かれているので、長三度上げるとフラット一つになる。ナチュラル記号はファ、ド、ソ、レに付いていたらシャープ、その他はナチュラルにすればいいはずだ。そのまま吹けるはず。吹いた、いや、吹けない。うー、臨時記号が多過ぎる。
しょうがないから書き直した。こちら→
1 2
 せっかくなので?フランス式ト音記号にした。書いてみてわかったが音は全く変えずに全て吹ける(技術が許せば)。蛇足だが、記譜で上のラのフラット(装飾音ね)は0(半開)2356、ソのフラットは0(半開)13467(半開)に8(膝あるいは太もも)下のミも全て押さえてプラス膝あるいは太ももで半分塞ぐ。
 ちゃんと(かどうかわからないけれど)書いてある楽譜を吹くと、意外に吹けるのでびっくりする。少なくとも自分では十分楽しめるし、ともかくドビュッシーを縦笛で楽しめるのが嬉しい。フラット5個から1個にしてドビュッシーは怒るだろうか?僕は絶対音感も調性感もないから大丈夫(^^ゞ。でも、なにしろシランクスだし、5音音階が使われているなど、素朴なイメージもあり、キーのないたて笛で吹くのはいい感じもするのだが。
 吹いてみて思うのは、ずいぶんいろいろとディナーミクなどが書いてあるが、縦笛で十分表現できる(かな?)いや、実に自然なのだ。自然というか、普通に吹けば、そうなってしまう。バロックの作曲家なら、何も書かないのではないか。なにしろ彼らはシロートのために書いたのではない、音楽を理解できるもののために書いたのだ。別にドビュッシーがシロートのために書いたとは言わないけれど、なにもこんなにまで書かなくてもいいんじゃないか、と思ってしまった。まあ、シロートのたわごとです。
 トラベルソ用?シャープ2つ版はこちら→1 2
 これも蛇足だが、トラベルソで下のドのシャープを出すには、楽器を内側にねじる。裏技?いや、有田正弘によれば「歴史的な方法」だそうだ。






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デュパール、シャルル Dieupart,Charles 
6つの組曲 
 シャルル・デュパール(1667頃〜1740頃)はフランス生まれでイギリスに渡って活躍したという作曲家。1701年に出版した『六つの組曲』はヴォイスフルートとflute du quartre(4度のフルート?)という、Bb管リコーダー(ソプラノ?)を指定しているという。花岡和生が全曲録音しているが、聴いていない。僕の持っている楽譜はメックから出ているもので、イ長調をアルトで吹けるように移調してある物。上だけ吹いただけだからよくわからないけれど、おおらかというか、あっさりした物。やさしいソロソナタとしてはお手軽かも知れない。






デュパール、シャルル Dieupart,Charles 
6つの組曲 から2番 ニ長調
 これはIMSLPのマニュスクリプトをiPadで見ながら吹いた。ニ長調だが実音で書いてあるので、ヴォイスフルートで吹けばハ長調扱いというか、アルトの運指で短三度上げなので、フラットひとつというか、、、
 Ouverture、Allemande , courante, sarabande,gavotte1,2 ,passepied,Gigue.
 序曲の速い3拍子の所、後半になんだか長いフレーズがあって、油断すると息が続かなくなる。パスピエにも。





 5番6番のふたつはflute du quartre と書いてあるようだが、実音の記譜。そして最低音はcまで(5番はe)なのだ。だから現代では普通のソプラノで吹けば良いんじゃないかなあ。







作者不詳 Anon. (ドルメッチ編)
 7つのイギリス小品集。
ずいぶん昔、ドルメッチ編曲のグリーンスリーブス変奏曲と、7つの小品が音友から出版されていた。
A measure(ミージャー、作者不詳1570年頃)、Nobody's jigg(名もないジグ、作者不詳16世紀)、A jigg(William Byrd)、Almain(William Lawes),Corant(William Lawes),Saraband(William Lawes),Jigg(William Lawes)の全7曲。あまり面白くない。
 最初の A measur って何?その他、古い曲だからなのか、バロック舞曲のイメージとは違うので戸惑う。2曲目のジグはアラブラーヴェ(って2/2というかCにたて線の拍子記号のことね。)でアウフタクト付き。3曲目のジグも6/4。Almain Corant はちょっとそれらしいが、6曲目のサラバンドは6/4で、ヘミオラも無く、単純。






ドルネル  DORNEL , Louis Antonie (c.1680-1775)
ヴァイオリン(と通奏低音のための)ソナタ 第1番 Op.2-2

 ドルネルの作品2は前半8曲はヴァイオリンのためのソナタなのだが、第2番はクープランと名付けてある。本間正史の「フレンチオーボエの芸術」(すごく良い)に収められている。ヴァイオリン曲なので出ない音がいくつかあるが適当に省略するとか上げ下げしている。だからもちろんリコーダーでも吹ける。c菅だと思えば良いのだろう。lentment , Gay , affectueusemt , Gigue の4楽章。






ドルネル  DORNEL , Louis Antonie (c.1680-1775)
フルート(と通奏低音のための)組曲 第1番 Op.2-9

 ドルネルというとオトテールアンサンブルの「18世紀フランスの室内楽」に2曲入っているのが印象的なのだが、ブリュッヘンが3声のソナタを録音していて、リコーダー奏者にはこちらの方が有名らしい。
 作品2は前半8曲はヴァイオリン(と通奏低音)のためのソナタで、後半はフラウト(トラベルソ)のための組曲になっている。
 1曲目(というか9曲目といった方が良いのかもしれないが)はト長調で、リコーダーで吹こうとして短三度あげると変ロ長調あつかいになる。途中短調になるところがたくさんあり、つまりフラット5個ということになり、現代譜を持っていないのだ。このフレンチヴァイオリンクレフのをそのまま吹くのはとても難しかった。でも何度か吹き、昨日はヴォイスフルートで、なるほどやっとこういう曲かとわかった。(2020May)






ドルネル  DORNEL , Louis Antonie (c.1680-1775)
組曲第3番 Op.2-11

  フルートのための組曲として、ベーレンライターから出ている作品2-3、4
(BA 6830)を吹いてみると、とても良い。3番ホ短調→ト短調はPrelude lent,Gay(フランス風序曲),L'Angelique(Allemande,tendre),la gratieuse,LeVille flix(Rondeau),La Caron(Sarabande),La Chauvigny(Gigue)の6楽章。フランス語が全くわからないので、表題?もサッパリわからない(^^;)。どれもいかにもフランス風で、美しい。






ドルネル  DORNEL , Louis Antonie (c.1680-1775)
組曲 第4番 Op.2-12

 第4組曲 Op.2-12 ニ長調→ヘ長調 のほうは、
Prelude L'hirondelle L'heraclite(sarabande) Scicilienne,La hotterre(lentement)
の4楽章。2楽章は書いてないけど、アルマンドかな。シシリエンヌのLa hotterreは、注がついていて、Hotteterre(オトテール)のことに違いない、とある。もしかしたら、他のわからない表題も人名なのかも?
 サラバンドはまあ、通奏低音というかバスのメロディーのための曲という感じだが、サラバンドは1拍2拍が強いリズムを持つ舞曲なのだと言うことが強調してあって、面白かった。(3拍子には1,2拍が強いリズムをもつものと、1.3拍が強いリズムをもつものがある。)



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ヤーコブ・ファン・エイク(アイク)「笛の楽園」

 笛吹きにとっては画家ではなく、あくまで「笛の楽園」のファン・エイクだ。
 楽譜は音楽之友社から出ていた抜粋版がお手頃でよいのだが、今はないようだ。
 僕自身は音友のを買ったずいぶん後に MUZIEKUITGEVERIJ というところので3巻中、1巻だけは買ってしまったが、2巻3巻は買ってない。ほかのところからも出ているようだ。
 やっぱり「イギリスのナイチンゲール」(「天使のナイチンゲール」というのはどうも誤訳らしい)と「からいばり(Bravade)」「ラクリメ(涙のパヴァーヌ)」が一番面白いかな。
 変奏でどんどん音符が細かくなるけれど、細かくなってもテンポは統一!と言うことはなく、遅くなってもいいらしい。(おそくなっても前のメロディーを感じさせなければいけないのは当然だから、それはそれで難しい)
 作曲者と同じように(と言ってもこっちは勝手に)公園(駅前でもいいけど)に行っていきなりリコーダーを吹いてみようか、と思うことがあるけれど、まだ、勇気がない。





ファッシュ、ヨハン・フリードリヒ Johann Friedrich Fasch (1688- 1758)
四重奏曲ト長調
 バロックでも珍しい、横笛(フラウトトラベルソ)と縦笛(リコーダー)を混ぜて使っているオリジナル曲。ブリュッヘンの「バロック後期の室内楽」に極有名な
例のテレマンの4重奏曲と並んで収められている。

 テレマンのカルテットのほうはリコーダーが主でトラベルソがやや従なのだが、このファッシュは逆にトラベルソが主で、リコーダーは伴奏と言うか、ピロピロと、間の手(あいのて)を入れている、という感じ。リコーダーのレパートリーというより、トラベルソのかっこいい独奏を聞くための曲かな。





フォーレ 、ガブリエル・ユルバン Faure , Gabriel Urbain (1845-1924)
シシリエンヌ
フォレ(フォーレはフォレが正しいそうだ。)のシシリエンヌ(シチリアーノ)はほんとうのオリジナルはよくわからないが、チェロとピアノのためのものが作曲者自身の手で書かれている。
 リコーダーJPからリコーダー版が出ていて、購入した。リコーダーでも吹けて嬉しい。ハ短調になっていて、編曲も実に良い。楽しめた。(白鳥とユモレスクがカップリング)
 ドーソー(sf>p)のソは34かな、必ずピアノで! 







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フィオッコ Joseph-Hector Fiocco(1703-1741) 
ソナタト短調
 旧全音リコーダーピースで。
 フィオッコは盛期バロック、ベルギーの作曲家。
 IMSLPにもない。重音があったりするので、ヴォイオリン曲のようにも見えるが、オリジナルなのか、編曲なのか、全然わからない。ヘミオラのところにアクセントが書いてあって、そんなの書かなくても知っていればわかるだろうし、現代のシロートに対しては必要な書き込みなのかもしれないが、ヘミオラはアクセントつければ良いというわけでもない、とも思う。
 曲想がありふれているようで、ちょっと新鮮という感じ。難しくないし、たまに吹くには楽しめる。












グラナータ,ジョヴァンニ・バティスタ
ソナタOp.5から
 COLLEGIUM MUSICUM TOKYO から出ているシリーズで、ずいぶん古いものだがまだ手にはいるかも知れない。(SERIES 8)(売れてないかも(^^;))でも全然面白くない。一つ一つの楽章も面白くないし、これ、統一された一つの組曲と言えるのか?編集部で適当に選んだらしいのだけれど、調性も統一されてないしなあ。







ヘンデル、ゲオルク・フリードリヒ Haendel Handel,Georg Friedrich (1685-1759)
リコーダーソナタ
LASOCKI/BERGMANN(ラソスキ/バーグマン)の全集がFABER MUSIC LIMITED(London)からでていたのだが最近見かけないね。全音が輸入元。全6曲。順にト短調、イ短調、ハ長調、へ長調、変ロ長調、ニ短調。よく4つのソナタとして、売ってるのが、イ短調、ト短調、ハ長調、ヘ長調、またフィッツウィリアムソナタはかつて全音のリコーダーピース(黄色い表紙)で出ていたが、どういうわけか、ソプラノリコーダーと書いてあった。アルトで全部吹けるし、その方がよい。












ヘンデル、ゲオルク・フリードリヒ Haendel Handel,Georg Friedrich (1685-1759)
リコーダーソナタ 1番ト短調。HWV 360
 難易度3。オーソドックスな緩急緩急の4楽章。と言っても2楽章はAndanteだが。3楽章Adagioはイタリア的な変奏をしなければおもしろくない。ところが僕にはどうもしっくりとした変奏が思い浮かばない。ヘンデルと相性があわないと行うか、要するに僕には才能がないらしい。リュッツ=ヴェンターフェストの「上級者のためのリコーダー教本」に二種類の変奏が載っている。しかし、これもどうもしっくり来ない。なんと、花岡和生の演奏(有田正広ら、ヘンデル、木管楽器のためのソナタ全集)では、ほとんど原曲のまま変奏せずに演奏している。でもこれは逆にプロならではのテクニック(ダイナミックスの)かもしれない。ブリュッヘン、フェアブリュッヘンの演奏はとても参考になる。ブリュッヘンの方が変奏初心者向きか。Prestoは速過ぎないこと。
 この曲は通奏低音の練習のための教材として用いられた考えられているらしい。この場合、通奏低音というのは鍵盤楽器のことだろうか?一般にヘンデルのソロソナタは通奏低音のメロディーラインが美しい。二楽章の通奏低音はとても速くて、困る。チェロ、ガンバで弾くなら難易度4。ただし、16分音符を一つとばしで8分音符で弾くという手がある。別に裏技でも何でもない。別の曲で鈴木秀美もやってるし、クヴァンツの「フルート奏方試論」の通奏低音のところにも書いてある。ただし、この曲では鈴木秀美はさすがプロの技を聞かせてくれている。チェロ弾きが全部8分音符じゃあつまんない、というなら、たたたたたたたたたたたたをたんたんたんたんたんたんではなく、たたたたたんたんたんたんとかたたたんたたたんたたたんとか(わかるかな?)いろいろ手はあるよね。



ヘンデル、ゲオルク・フリードリヒ Haendel Handel,Georg Friedrich (1685-1759)
2番イ短調。HWV 362
 ヘンデルらしい、おおらかな曲でなかなか良い。これもオーソドックスな緩急緩急の4楽章。1楽章が特に美しい。難易度3。通奏低音の難易度4(2楽章がとても速い動き。これは鈴木秀美のまねして一つとばしでやるといい。ただし4楽章はかけあいなのでこの技は使えない。)。1楽章Larghetto、この曲では付点音符は3連譜と合わせること。この曲の3楽章Adagioはメロディックで変奏もいろいろ考えられる。



ヘンデル、ゲオルク・フリードリヒ Haendel Handel,Georg Friedrich (1685-1759)
 3番ハ長調 HWV 365
1楽章Larghetto、4楽章Tempo di Gavotta、5楽章Allegro(メヌエット?)などとても美しい。2楽章も良い。3楽章はヘンデルらしいのか、良くわからない。ぼくは気が合わない。全体として、ヘンデルのリコーダーソナタのなかでも一番の傑作だと思う。ともかく1楽章のドーミソシド、と吹いただけで、なんて単純で、美しい旋律だろう、と思ってしまう。難易度3〜4。通奏低音は2、5楽章が難しい。難易度4。
 この曲は特に、絶対リコーダーの物で、フルートで吹かれることも多い(ベーレンライターの11のフルートソナタにも載っていて、これは同じハ長調)けれど、リコーダーの方が絶対良い。
 4楽章Tempo di Gavottaは、よく出回っている「四つのソナタ」と全集とで、繰り返しが違うのでちょっと注意。



ヘンデル、ゲオルク・フリードリヒ Haendel Handel,Georg Friedrich (1685-1759)
4番へ長調 HWV 369
難易度3。この曲は通奏低音は比較的易しいが、4楽章のAllegro(書いてないけどジーグ)は、やはり難しいか。1楽章のLarghettoは例によって、良くわからない。ただカラオケを手に入れてから、少し感じがわかってきた気がする。ヘンデルの緩徐楽章は和声が鳴ってないとわからないらしい。ぜひ伴奏者を見つけよう。チェンバロでなくても、電子楽器でも良いと思う。オルガンの音色が一番あっていると思う。どこかにリードオルガン(昔の小学校にあったやつね。)落ちてないかな?意外と通奏低音に良い、と確信しているのだが。
3楽章alla Siciliana はいかにもと言う、単純な作りなのだが美しい。
 ブリュッヘンの木管のためのソナタ集(全集?)にリコーダーソナタ(ソロソナタ?)の中で一番易しい、と書いてあるのだが、本当かね?イ短調やト短調なども同じくらいで、どれもたまに楽譜を取り出して十分楽しめる、人前に出すなら、ある程度まじめに練習しなければできない、と言う難しさだと思うのだが。
 この曲はヘンデル自身がオルガン協奏曲に編曲している。同じ調性のOp.4の5。どうもオルガンパートはほとんどまったくこのリコーダーと通奏低音らしく、写譜屋にリコーダーソナタの楽譜をそのまま渡して、オーケストラパートだけ書き加えたのだろうと言う話だ。ヘンデルらしい!
 そのオルガン協奏曲を出版したのが、リコーダーソナタを含むソロソナタ集Op.1を海賊版で出版した
ウォルシュ Walshだ。ご丁寧に「6曲の協奏曲をヘンデル氏の草稿に基づいて、ヘンデル氏自身の校訂を経て、目下印刷中であるから、作曲者のあずかり知らぬいかがわしい楽譜に注意するように」というような広告を出したのが残っているというのが笑える。





5番変ロ短調 HWV 377 フィッツウィリアムソナタの第1番 難易度3。この曲は急緩急の3楽章。1楽章これも終わりかけのあたり、定番のヘミオラがある。3楽章Allegro(ジーグ)が通奏低音を酷使している。13、14、32、33小節のたて線はオリジナルかな?アクセントというか、デタッシュというか、短めの音で踏み締めるように音で。この曲をMIDIにしたのが、FMIDICLAにあって、傑作。どうやってああいうアーティキレーションを作るんだろう。







6番ニ短調 HWV 367a サーストン・ダートがこの曲を分割して、別の曲の楽章を持ってきて張り合わせ、2曲にして、フィッツウィリアムソナタの2番と3番にしているが、これはまったく根拠がない、と有田の解説(木管のためのソナタ全集)。でも7楽章で長い。難易度は4〜5。ただし、これは3楽章Prestoが難しいのであって、これを抜かせば難易度3。7楽章もあるし、こういうのはバロック時代から、適当に省略して演奏されたのではないか?そうだとすれば、3楽章Prestoを抜かすのだって、べつに非難にはあたらないのではないか?Vivace-Prestoと一応速い楽章が続いているし。2楽章Vivace ときどきバロック時代の曲でこういうの(3/2でシンコペーションだらけ)がある。だれかが、片足(義足)の海賊が、どたばた踊っている曲、と言ったのが忘れられない。





 ヘンデル(とテレマンも)はリコーダーとトラベルソの曲が比較的住み分けているせいか、トラベルソの曲を短3度上げて吹かない傾向があるが、出来ないことはない。難しいが、リコーダーのレパートリーというか、少なくとも自分の楽しみに吹くには充分だ。



青い表紙のベーレンライター原典版ヘンデル11のフルートソナタの1番ロ短調 0p.1ー1a 難易度4。通奏低音も4。
 1楽章ラルゲットは2番ではグラーベになっている。ここらへんは有田の解説にくわしい。かっこいいが、難しい。2楽章Andanteはリコーダーソナタ1番ト短調の2楽章と同じ曲。4楽章Allegroは10度、6度などのの跳躍があって、リコーダーで吹くと難しい。これをトラベルソで吹くと意外に易しい。(それでもむずかしいけれどね。)10度の跳躍はテレマンの無伴奏の幻想曲などにもよくあって、かっこいいのだが、苦しめられる。華麗に吹いて「まるで1本のリコーダーじゃないみたい」と言われたい。5楽章Prestoはやはり、リコーダーソナタ1番ト短調の4楽章と同じ曲。



青い表紙のベーレンライター原典版ヘンデル11のフルートソナタの2番ロ短調 0p.1ー1b 難易度4。通奏低音は3。
1、4楽章は1ー1aとbで同じなのだが、微妙に違う。
 1楽章Graveは1番1ー1aではLarghettoになっている。1ー1bが原曲でヴァイオリン用、フルートに編曲したときに、音域の関係で一部下げたり、速度指定が変わっているのではないかとのこと。1ー1bでは短3度上げると上asが出てくるし、上のfisもでてくるので、膝を使わなければならない(013467だけ半分+膝)が、音形は可能。だが、下のh→dまで出てくるじゃないか。トラベルソだって出ないぞ。なんていいかげんなんだ、ヘンデル。(いや、
ウォルシュ Walshか、、、)2、4楽章Allegro難しい。4楽章に出てくる、上のfisは僕には出来ない。



青い表紙のベーレンライター原典版ヘンデル11のフルートソナタの5番ト短調 Op.1-5 HWV363b
  HWV363aはObソナタでそちらが原曲らしいから、そちらをIMSLPででも落としてそれをc管だと思って吹くのが良いのかもしれない。
 難易度4 2楽章 Allegro がかっこいい。たしか、今はなき季刊「コンソート」に有田正広がトラベルソの講座をやっていて、この楽章はダブルタンギング(といっても tiritiri だったか teretere )の練習曲だった。3楽章 Bouree この曲は特にきれいなメロディー。鈴木メソッドのヴァイオリンの2巻くらいに出てくる。5楽章 Menuetto もきれいだが、リコーダーで吹くと意外に難しいね。



青い表紙のベーレンライター原典版ヘンデル11のフルートソナタの9番 ハレソナタ 第1番
 難易度3 1楽章かっこいい。フランス風序曲ではないが、付点はするどく、かっこよく吹きたい。8分音符のいくつかは16分音符で吹くべきだろう。2楽章Allegroこの曲を始めハレソナタは半音階的進行や転調のかっこいい曲が多い。3楽章Adagioヘンデルらしくない、そのままで美しい曲。4楽章Allegroもかっこいい。


青い表紙のベーレンライター原典版ヘンデル11のフルートソナタの10番 ハレソナタ第2番
難易度4 1楽章Adagioうつくしく、2楽章 Allegroかっこいい。3楽章Graveが難しい。曲にならない。イタリア式変奏が書いてあるという例なのだが。4楽章Minuetは優しい曲調。



青い表紙のベーレンライター原典版ヘンデル11のフルートソナタの11番 ハレソナタ3番
 難易度3 通奏低音は比較的易しい。3度上げて吹くフルートソナタのなかでは比較的吹きやすい。1、2楽章が良い。4楽章はOp.1ー1みたいな感じなのだが、比較的易しい。







ヘンデル 
フルートソナタ ニ長調 HWV378
この曲は1980年に新たにヘンデルのものだと認定された曲だ。当時あるいは少し経ってからだったか、ヘンデルの新たに発見されたフルートソナタだと聞いて、へーこんな有名な人の曲が新たに発見されるなんてそんなことあるのかと、感心したおぼえがある。もっともバッハの例のメヌエットの話はもっと最近か。
 新発見と言うが、どうやらヴァイスの曲とされていたらしいのだが、ヘンデルお得意のみーんなパスティッチョ(使い回し)で、だからヘンデルのものと認定されたらしい。
 だが、有田正広はこの曲がヘンデルのものなのか、疑問を呈していて、彼のヘンデル全集に入れていない!
 たしかに当時(バロック時代)の他人の曲だろうと使い回す風潮は、ヴァイスがそうしたっておかしくないだろうと言われればそうかもしれないと言いたくなる。
 ひさしぶりに楽譜を引っ張り出してきて、短三度上げてリコーダーで吹いたら、すごくおもしろかった。
 冒頭のレファラミはHWV379 の3楽章、371 ヴァイオリンソナタOp.1−13ともおなじ。
 終楽章はリコーダーソナタ ヘ長調369と同じ中身なのだが、369の方がずっと良い。







ヘンデル 
 ヘンデルのオーボエソナタは3曲知られているようだ。変ロ長調 HWV 357、ハ短調366 ヘ長調 363a
リコーダーをc菅だと思えばどれも吹ける。どうもオーボエは♭系なのかな。指が難しい。曲はちょっと新鮮だった。もちろんヘンデルなので、みんな同じような感じなのだが、いかにもヘンデルで、美しい。
357 は Allegro , Grave , Allegro の3楽章
 最初のアレグロ、この出だし、別の曲で遅い楽章じゃなかったっけ?どうも速く吹き始められないのだ。困った。
 2楽章、グラーヴェはアーノンクールによれば、装飾はつけてはならない!とのこと。
 グラーヴェというのは「まじめに」という意味で、さらには「ヘンデルのグラーヴェは」と名指しで装飾しないと書いてる。(「古楽とは何か」)
 3楽章は(いやこれに限らず)c菅で吹くとフラットがひとつ増えたことになるため特に難しい。










トリオソナタハ短調 rec&Vn
 ヘンデルのトリオソナタの中でリコーダーを使っているのが2曲。どちらもヴァイオリンとリコーダーでハ短調とヘ長調がある。


ハ短調HWV386a。僕の持っている楽譜は NAGELS VERLAG KAZZEL の
 NAGELS MUSIK-ARCHIV 230
 Andante Allegro Andante Allegro のオーソドックスな4楽章。難易度3〜4。名曲だと思うのだが、エドガーハントだったか、リコーダーが響かなくて、効果的ではない、というようなことを書いていた。確かに1,4楽章に上のdがあるだけで、音域は比較的低く、特に3楽章などは非常に低いところをうごめいている。でもその低い音域とハ短調という調性がとてもしぶくていい、と思うのだが。この楽章はヴァイオリンが終始、重音の伴奏でその上というか、Vn(と通奏低音)の伴奏でリコーダーがメロディーを吹く。リコーダーも低いがVnも一度もe線を使わず、下の三本の弦しか使わない。最初のところで低いg-as-b(フラット)がとても難しい。実演は友達が一度吹いたのを聞いたのだけで、それももう20年以上前だ。作曲(リコーダー)が効果的だったかどうか良く憶えてない。3楽章の最初、スラーが書かれているが、タンギングをしないと良く聞こえないとアドヴァイスした覚えがある。
 1楽章は付点のリズムでフランス風序曲のように付点をきびしく。「全部付点に統一」かな?3小節目の最後、4小節目、などはバロック時代の記譜上の習慣だから、絶対!付点にすること。2小節目の真ん中もこれは書き間違いではないだろうか?付点だと思う。またそのすぐ前の16分音符、3小節目の3拍目のアウフタクトの16分音符など、付点8分音符に続く16分音符もこれは記譜上の習慣と言っていいと思うのだが、全部32分音符、あるいはもっときびしく吹くべきだ。
 しかし、その他のたとえば2小節目のアウフタクトや、後半などは付点ではない、と思うがまあ色々なやり方がある、という気はする。
 2楽章、最初の2小節目の装飾は均等なリズムだろうか?3度の下降なのでそう言う場合は前に出す、と聞いたのだが。詳しい人、ぜひ教えてください。
 この曲は実はトラベルソ版の方が有名らしく、ブリュッヘンもトラベルソ版で録音している。ロ短調HWV386b。だがオリジナルはこちら、リコーダーの386aだそうで、例のウォルシュが人気の高まりつつあったトラベルソ用に半音下げて出版したらしい。ウォルシュらしいというか、3楽章のヴァイオリンに演奏不可能な音(同一弦上でなければ出せないaとcis)が出来ているというのに、そのままらしい。



トリオソナタヘ長調 rec&Vn
 出版譜は例の
ウォルシュ Walshがトラベルソとヴァイオリンとして出したらしい。残っている筆写譜はトラベルソ2本(音域の関係で演奏不可能)とかリコーダーとヴァイオリンとか色々らしいし、なんといっても音域と調性からみてオリジナルはリコーダーとヴァイオリンだと思われる。
 楽譜はショット、ORIGINALMUSIK FUER BLICKFLOETE 43を持っているが、他にも出ていそう。(ちなみに同じシリーズ42がハ短調だ)
 LARGHETTO ALLEGRO ADAGIO ALLEGRO ALLEGRO の5楽章。1楽章は同じヘ長調のリコーダーソナタの最初と印象が同じ。2楽章は3/8でヘンデルの3/8はたいていこんな感じだ。リコーダーソナタだとハ長調の2楽章みたいな感じ。4,5楽章とアレグロが続くが、4楽章は4拍子で、5楽章は書いてあるわけではないが、ジーグ。難易度3〜4。
 ハ短調にしてもこの曲にしても、リコーダー以外の楽器とのアンサンブルはリコーダーどうしとはまた違った楽しさ、美しさがある。機会があれば何度でもやってみたい。



 ヘンデルのリコーダーを使った作品は、リコーダーのオブリガートを使ったカンタータなどたくさんある(らしい)。「リコーダーのテクニック」「リコーダーハンドブック」のようなガイドブックには紹介されているようだ。しかし、全然吹いたこともない。だいたい、アマチュアのリコーダー奏者で、そう言うレパートリーを吹いている人っているんだろうか?きちんとしたプロに習っている人は吹いているのかなあ?
 リコーダー奏者にとって、伴奏者(通奏低音奏者)以上に声楽の共演者を見つけるのは困難だと思う。





ヘンデル、ゲオルク・フリードリヒ Haendel Handel,Georg Friedrich (1685-1759)
組曲(クラブサン組曲4番、7番による)
  昔の全音リコーダーピース46、グッドイヤーによるSATの編曲で出ていた。サラバンド、クーラント、サラバンド、ジーグの4つの楽章をワケのわからない持ってきかたで、いや、これは「使い回しのヘンデル」の精神を正しく受け継いでいるのか。3つめのサラバンドはヘンデルのごく有名なやつなのだが、調性くらいあわせる気はないのかよ。


 若いときに買ったもので、あわせた覚えがない。200円の上に3%の消費税付きで定価のシールが貼られている。
 昔の全音リコーダーピースは今次々復刻しているのだが、これはまだのようだ。universal edition を見てみると現役なのだ。すばらしい。













ヘンデル、ゲオルク・フリードリヒ Haendel Handel,Georg Friedrich (1685-1759)
水上の音楽 (をリコーダーアンサンブルで)
 昔の全音リコーダーピースではR-89,90 で、SSATBの五重奏で出ていた。(編曲:Anthony BAINES)今は金子健治の編曲でSATBの四重奏になっているようだ。(RP-43,44)僕は五重奏の楽譜のⅠだけ持っているようだ。学生の頃やった覚えがあるが、パート譜はないし、ソプラノのⅠ,Ⅱが1段に書いてあって読みにくかったおぼえがあるだけだ。どれも有名な曲で楽しかった(ような気がする)。(^^;)
 北御門文雄のリコーダー四重奏曲集
第4巻 バロック名曲選にも5曲収められている。







ヘンデル、ゲオルク・フリードリヒ Haendel Handel,Georg Friedrich (1685-1759)
王宮の花火の音楽 (をリコーダーアンサンブルで)
 王宮の花火の音楽も同じように旧リコーダーピースR-108でSSATBの五重奏で。
 今:金子健治の編曲でSATBの四重奏(RP-44)で。
北御門文雄のリコーダー四重奏曲集の
第4巻 バロック名曲選には「平和」の一曲だけだが収められている。












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ハイドン、フランツ・ヨーゼフ Haydn,Franz Joseph  バーグマン編
リコーダー三重奏のためのパルティータ
 かつての黄色い全音リコーダービース17で、最近リコーダーピースは復刻しているのだが、これはまだのようだ。
 編纂したバーグマンがハイドンのをかってにとってきてかっての組み合わせをして「パルティータ」という名で出しているものだが、もとがわからないし、調べる気もないし、ぜんぜんわからない、すみません。
 たしかにハイドンの精神がわかるような、軽い、たのしい曲集だがパルティータ(組曲)と言って良いようなものなのか。
 40年ほど昔、本番にかけた。楽しかったが、そのときの我々の技量ではプレストがあまり速くはできなかったような淡い記憶がある。当時コピー(コピーも高かったのだよ。)してそれを切り貼りしてパート譜を作った。僕以外のパート譜ももらっておいて、だから今やろうと思えば使える。パート譜は1カ所にまとめておかなければいけないと改めて思う。ただ、セロハンテープって保存は本当にダメで、写真のとおり、バラバラだ。糊で貼ったやつは美しいままで今でも使える。当時のコンピュータ出力の紙の裏に貼ってあってなんだかなつかしかった。







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久石譲 HISAISHI , joe
さんぽ (となりのトトロから)
 「さんぽ」とか「となりのトトロ」とかほんとうに国民的な曲になっていると思う。ジブリの作品集がほとんどの旋律楽器のために出版されているし、僕はカラオケも持っている。
 所属する市民オケでもよく取り上げる。イントロのオーボエがいつも下手くそで、いや、難しいらしいなあと思っていたのだ。
 所属する沖縄バンドで「さんぽ」をやったのだが、ピアノ譜にイントロのメロディーが書いてあるので、これさいわいとリコーダーで吹かせてもらった。これが難しいのだ。まいった。いや、だいぶ練習したのだが、できない。難しい!本番は頭にくるほど指が回らなかった。
 オーボエもたぶんこの通り(というのは譜面が)だと思うんだよね。フィンガリングは少し違うかもしれないが、リコーダーの方がやさしいだろう(たぶん)。オーボエ下手くそと思っていてすみません。





フック 、 ジェームズ  James Hook (1746 — 1827)
フック 作品集 ふえはともだち 音楽之友社
 音友のふえはともだちのシリーズでフックの作品集が2冊出ていたのだろうか。ぼくはⅡしか持っていないようだ。
 Ⅰにも鍵盤とアルト、SSAのトリオが入っていたようだが、Ⅱにも同じようにソロとトリオが収められている。フックはとってもお手軽で吹いて楽しく、ほんとうに「ふえはともだち」の感じがして好ましい。今回吹いてみて、実は買って以来、いちども音にしてなかったかもしれない。いやそんなことないかな。少なくともソロソナタをあわせたことはないと思う。楽しめた。
 音友のHPがクソで、さっぱりわからないが、もう出してないようだ。もともとショットの版権を買って出していた物らしいが、ショットでは番号は変わっているが、いまでも扱っているようだ。すばらしいと思う。






オトテール Hotteterre le Romain 1684?-1762
2つのフルートのための組曲第1番ロ短調Op.4
 トラベルソ2本(通奏低音なし)のためのものだが、種々の楽器で出来るとオトテール自身のお墨付き。全音からファクシミリがでていたが、最近見かけないね。フランス式のト音記号なので、リコーダーで短三度上げて吹くのが難しい。難易度4。現代譜が、リコーダー用に三度上げてアマデウスと日本フルートクラブからでているのだが、今度はトラベルソでは短3度下げねばならず、これも非常に困難だ。僕のように、ヴォイスフルートでトラベルソと合わせるのにはどうすればいいのか、、、、全音のファクシミリも有田の解説がていねいだが、アマデウスの楽譜もいろいろ解説があっておもしろいとのこと。(僕自身まだ見ていない)
 DUO.Gravement-Gay Les Croches egales ALLEMANDE,Gay RONDEAU,Tendre."Les Tourterelles(雉鳩(きじばと))".Gracieusement,et un peu lent. RONDEAU.Gay GIGUE. PASSACAILLE.
 という、5楽章。最初はフランス風序曲のように、付点の遅い部分と速い部分で出来ている。装飾音が難しいが、センスよくきちんとやらなくてはオトテールあるいはフランスものをやる意味はほとんどない。パッサカイユ、テンポの設定が難しい。転調や細かい音符のところのことを考えて。
 ブリュッヘンの録音がある。20年ほど前、有田正広がミントオーケストラという名で、シェスタのための音楽と題して、イージーリスニングのレコードを出したのを知っている人はほとんどいないだろうなあ。このシリーズで渡辺順生とか、たしかダンスリーとか数枚レコードを出している。ただし、リコーダーは花岡さんじゃあないらしい。(本人に聞いた。)あれはいったい誰なんだ。




オトテール Hotteterre le Romain 1684?-1762
オトテールのフルートソナタ 作品2-1 ニ長調 (→ ヘ長調)
 フルート版はハンガリーのEdito Musica,Budapest と言うところから、作品2が全曲セットで出ている(た?)。短3度上げただけのリコーダー版はNova Music,Londonから、この曲は1曲、残りは2曲ずつ出版されているようだ。

 フランス風序曲のPrelude, ALLEMANDE.la Royalle, RONDE.Le Duc D'Orle'ans, SARABANDE.la d'Armagnac, GAVOTTE.Meudon, MENUET.le Comte de Brione (第一、第二)GIGUE.la Folichon の7楽章で、長い。
リコーダー版の最初の装飾がかっこ付きなのはなぜだろう?斜め線のはアクサンのはずで、もっと ’ みたいな形の記号だと思ったのだが。
1楽章、ゆっくりな2拍なのだが、つい4拍でとってしまう。アルマンドはGraciesument,優雅に?。できない。でも、全曲に言えることだが、装飾をきちんと拍の中に入れれば、感じは出ると思う。第2メヌエットは短調なのだが、例によってフラット二つだけ増やした書き方だ。ジーグはもちろんイタリアの走り回るのでもないし、そうかといって付点のカナリータイプでもなくて、感じがつかみにくい。






オトテール Hotteterre le Romain 1684?-1762
フルートソナタ 作品2-3
2−3は東京コレギウムの楽譜を持っている。飯室謙編集。
Allemande, "La Cascade de Saint-Cloud" サン・クルー(庭園)の滝
Sarabande, "La Guimon" 
Courante-Double, "L'indifferente" 無関心な人
Rondeau, "Le Plaintif" 嘆き
Menuet, "Le Mignon" かわいい子
Gigue, "L'Italienne"  イタリア女
 の6曲からなる。(こういうのは楽章と言うより曲だと思うのだが。)なんだかタイトルがつけてある。
 最初がリコーダーで高音のfから始まるので覚悟?がいる。下降分散和音はイネガルべきではない、と思うがどうだろう?装飾は確かに難しいが、全体として楽しめる。
 多くの録音がアルマンドの前に前奏曲を入れている。演奏会にかけるようなことがあったら自分もぜひそうしたいものだ。





オトテール Hotteterre le Romain 1684?-1762
フルートと通想低音のための組曲 ホ短調 作品5−2
 かつて、黄色いゼンオンリコーダーピース R-102 で出ていた。オリジナルはハ短調で、長三度あげてある。全音の楽譜はもともとベーレンライターのHortus Musicus 198らしく、こちらはまだ現役のようだ。作品2と、作品5のソロソナタがセットでファクシミリでも手に入る。(http://home.concepts-ict.nl/~saulbgroen/)これから買うのなら、こちらがおすすめかもしれない。
 有田正広の「偉大なる世紀のフルート音楽」に納められている。名曲だと思う。
 フランス風の装飾は、実はこの曲で初めていろいろ知った。なんだかめんどくさいのだが、いちいちそうやってみると、実に感じがよい。ガヴォットの装飾などとても難しいが、大きな流れを感じられれば、装飾が何を求めているかわかって、けっしてそんなに難しくない。
 フランス物はだいたいそうだが、僕の持っている物では415の
シュテンベルゲンで吹きたい。フランス物の感じが出しやすい。







ジョスカン・デプレ Josquin Desprez
こおろぎ
 有名な声楽曲でリコーダー編曲は
北御門文雄のルネサンス声楽曲に納められている。
 クレマンジャヌカンアンサンブルのが耳についてはなれない。いつものようにとても鮮やかで。
 youtubeでいろいろ聴けるが、大合唱なんてのもあるのね。でもね、大合唱になるとどうしても僕にはコオロギでなくカエルになってると思う。妙な感じでぼくにはとても滑稽に聞こえる。
 大合唱がカエルになっていることに気づいてしまうと、クレマンジャヌカンですら、声が張りすぎているように感じられる。リコーダーアンサンブルの方がコオロギっぽいかも。
 北御門の速度指定は2分音符=96なのだが、僕には遅すぎる。歌詞がない分もっと速くないと軽くないと思う。








ジョスカン・デプレ Josquin Desprez
王様万歳
 
北御門文雄のリコーダー四重奏曲集第2巻 ルネッサンス器楽曲の最初に納められている。
 あちこちで民衆が
「ばんざーい」
「王様ばんざーい」
 と言っているように感じられて、僕はとても好きだ。
 これが「天皇陛下ばんざい」だったら、とんでもない話で、
「そろってなくてケシカラン。不敬である」
 となるに違いない。

 いや、じつを言うとそんなことなくて、今の天皇陛下はおそれおおくもニコニコして手を振ると思う。でも阿部でんでんはじめ馬鹿自民党やら今のどーしようもない連中はそういうのを目指しているのだと思う。ともかく今の政権は史上最悪だ。早くつぶさないと。









北御門文雄 KITAMIKA , Humio
アルト・リコーダー二重奏曲集
全音のリコーダー二重奏曲集が出版されて、何年経つのだろう?ずっと生き続けていて、ありがたいが、その後、こういう優れた編曲があまりあらわれないことは残念ことだ。

バッハの作品から
 第1巻のバッハはイギリス組曲、フランス組曲などの鍵盤楽器のための作品の編曲を中心に、フーガの技法から1曲、マルチェロのオーボエ協奏曲をバッハが編曲した物、ブランデンブルク協奏曲第6番の1楽章。
 どれも相当難しいが、練習のしがいがある。譜めくりがメチャクチャで演奏する人のことを全然考えちゃあいない。(書いていて気がついたが、この譜めくりがメチャクチャなのは全音の特徴なのか?全然老舗とは言えないような無神経さだなあ。)僕は2冊買った。初級を終えた人は誰でも持っているはずだから2人持ち寄って2冊並べて譜めくりしないで演奏できるようにすればよい。









フランスもの
 集2巻は
シェドヴィーユ 、ノード、ブラヴェという、フランス物。編者は「技術的にやさしいものを選んでみました」と書いているが、確かにそうかもしれないし、その後に書いてあるように感じを出して楽しむのはけっしてやさしくないと思う。
 短三度上げてあるものはフランス式ト音記号で書いて置いてくれればヴォイスフルートでトラベルソとそのままあわせられるのになあ、と思ってしまう。










ルネッサンスもの
 集3巻はルネッサンス物。
 「はじめに」に「2本のアルトリコーダーを通してルネサンス音楽の一部分を見るという立場から選曲しました。」と書いてあって、この3巻、全て「はじめに」を読むと注意深く書いてあるなあ、と感心してしまった。
 真ん中に配置しているトーマス・モーリーから始めると良い。最初のギボンズは難しくて、これからやるとうまく合わせられなくなって、途中であきらめてしまいそうだ。モーリー以外はヴィオルで演奏されたものと思われる、とある。モーリーだったが、一度アルトリコーダーとヴァイオリンと合わせたことがあり、その時はこちらに(あるいは曲に)合わせて、実に軽く弾いてくれたので、美しかったのを印象深く覚えている。






リコーダー四重奏曲集 第1巻 ルネッサンス声楽曲 北御門文雄編
 これもまえがきがとても参考になる。書いてあるとおり、リコーダーアンサンブルを本格的にやろうと思えばいずれカルテットをやろうと思うはずだし、そうすればこの曲集に容易にたどり着くと思う。
 いまだに現役で、全音のサイトに収録曲がすべて載っている。表紙は黄色い今のより、僕が買ったこれのほうが好きだ。今1500円×1.08らしいが、僕が買ったときは750円だったらしい。


リコーダー四重奏曲集 第2巻 ルネッサンス器楽曲 北御門文雄編
 いつも北御門文雄のまえがきに感心している。リコーダー四重奏曲集(2)ルネッサンス器楽曲 には何が書かれているのかと思ったら、まえがきなんてなかった。
 収録曲は
 王様万才! / ジョスカン・デ・プレ(題名からして声楽曲かと思ったら、もともと器楽作品らしい)
 ファンタジア / トマス・ルポ
 カンツォン / チーマ, ジョヴァンニ・パオロ
 シンフォニア / バンキエリ, アドリアーノ
 ファンタジア「きけ、トランペットの音を」 / バンキエリ, アドリアーノ
 ファンタジア / バード, ウィリアム
 セレンガー・ラウンド / バード, ウィリアム
 カンツォーナ / マスケラ, フロレンツィオ
 ラミラソ / イザーク, ハインリヒ
 ティエント 第7番(第4旋法による) / カベソン, アントニオ・デ
 ティエント 第10番(第1旋法による)/ カベソン, アントニオ・デ
 フーガ / カベソン, アントニオ・デ


リコーダー四重奏曲集 第3巻 ルネッサンス舞曲 北御門文雄編
 ファレーズ,ヴィードマン,モデルヌ,スザート,プレトリウス,ジェルヴェーズ,アテニャン,カベソン,バード,ファーナビー,ローダー,ポイエル

 リコーダーを始めたごく初期から、今に至るまで、勉強させてもらってる感がある。こうして書いていて知らない作曲家がちらほらいる。



リコーダー四重奏曲集 第4巻 バロック名曲選 北御門文雄編
第4集はバロック名曲選
 コレッリ パーセル パッヘルベル ヘンデル バッハ フィッシャー が収められている。
 ヘンデルは水上の音楽と王宮の花火の音楽から。パーセルは「ムーア人の復讐」よりRondou,Menuetto,Air,Gigue,Air


リコーダー四重奏曲集 第5巻 バッハ・ヴィヴァルディ名曲選 北御門文雄編

5巻はヴィヴァルディ、バッハ

ヴィヴァルディの 協奏曲 ヘ長調  RV99 (Fl,Ob,Vn,B.C.の室内協奏曲)
 四季から春のラルゴ
 調和の霊感から12番のアレグロ 10番のラルゴ 11番のアレグロ

バッハの ブランデンブルク協奏曲 第3番 BWV.1048「アレグロ」
 モテト イエスはわが喜び BWV.227 から「いざ、さらば」
 マタイ受難曲から「わが心汝にささげん」BWV.244-19
 同        「贖罪と悔悟は」BWV.244-10
狩のカンタータ〈狩こそわが楽しみ〉BWV.208 から
 マルチェロのオーボエ協奏曲のオルガン編曲から「アダージョ」
管弦楽組曲 第2番BWV.1067から ロンド、ブーレ、ポロネーズ、バディネリ
 


リコーダー四重奏曲集 第6巻 モーツァルト・オペラアリア名曲選 北御門文雄編

魔笛 K.620
「おいらは鳥刺し Der Vogelfanger bin ich ja
「心に愛を持つ人は」 Bei Mannern,welche Liebe fuhlen
「この道によりて」Zum Ziele fuhrt dich diese Bahn
「魔笛の力強い調べは」Wie stark ist nicht dein Zauberton
「こいつはすてきな音(この鈴もてば)」Das klinget so herrlich
「誰しも恋の喜びを知り」 Alles fuhlt der Liebe Freuden
「僧侶の行進」 Marsch der Priester
「愛の喜びは露と消え」 Ach,ich fuhl's,es ist verschwunden
「かわいい娘がいてくれりゃ」 Ein Madchen oder Weibchen wunscht Papageno sich
「パ・パ・パ(パパゲーノとパパゲーナ)」 Pa Pa Pa

ドン・ジョヴァンニ K.527
「カタログの歌」 Madamina,il catalogo e questo
「お手をどうぞ」 La ci darem la mano
「シャンペンの歌」 Fin ch'han dal vino calda la testa
「メヌエット」 Menuetto
「いとしい人、その痛みをなおすには」 Vedrai, carino
「わが悩みはいま」 Mi tradi quell'alma ingrata

後宮からの誘拐 K.384
「何という喜び」 Welche Wonne,welche Lust

フィガロの結婚 K.492
「恋とはどんなものかしら(恋の悩みを知る君は)」Voi che sapete
「もう飛ぶまいぞこの蝶々」 Non piu andrai,farfallone amoroso













クリーガー krieger
メヌエット
 なんだかやたらにロマンティックな小品、クリーガーのメヌエットを編曲してみた。いちおう、中川良平を意識したのだが、、、
←画像をクリックしてください。
 ソプラノリコーダーとアルトリコーダーのデュエットを目的に書いたのだが、下はフランス式ト音記号というか、ヘ音記号で書いたので、低音楽器と高音楽器(ヴァイオリン、フルート、オーボエなど)でもそのままできるはずだ。スラー(ボーイング)はほとんど書かなかった。適当につけてください。












栗コーダーカルテット楽譜集
 NHKの夕方の番組は実に良い!夕方クインテットもピタゴラスイッチも。ピタゴラスイッチのテーマは栗コーダーカルテットの演奏だ。楽譜が出ている。
 ピタゴラスイッチ オープニングテーマはカルテット版とソプラノアルト二重奏版の二つがおさめられている。確かに響きやすい音域で書いてある。
 その他の曲は
01:静かに静かに!
02:聖地エルサレム
03:マヨネーズ第二番
04:写真の中の君
05:歩く人
06:ピタゴラスイッチ オープニングテーマ
07:けむり
08:今こそ別れ
09:ジャム・ザ・ハウスネイル オープニングテーマ
10:マヨネーズ第三番
11:仁井家とクイールのテーマ
12:ペジエ(仔犬のテーマ)
13:鉄道ワルツ
14:生きているだけで楽しい
15:オリオンビール
16:あめふりりんちゃん
17:泣くなよスノーマン
 以上は栗コーダーカルテットの公式HPから引用した。(HPはすぐ見つかる)
 演奏にあたっては楽曲解説が充実しているので、良さそうだ。グレートバスを使っていて、それはロックバンドのベースのイメージとある。演奏できる機会があったらチェロで弾こうかな。




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ルイエ、ジャン・バディスト Loeillet,J.B.
 ジャン=バティスト・ルイエ(Jean-Baptiste Lœillet)は同姓同名のいとこ同士がともに割と有名で、しょっちゅう取り違えられていたようだ。
 今ではあまり有名でないほうは、ロンドンのルイエ(ジャン=バティスト・ルイエ・ド・ロンドル)とか、ジョン・ルイエと言われているらしい。
 そして有名な方がそのまま ジャン=バティスト・ルイエとか、ヘントのルイエとかジャン=バティスト・ルイエ・ド・ガン(このド・ガンというのは「ヘントの」という意味らしいのだから、まぎらわしい。)とか言うらしい。

 ジャン・バディスト・ルイエ(ド・ガン)はともかく多作というか、フルート(というかこの時代アルトリコーダーのことだが)の曲をやたらに書いていて、フルートと通奏低音のためのソナタを12曲×4セット、フルートまたはオーボエと通奏低音のためのソナタを6曲、2本のフルートまたはオーボエのためのソナタを6曲を出版しているそうだ。(そして、Op.5の第一部を除いてすべてロンドンの
ウォルシュ Walshによって海賊版が作られたそうだ。)いったい何曲あるの?これだけで60曲うーん。
 だれだかが、ヴィヴァルディ*1を評して「数百曲の変奏曲を書いたに過ぎない」と言ったそうだが、僕にはルイエのほうがその評にふさわしいと思う。(ごめん言い過ぎですね。)
 作品1は全音リコーダーピースで(3曲ずつ?で)3集まで出ていた。緩徐楽章には変奏がついているが、まあ、無難と言うところか。それほど難しい変奏ではないのでガイドにはなる

*1 ヴィヴァルディの項参照   しなくても良いけどね。(^^;)


ルイエ(ド・ガン)、ジャン・バディスト Loeillet,J.B.
フルートと通奏低音のためのソナタ イ短調 Op.1−1
 全音リコーダーピースででていた。最初の1曲。難易度3。全音のピースの難易度はE(専門家)となっていたが、そんなに難しくない。この曲はメロディーも美しく、レイエの中でもなかなか良い曲と思う。最初のAdagioはメロディーがきれいなのだが、どうもAdagioではなく、andanteかせいぜいLargoの曲想だ。以下Allegro Adagio Giga(Allegro)の4楽章。



ルイエ(ド・ガン)、ジャン・バディスト Loeillet,J.B.
フルートと通奏低音のためのソナタ ニ短調 Op.1−2
 難易度3 Adagio Allegro Largo Giga Gavotta の5楽章。1楽章、2楽章と「まあ同じような感じでなかなか良いじゃない」と吹いてみたが、Gigaに来てもう飽きた。2楽章、中指が特に速く動き過ぎてコントロールが出来なくなるきらいがある。イネガったり、アーティキレーションを考えて、16分音符がただ流れるのではなく、ものを言ってるようにしたい。テンポもプレストにならないように。







ルイエ(ド・ガン)、ジャン・バディスト Loeillet,J.B.
フルートと通奏低音のためのソナタ ト長調 Op.1−3
 難易度3 Largo Allegro Adagio Gavotta(Allegro) の4楽章。この曲ももまあおんなじ、別にそんなにつまんないわけでもないが。全音のピースはどういうわけか遅い楽章に変奏がついてない。1、2番と変奏を付けていて、この曲に来て自分でやれと言うことか。2楽章アレグロ、2番と同じように16分音符主体の曲だが飽きる。ぜひイネガりたい。また、フォルテピアノのメリハリ(エコー)をつけて、変化でも付けないと、最後まで気持ちがもたない。繰り返したい人いる?ガヴォットもイネガリたいな。



ルイエ(ド・ガン)、ジャン・バディスト Loeillet,J.B.
フルートと通奏低音のためのソナタ Op.1−4
 







ルイエ(ド・ガン)、ジャン・バディスト Loeillet,J.B.
フルートと通奏低音のためのソナタ Op.1−5
 







ルイエ(ド・ガン)、ジャン・バディスト Loeillet,J.B.
フルートと通奏低音のためのソナタ Op.1−6
 









ルイエ(ド・ガン)、ジャン・バディスト Loeillet,J.B.
フルートと通奏低音のためのソナタ  ハ短調 Op.1−7
 テレビを見ながら、ついでにコーヒーなど飲みながら、笛を吹くのは実に良い。お気楽だ。テレビはスポーツ中継なんか良いね。サッカーとか、アイスホッケーなど、ずっと集中して見なければならないものはダメで、野球とか、ゴルフとか(殆ど見ないけど)アメフトとか、あるいは碁とか、ともかく
「ほとんど中断している」スポーツがいい。
 ヤマハでリコーダーJPのカラオケを見かけたので、2冊購入。1000円もしないというのが素晴らしい。小さいけれど楽譜もついている。ルイエの方は特にありがたかった。テンポもゆっくり目で良い。早いのが欲しければ自分にあったテンポのを追加注文できるというのも素晴らしい。(わずか600円ちょっと)。 そう言うわけで、この曲はリコーダーJPのカラオケで初めて知った。
 ハ短調と言ってもドリア旋法で書いてある。もっともそれがバロックまでの標準か。
Largo, Allegro , Largo e affettuoso , Giga:Allegro の定型緩急緩急4楽章。1楽章は(悪い意味で)ルイエっぽくて、あまり面白くなかったが、ま、たまに吹くならね。とても速くやりたい3拍子の2楽章、3楽章はシチリアーノかな。走り回るジーグ(はイタリア的なのかな、だからジーグと言うかギガじゃなくてジーガ)。2楽章以下はとても楽しく吹けた。
 画像は3楽章のやさしい装飾の一例。




ルイエ(ド・ガン)、ジャン・バディスト Loeillet,J.B.
 音楽之友社から作品3からいくつか?が出ていたが、これも今はIMSLPできれいなファクシミリが手に入る。通奏低音のリアリゼイションはしてない。

フルートと通奏低音のためのソナタ  Op.3−1
 1楽章はゆっくり、トッカータ風?の走り回わり、またゆっくり、というイタリア風?のもの。速いところは柔らかなダブルタンギングでやるものなのかなあ。難しい。以下ヴィヴァーチェ、アダージョ、アレグロ、アダージョ、アレグロ(ジーグ)の6楽章 




 
フルートと通奏低音のためのソナタ ト長調 Op.3−4
 楽譜は音楽之友社SOR-1303。例によってレイエ。この楽譜は1楽章、3楽章に装飾(3楽章の方はドゥーブルと言うことにしてあるのが不思議。)が書いてあって、ガイドにはなる。でもアーティキレーションの書き込みは邪魔。何も書かないで印刷して欲しい。この曲は珍しく?速い楽章があまり面白くなくて、遅い楽章のメロディーが綺麗だ。装飾を考えるのが楽しそうだ。




ルイエ(ド・ガン)、ジャン・バディスト Loeillet,J.B.

フルートと通奏低音のためのソナタ ホ短調 Op.3−6
 どれも同じようだが、久しぶりに吹いてみて、まあ、楽しめた。作品1から少し傾向 が変わってるのかな。
 Largo,Allmanda,Adagio,Corrente,Adagio,Vivace の6楽章。Allmandaは早い方。Correnteは文字通りイタリアの走り回るほう。Vivaceはメヌエットかなあ。










ルイエ(ド・ガン)、ジャン・バディスト Loeillet,J.B.

フルートと通奏低音のためのソナタ へ長調 Op.3−8
 ルイエの3の8はゼンオンリコーダーピースで持っている。もちろん今ではIMSLPでファクシミリが手に入るし、リコーダーJPにカラオケもある。
 Largo,Allmanda Poco Allegro,Vivace,Largo,Allegroの5楽章。


1楽章はよくある付点の音楽だが、最後のほうに細かい動きが書き込まれているのが珍しい。譜割があわないがその事のほうが、珍しくもない事かもしれない。大きなリズムがあってりゃあ、適当にやれば良いのだろう。そうは書いてないが、3楽章はメヌエット、4楽章はサラバンド、5楽章はジーグ










ルイエ(ド・ガン)、ジャン・バディスト Loeillet,J.B.
フルートと通奏低音のためのソナタ ニ短調 Op.4-1
 通奏低音の16分音符の動きから始まるAllegro いかにものAlla breve 意外に白くないAdagio 老眼にはつらい細かい動きのAllegro 終わりかと一瞬思った(ちょうど4楽章で、速いAllgroなもんで。)が、まだあるありきたりのSarabanda Largo 終曲は当然Giga Allegro
 早い音符の動きがほんのちょっと意外なところがところどころにあり(ヴィヴァルディがあまりに同じ繰り返しなのをまた思い出してしまう。)楽しめた。この曲に限らずこの時代の楽譜は加線をつなげて書いてあって読みにくくて困る。順次進行とか、せいぜい3度の動きは前の3つ上、と言うふうに思わなければいけないのだろうけれど、瞬時にはできないんだよなあ。
2020/02/04  








ルイエ(ド・ガン)、ジャン・バディスト Loeillet,J.B.
フルートと通奏低音のためのソナタ イ短調 Op.4-2
  楽しめた。
 Largo は16分音符の特徴的な動きが良いし、最後の方に32分音符が出てきて、その出てき方が良かった。Allegroはイマイチかも知れないが、やたらに出てくる8分音符の同音連打を遊べば良いのかも知れない。サラバンドのようなAdagio。Giga Allegroは前半部分がおもしろくてむずかしい。終わりそうな所から続く、また続く、と、長いフレーズ。後半もそんな感じにすれば良いのに、なんだか後半はありきたりだった。










ルイエ(ド・ガン)、ジャン・バディスト Loeillet,J.B.
フルートと通奏低音のためのソナタ ニ長調 Op.4-7
 ルイエの作品4は、すべてIMSLPでファクシミリが見える。とても美しいもので、そのまま演奏できるような現代人向けのものだ。
 7番はリコーダーJPの配給で。ルイエはみんな同じだが、やさしいし、たまには吹いて楽しい。Largo Allegro Adagio Vivace の4楽章。
 Largo はアルマンドのイメージ。Adagio はなんだか、何もないし、ぐちゃぐちゃ装飾を入れるべきか。
 全体に何もない、音域も狭い。たしかにリコーダーの曲としては、ニ長調は珍しい(というほどでもないか)。上はdまでしかないし、このままトラベルソで吹いても良いかもしれないなあ。(2013 2月)







ルイエ(ド・ガン)、ジャン・バディスト Loeillet,J.B.
フルートと通奏低音のためのソナタ  Op.4-8












ルイエ(ド・ガン)、ジャン・バディスト Loeillet,J.B.
二重奏曲集

  僕の持っているのは昔の、音楽之友社から出ていたもので6曲のうち、後ろの3曲しか持ってない。もとのショットではOFB55と56で今でも現役だ。すばらしい。本もそうだが、価値のある物は末永く売ってほしい。
 校訂のフーゴー・ルフによれば、もともと1730年頃に(例の)ウォルシュ Walshによって出版された物だそうだが、作品番号もないし、通奏低音付きのソロソナタを(ウォルシュがかってに)二重奏に編曲した物ではないだろうか。(それらしいことが、「リコーダーのテクニック」に書いてある。)
 ショットのサイトでは、リコーダー二重奏としてあるが、オーボエでもヴァイオリンでも、とある。たしかに音域が狭くて、上はeまでしか出てこない。内容もレイエで易しく平易。





(ロンドンの)ルイエ 、 ジャン=バティスト Loeillet,J.B.

12のソロ 作品3
 ロンドンの方のルイエの作品3は「ソロ」で、定番の通奏低音付きのソロソナタなのだが、前半の6曲は「コモンフルート」というつまりリコーダーで、後ろは「ジャーマンフルート」つまりトラベルソのためのものだ。前半の6曲がIMSLPに登録されているようだ。1729、例の
ウォルシュが出版したものだそうで、時代はまさにリコーダーからトラベルソに変わっていく頃なのだろう。後半も短三度上げればリコーダーで吹ける。

 1番のハ長調を見てみたが、なーんにもない感じ。たまに吹き飛ばすにはお手軽。











ロンドンのルイエ 
作品3 7番
 そういうわけで7番からはトラベルソを想定しているが、音は確かに下のe以下が出てくるが、上は相当低い。三度上げればリコーダーで吹ける。
 Largo , Poco Allgegro , Grave , Allegro , Allero ma non tropo の5楽章



  この7番はなんだかとてもヘンデルっぽい。 grave の冒頭なんかト短調のこちら(右)とまったく同じだ。






 ジーグもヘンデルのどれかとよく似ている。







ロンドンのルイエ 
作品3 8番 ト長調
  いやー、全然おもしろくなかった。
 Largo Allegro Grave Allegro  2楽章はつまらないメロディにつまらないディミニエーションをつけたようだ。Graveは何かしなけりゃあ曲にならない感じなのだが、Graveは装飾はつけないものだという。そう?最後のメヌエットらしいアレグロだけがすこしだけメヌエットの魅力。







ロンドンのルイエ 
作品3 10番 ロ短調 リコーダーで3度あげればニ短調
 ラルゴ アレグロ ラルゴ アレグロ 3.4は書いてないけど、サラバンドとメヌエットかな。面白くなりそうでそこまでいかないんだよなあ。まあたまに吹くにはいいか。













トーマ・ロット Thoma Lot
 フルート二重奏曲第5番(リコーダーで)パリ 1736?
 季刊リコーダー 1983 No.1 付録

 季刊リコーダーの付録で、管楽器制作者ロットの物らしいフルート2重奏曲が出てきた。ロットの物もこれしか知らない。同じく、一人カラオケしてみたが、この間吹いた
ミッシェル・ドゥ・ラ・バール と違って、こちらはとても楽しく演奏できた。アウフタクトのついていない、Allemanda、いかにも?のAllegro assai,付点の音楽の (Allegro )assai 、Menuetto メヌエットの第二がなんとなく変なんだけど、もしかしたら、ここはシャープひとつなんじゃないかなあ。でも原典を見ていないのでなんとも言えない。











マンチーニ 、フランチェスコ(1672~1737)Mancini, Francesco (1672- 1737)
 マンチーニはアレッサンドロ・サンマルティーニの後塵を拝した(^^;)ナポリの作曲家。
リコーダーソナタを12曲残してくれていてIMSLPに登録されている。何曲か吹いたがとてもいいと思う。







 5番を吹いてみた。ニ長調で、もともとシャープは苦手なのだ、

 しかも途中これなに?シャープ6個ーfis-dur?に転調していたりして、吹けやしない。(^^;)曲は3/8のアレグロ、突然、バサッと終わる。
 続くLargo , Allegro , Largo , また3/8の Allegro と、これはシンメトリーになっているのだろうか?ラルゴ二つも似てる感じがする。(2021Mar.)






6番
 Largo , つぎつぎ転調する Allegro , Largo (7小節目のaはフラットだと思う) , Allegro (ジーグのようでジーグではないと思う。付点は鋭い方がおもしろいと思う。) の4楽章。(2021Mar.)






7番
   Spiritoso , Largo , Allegro , Largo , Allegro
Spiritoso 3/4 でなんでSpiritosoなんだろう? 3楽章はよくある3/8 4楽章は付点のラルゴ
(2021Apr.)










マルチェロ ベネデット Marcello,B
マルチェロのリコーダーソナタは破綻が無くて、無難だ。どれも同じようだが、十分楽しめる。黄色い表紙のゼンオンリコーダーピースで作品2の1、2、3、4、6、7がでていた。もともとはベーレンライターのHortus Musicus (124、151〜2)らしい。oxford University Press でも出ているらしい。(リコーダーのテクニック)いまではIMSLPできれいなファクシミリが見える。

マルチェロ Marcello,B
リコーダーソナタ ヘ長調 Op.2-1
   Adagio , Allegro , Largo , Allegro の定型4楽章。ありきたりだが、まあいい。3楽章の Largoは装飾意欲がわく。4楽章(ジーグ)に縦線がついている音符があり、これは明らかにアクセントだなあ。



マルチェロ Marcello,B
リコーダーソナタ ニ短調 Op.2-2
   Adagio Allegro Largo Allegro という、定形の4楽章形式。Largo はイタリア式の装飾を入れるべきもの。最後のAllgro はジーグ。難易度3。最後のジーグが割と面白いかな。22〜23小節、59〜65小節86〜89小節のヘミオラとか、83〜85小節の足踏みするような所、意識して変化を付けないと面白くない。





マルチェロ Marcello,B
リコーダーソナタ ト短調 Op.2−3
   ト短調だがフラットひとつで書いてある。シチリアーノのような Adagio 、見た目はテレマンのヘ長調のようなでも全然違う Allegro 、白くて短い Adagio (装飾必須) 、3/8のいかにものPresto 。マルチェッロは無難だなあ。楽しめた。





マルチェロ Marcello,B
リコーダーソナタ ホ短調 Op.2−4
   引きずる付点のAdagio , Allegro , Adagio , 3/8のAllegro (2-3と同じ。2−3ではプレストでこの曲はアレグロにしたマルチェッロの気持ちがわからない)こういうのはともかくヘミオラをヘミオラとして感じないとおもしろくない。
 バロックソナタの典型のようなマルチェッロを2曲吹いた。ひさしぶりで、楽しめたが、しばらくマルチェッロはいいや。(^^;)



マルチェロ Marcello,B
リコーダーソナタ ハ長調 Op.2-6
 ひさしぶりにマルチェロを吹いて楽しかった。前に(先に)2-10を吹いた頃、2曲目にして飽きてしまったと書いたのだが、たまに2,3曲吹くにはお手頃だ。
 2-6はハ長調で、出だしはつまらない、いかにも凡庸なマルチェロなのだが(付点の音楽)、まあ、あそぼう。2楽章Allegro、ミファミファミファミファとか、レミレミレミレミとか意外に難しい。3楽章、いきなりgis。まあ、ドミナント(a-molに対してEdur)と言うことなんだろうけれど、2楽章はちゃんとCdurで終わっているのに、この始まりは新鮮だ。すごい。音符はすかすかしているのだが面白い。装飾を考えなきゃ。3楽章に続いて吹くからなのか、4楽章も面白かった。
 楽譜はゼンオンリコーダーピースR112を持っているのだが、今なら、元のベーレンライターか、
リコーダーJPのカラオケが便利かな。





マルチェロ Marcello,B
リコーダーソナタ 変ロ長調 Op.2-7
   1楽章 Largo はシチリアーノ?はシチリアーノの魅力という感じ。2楽章 Allegroはまあまあだが、3楽章 Largo は実に単純なのだが、美しい。3,4と18,19小節はヘミオラ。そのあともそうかな。その後のGAVOTTA のメロディーはどこかで聴いたことがあるような気がするのだが、、、5楽章はおまけのような Minuet 。全体の印象は「しりつぼみ」だ。







マルチェロ Marcello,B
リコーダーソナタ ニ短調 Op.2-8
 リコーダーJPのカラオケで買った。マルチェロのソナタは、ずいぶん前にどうせ買うならファクシミリ、と思ったのだが、見かけたファクシミリはなんていうか、とても見にくくて買う気になれなかった。それを見て演奏できそうもなかった。たしか、フォンテガーラがこんな感じで、四角いオタマジャクシ、すべての音符が独立していて、昔の常で紙の節約か、詰めて印刷してあるのだ。
 リコーダーJPのカラオケはすばらしい。お手軽に楽しめる。安い。440と415のピッチで、しかもいくつかのテンポで伴奏してくれる。
 マルチェロはヴェネチアだから、そのピッチは440くらいじゃなかったかな?むしろ415より440のほうが歴史的に正しいのかもしれない。もちろん後にトラベルソに短三度下げて(普通の我々のやることの逆)出版されているし(たしか例の海賊版の
ウォルシュ Walshじゃなかったっけ?)人気の作品だし、昔もいろいろなところでいろいろなピッチで演奏されたに違いない。自分の楽器で演奏すれば良いと思う。

 定石の緩急緩急。3楽章は明らかにサラバンドっぽくて1拍目と2拍目が強い。最後は(真ん中も?)へミオラ。
   4楽章はどういうわけか、前半だけしつこく3回、4回繰り返す2度の下降がともかくしつこい。ただ繰り返したって面白くないので何かしなければいけないのだけれど、どうすれば意味があるのかなあ?エコーではない。確か鈴木秀美が、同じことを繰り返すとき(すぐエコーと思いがちだが)1回で済まないのだから2回目3回目は声が大きくなりますよねえ、と言っているのを思い出すが、はてさて、、、









マルチェロ Marcello,B
リコーダーソナタ イ短調 Op.2-10
 なんかマルチェロもみんな同じようだなあ。Largo Allegro Largo Allegro Minuetto の5楽章。1楽章、Op.2-1 とか2-6 とかの1楽章とよく似た付点リズムのLargo。2楽章、2-2 の2楽章によく似ている。14,21,24,27,32,47,53,56,70,73小節などはみなエコーかな。3楽章2-2の3楽章に付点を付けたようなもの。イタリア式の派手な装飾でも付けるか。4楽章、2-1の4楽章をちょっと複雑にしたもの。いや単に長くしただけで飽きる。5楽章、メヌエットは全音のピースにないぞ、と期待したのだが、あまり魅力的ではない。マルチェロは2曲か、3曲やれば十分だなあ、というのが正直な感想だ。







マルチェロ Marcello,B
リコーダーソナタ 11番 Op.2-11
 アダージョ、プレスト、アダージョ、プレストの4楽章。
1楽章がシチリアーノの魅力。そのほかありきたりで、つまらなかった。





マルチェロ Marcello,B
リコーダーソナタ 第12番 Op.2-12
 マルチェッロの作品2−12は、もちろんリコーダーピースを買っていた。ラソスキーがひどいのだろう、このピースはチャッコーナだけで、しかもあたかも12番はチャッコーナ独立の作品かのように書いてある。ひどい。コレッリの作品5の最後は長大なシャコンヌが独立していてそれはもちろんコレッリ自身のものだが、それを意識したのではないか。(いやわからないけど)
 実際はチャッコーナの前にアダージョ、8分の3拍子のメヌエット(アレグロ)、ガボット(アレグロ)、ラルゴがあり、でもあんまりおもしろくない。
 5楽章目がチャッコーナ。シャコンヌと書くと、バッハの無伴奏ヴァイオリンソナタ第2番の荘重なものを思い出してしまうが、チャッコーナは「ラテン」な、軽いものらしい。(でもバッハのは実はチャッコーナなのだ。)
 マルチェッロも、そう思って吹くとギターやタンバリンの音が聞こえてくる気がする。そんなに難しくないし、たまに吹くには良い。

















ヨハン・マッテゾン(Johann Mattheson 1681– 1764)
 リコーダーデュエット、トリオ Op.1

 音楽理論家として有名?なマッテゾンの作品1はリコーダーデュエット、トリオ集だ。リコーダートリオ(アルト×3)のオリジナルなんて本当に貴重だ。
 マッテゾンの作品なんてほとんどまったく聞いたことがない。だからなのか、こんな、バッハの同時代者だとは思わず、かってに二世代くらは前の人かと思っていた。すみません。
古楽の小路 に立派な解説がある。ほとんどそれに付け足すことはない















マーシー Mercy,luis
リコーダーソナタホ短調Op.2
 全音リコーダーピースにマーシーのリコーダーソナタがあった。マーシーなんてあまり聞いたことないが、解説にいろいろ書いてある。18世紀前半に活躍したイギリスのリコーダーの名手だそうだ。
 有名でない(要するに凡庸な作曲家)の作品は「やっぱり長い歴史の中で忘れられるには、それだけのものがある(あるいは「ない」)」と思わせるものがあるのだが、この作品はまあまあ、たまに吹くには楽しめる。
 わりと美しいAdago,マルチェロの2拍子みたいなAllegro,イタリア風の装飾をすべき、要するに何も書いてないような、白い音符のAdagio、ヘンデルのを平凡にしたような(でもまあまあ楽しい)Minuetto(Allegro)、の4楽章形式。難易度3。





モンテクレール  Michel Pignolet de Monteclair (1667〜1737)
2つのフルートのための6つのコンセール
6 Concert pour 2 flutes sans basse (1720)

マーブル模様の表紙、STUDIO PER EDIZIONI SCELTE から通奏低音なしのフルート2重奏曲(コンセール)がファクシミリででている。 フランス式ト音記号なので、それを読む練習にはなるが、リコーダーで(短三度上げて)やろうとすると読みにくくて困る。ヴォイスフルートにせよ、アルトの二重奏でやるにせよ、テナーだと思って(テナーの運指で)フランス式ト音記号は、アルト記号(ハ音記号)だと思う、あるいは普通のト音記号だと思ってひとつ上の音を吹く(つまり五線の真ん中の音はシでもレでもなく、ド、シャープを2つ減らすand/orフラットを二つ増やす)しかな さそうだ。
 第1番を吹いてみたが、最初、フランス式序曲みたいなのが、全然、何もなくてつまらない。でも次々吹いていくとなかなか良いのもある。沢山の楽章で出来ているから、面白そうなのを選んでやると良いのだろう。
 2番以降はまたそのうち。












トマス・モーリーThomas Morley (1557 - 1602)
 ルネサンス期のイギリス。声楽曲が中心なのだろうが、器楽曲もたくさん作っているようだ。笛吹きとしては、声楽曲はなんでもアンサンブルでたのしめるし、
北御門の2重奏にたくさん納められ、4重奏にも納められている
 2重奏はずいぶん昔いろいろ吹いたし、Vnとあわせたこともある。
 「いまこそ5月」をアンサンブルで 20183月〜









わらべうた 諸岡忠教
ずいずいずっころばし (リコーダー四重奏のための)
 大学時代にブロックフレーテ同好会に入って、同学年4人でカルテットを組んだ。
 そのカルテットでいろいろ楽しんだが、割と最初のころ、ずいずずっころばしとたしかパレストリーナのリチェルカーレを組にして定期演奏会にかけた。評判が良かったのを覚えている。
 この曲はとてもおもしろい編曲だと思う。かつての季刊リコーダー、1978年No.2の別冊楽譜で手に入れたもの。
 四分音符84からだんだん速くなって行き、最後にさらにアッチェレランドして、160で終える。
 そのうちぜひまたやってみたいなあ。














モーツァルト 、 ヴォルフガング・アマデウス Wolfgang Amadeus Mozart ( 1756 - 1791 )
歌劇のフルート2重奏曲集
 モーツァルトの歌劇は本当に人気があったらしく、当時のフルート2重奏曲編曲が残っている。魔笛、ドンジョバンニ、後宮からの逃走、フィガロの結婚の4つが残っていてUniversal Edition ででている。もう、キーのあるフルートが生まれているはずだが、当然庶民はバロックからのトラベルソを吹いたのではないか?音域は下がちゃんとdまででとどまっている。調性も#3個〜フラット1個まででトラベルソを意識している気 がする。そういうわけで短3度上げればリコーダーでおおむね吹ける。
 友だちが合本が出ている、と言うのでさがしたら合本ではなくて、ハイライトだった。半分くらいの曲数になっているが、これはこれで価値があるかな。


歌劇のフルート2重奏曲集 「魔笛」
No. I Der Vogelfa:nger bin ich ja おいらは鳥さし *
No. 2 Dies Bildnis ist bezaubernd scho:n
No. 3 Du feines Ta:ubchen, nur herein
No. 4 Bei Ma:nnern, welche Liebe fu:hlen  恋を知るほどの殿方は
No. 5 Zum Ziele fu:hrt dich diese Bahn この道によりて(3人の童子)
No. 6 Wie stark ist nicht dein Zauberton 魔笛の力強い調べは *
No. 7 Das klinget so herrlich なんとすばらしい音だ
No. 8 Bewahret euch vor Weibertu:cken
No. 9 Alles fu:hlt der Liebe Freuden 誰しも恋の喜びを知り
No. 10 In diesen heil'gen Hallen  *
No. 11 Marsch der Priester  僧侶の行進
No. 12 O Isis und Osiris
No. 13 Der Ho:1le Rache kocht in meinem Herzen
No. 14 Seid uns zum zweiten Mal willkommen
No. 15 Ach, ich fu:hl's, es ist verschwunden 愛の喜びは露と消え *
No. 16 Soll ich dich, Teurer, nicht mehr seh'n
No. 17 Ein Ma:dchen oder Weibchen 恋人か女房か *
 このうち*印は有田らの録音がある。ただし、マイナーレーベルのLPだったので、現在入手はほぼ不可能。(2000.1.30)
 1曲目おいらは鳥さしはとてもいい。変奏がとても良い、難しいけれど。上のパートと下のパートが違うのがまたいい。
2曲目 短3度あげると上のパートに上のaが出てくる。02356膝(ふくら脛)。 音形は十分可能。




歌劇のフルート2重奏曲集 「ドン・ジョバンニ」
   ドンジョバンニからのフルートデュエットは ユニバーサルエディション 17284 と言う番号だ。

  公式HP http://www.universaledition.com/Don-Giovanni-for-2-Flutes-Wolfgang-Amadeus-Mozart/sheet-music-and-more/detailview/UE17284/kid/118047  に曲名はすべて載っている。
Batti, batti, o bel Masetto - Schmale, tobe, lieber Junge
Menuetto
Deh vieni alla finestra - Horch auf den Klang der Zither
Non mi dir, bell' idol mio - Sag mir nicht, o mein Geliebter
Eh via buffone - Gib dich zufrieden
Madamina, il catalogo e questo - Schone Dame, dies genaue Register(カタログの歌)
Giovinette che fatte all' amore - O ihr Madchen, zur Liebe geboren
La ci darem la mano - Reich mir die Hand, mein Leben(お手をどうぞ)
Fin ch' han dal vino - Auf zu dem Feste(シャンパンの歌)
Vedrai, carino - Wenn du fein artig bist(愛しい人、その痛みを治すには)
Il mio tesoro - Folget der Heisgeliebten

 この曲集はもうバロックの1キーのフルートトラベルソのためのものではないのかなあ、音域も高いようだし、調性もフラットが多いようだ。だからリコーダーで吹くのは難しいようだ。



歌劇のフルート2重奏曲集 「後宮からの逃走」
これも魔笛より,後の時代の編曲なのだろうか?音域も高いところまで出てくるし,難しく感じる。それとも、魔笛という歌劇がそもそもシロート劇団のための作品だから易しいのかな?
→目次
 モーツァルトのメロディーは美しい




歌劇のフルート2重奏曲集 「フィガロの結婚」
 フルート二重奏をリコーダーで
 フィガロのほうも,音域が高く,難しい印象を受ける。でもすべて、シャープ1個(!)からフラット2個までだ。
 セカンドフルートが分散和音などの伴奏の印象が強く、あまり掛け合いとか,かわりばんこに伴奏,と言う感じがしない。
 やっぱり,メロディーはどこかで聞いたようなものが多く,楽しい。
→目次




モーツァルト 、 ヴォルフガング・アマデウス Wolfgang Amadeus Mozart ( 1756 - 1791 )
ファゴットとチェロのソナタ KV292
 モーツァルトのファゴットとチェロのソナタは
オリジナルと、リコーダー二重奏(アルト×2 旧全音リコーダーピースR31)とどちらを先に知っただろう?別々に知って、あるときこれこの曲じゃん、と思ったような気もする。
 リコーダー版はもちろん全音リコーダーピースの方を知っていてずいぶん楽しんだが、あわせも難しいし、結局ほとんど自分ひとりでさらっているのに過ぎない。最近IMSLPにアルト2本ではなくアルトとテナーに編曲されているのが登録されているのを知った。吹いてみるとぼくの記憶=全音と微妙に違う。改めて全音を吹いてみると、原調ですごーく高い音域なのね。でもすごく自然で美しい。上のfisを避けて下げてあるところがあるのだが、その編曲が巧妙なのに感心した。
 アルトテナーのための編曲はリコーダーの美しい音域なのだが、ちょっとだけ違和感がある。オクターブの上げ下げなのに変だよなあと思わせる箇所がある。
 とかくモーツァルトは軽く鮮やかに弾かないといけないのでとてつもなく難しい。3楽章はプロが弾くよりはずっと遅くても楽しめる曲だと思うが、1楽章はある程度速くないとそれらしく聞こえない。






モーツァルト 、 ヴォルフガング・アマデウス Wolfgang Amadeus Mozart ( 1756 - 1791 )
2つのソナタ(リコーダー(ヴァイオリン)とピアノ)
 EDITION PETERS から 上記のようなリコーダーソナタが出ている(Nr.4555) ヴィーンソナタ(KV439b)からの編曲(編曲:Waldemar Woehl)とあるのだが、知らない。ピアノソナタか、ヴァイオリンオブリガート付きのピアノソナタではないかと、勝手に考えて少し調べたのだが、どうも違うようだ。偽作?でもいかにもモーツァルトらしい響きで、楽しめる。難易度2〜3、ただしフラット2〜3個だし、モーツァルトだから、軽くやらなければ。そう考えると難易度は上がる。2曲あって、Allegro Lafghetto Menuetto(Trio付き) の1番とAllegro Menuetto(Trio) Larghetto Menuetto の2番。1番のほうがより楽しめるかな?いかにもディヴィルッティメント風の軽い内容で、深い情感なんてないけれど、人前でやるにも軽くていいのではないか?




モーツァルト 、 ヴォルフガング・アマデウス Wolfgang Amadeus Mozart ( 1756 - 1791 )
フルート四重奏曲 第1番 ニ長調 K.285 →ハ長調(リコーダーと鍵盤楽器)
 このリコーダー編曲版が出たときは、出た出た、とうれしかったものだ。傑作。モーツァルトだから、軽くやらねばならず、とても難しい。難易度4〜5。でもともかくきれいで吹いていてうれしくなる。難しいけれど少しも不自然なところが無く、オリジナルのような気がしてくる。

 ロンド、パート譜p.9、3段めの最後のdを1オクターブ上げて、その次から、オリジナルのメロディーを1オクターブ上げる(ドにレの前打音、16分音符でシ♭ラソファミファソラシ♭ソラファラーソーかな)と良い、との有益なアドバイスを受けた。










 

モーツァルト 、 ヴォルフガング・アマデウス Wolfgang Amadeus Mozart ( 1756 - 1791 )
フルート四重奏曲 第2番 ト長調 K.285a
 2番は偽作の疑いもあるようだが、この曲もモーツァルトっぽく、とても楽しい。そのまま吹くと下がつかえてしまうが、適当にオクターブ上げれば良い。短三度あげると高いが完全に吹ける。











モーツァルト 、 ヴォルフガング・アマデウス Wolfgang Amadeus Mozart ( 1756 - 1791 )
フルート四重奏曲 第4番 イ長調 K.298
 4番はイ長調なので短三度あげるとハ長調になり、かんたん、と思ったら、難しいし上のb(フラット)まで出てくるので、これは難しいなあ。そうかと言って原調では最初から下のeだし、、、(2018/3)






モーツァルト 、 ヴォルフガング・アマデウス Wolfgang Amadeus Mozart ( 1756 - 1791 )
オーボエ四重奏曲 ヘ長調 K.370 (368b)
   名曲!そして難曲。
 これをリコーダーで吹いてみたら、すばらしく楽しいのだ。うれしくなってしまう。もちろん人前で吹くことはできないと思うが、それはアマチュアオーボイストにとってもだろう。特に3拍子のところをオーボエだけ4拍子で書いてあるところなんてできるはずもない。だが、ともかくとてつもなく楽しく吹けるのだ。ほとんど全部吹ける。
  下のfより下が出てくるが、そこはオクターブ上げれば良い。1楽章なら、個人的にはソまでオクターブ上げてラから原曲通りに吹くのが良いと思う。(3カ所とも)
 いやー、楽しい。1楽章だけでも弦とあわせられないかな。(2018年3月)





モーツァルト 、 ヴォルフガング・アマデウス Wolfgang Amadeus Mozart ( 1756 - 1791 )
フルートと管弦楽のためのアンダンテ ハ長調 (Andante in C for Flute, K.315)
 もう、30年も前から、ここに書かなきゃと思い続けて、とうとう今になってしまった。
 モーツァルトのフルートと管弦楽のためのアンダンテハ長調のフルートはリコーダーで完全に吹ける。リコーダーにとっても美しく響く音域で、とても楽しめる。前にピアノで伴奏してもらったときには「リコーダーがあれば、フルートなんていらないわね」と言われて、いやいやそんなことないですけど、でもリコーダーでも充分美しいですよね、とホクホクした。カデンツァはいろいろ書いてあるけれど、下手くそでも自分で考えたいものだ。(2018July)
















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中川良平
2本のフルートあるいはアルトサックスのための二重奏曲集
 中川良平の2本のフルートあるいはアルトサックスのための二重奏曲集を購入した。これはすばらしい。
 楽譜屋で見つけて、この厚さ(368ページ!186曲!)コストパフォーマンスのすばらしさ(5000円弱!)。難しくなさそうだし、どれも2ページ以内の曲だから、そんなに面白くないかもしれないけれど、これだけ曲があれば楽しめそうだ。子供のモダンフルートとあわせられるだろうし、曲によってはTさんのトラベルソとヴォイスフルートでもできそうだ。易しいのなら、家族ででもできそうだし、もちろん移調すればチェロデュエットもできそうだ。
 家に帰って、子供のモダンフルートと合わせたのだが、実に良い!そんなに面白くないかも、なんて思ってごめんなさい。すばらしい!これは決して初心者だけのものではない。初心者から上級者まで楽しめる。
 これは、フルートあるいはアルトサックスなんて、とんでもない。あらゆる旋律楽器奏者が持つべきものだ。

 そう言うわけで、この曲集には重大な、致命的な欠陥がある。それはタイトルだ。「フルートあるいはアルトサックス」なんて、もったいない!
「あらゆる旋律楽器のための二重奏曲集」とすべきだ。なんなら、
「フルートでもオーボエでもサックスでもクラリネットでもヴァイオリンでもヴィオラでもバスーンでもチェロでもなんでも!」とでも副題をつけるのだ。ついでに「演奏上の注意」を付ける。


以下、僕のかってな演奏上の注意・・・・・・・・・・・・・・・

 この曲集はあらゆる旋律楽器で楽しめます。
 フルート(フラウトトラベルソ、ピッコロも)オーボエ(コールアングレ)サックス(ソプラノからバリトンまで)、クラリネット、ヴァイオリン、ト音記号が読めるならどの曲もこのまま楽しめます。
 音域が下の c から2オクターブと1音の d までなので、どのリコーダーでも c 管だと思って吹けば(ソプラノ、テナーの運指でという意味)すべて吹けます。しかし、リコーダーの場合、上のパートはアルト、下のパートはテナーなどが一番合う曲も多そうです。いろいろ試してください。
 フラウトトラベルソでもほとんどの曲が楽しめます。なお、下のドシャープは穴を全部閉じて、フルートを内側に回せば何とか出ます。これは歴史的な方法だと有田正広が言っています。
 ヴィオラあるいはヴィオラダガンバの場合、もちろん、ト音記号が読める人はそのまま(実際はオクターブ下)、読めない人はト音記号をハ音記号(アルト記号)だと思って、シャープを2個増やし(またはフラットを減らし)て、楽しめます。(つまり楽譜は書き直さずに2度上に転調して、楽しめます。ついでながら、トラベルソもこの方法で2度上げた方が良い物も多いかもしれません。)
 チェロ、バスーン、その他ヘ音記号の楽器の人はト音記号をヘ音記号だと思って、フラットを3個増やし(あるいはシャープを減らし)て楽しめます。なお、フラットを3個も増やすと増えすぎて大変だ、という場合は、シャープを4個増やすという方法も可能です。この方法だとたとえばフラット3個の曲は差し引きシャープ1つになるので、演奏しやすくなります。
 この方法が出来ないヘ音記号の楽器の奏者は「2本のバスーンのための二重奏曲集」も出ています。こちらを購入ください。(でも、実はバスーン=ファゴットはチェロより低いB♭(フラット)まで音が出るのです。出ない音が出てきます。)
 なお、蛇足の蛇足ですが、短三度上げるこの方法はリコーダー奏者にとっては必須の技術です。これを使えば、すべてのトラベルソの曲がそのまま吹けるようになります。また、フランス式ト音記号というらしいですが、古いフランス物にはト音記号が一本下に書いてある物があるようで、それを(リコーダーの奏者に限らず)演奏できるようになります。

 同じ楽器二本でなくてはならない、ということはありません。いろいろ試してください。フルートとオーボエ、あるいはヴァイオリン、なんてのは響きも美しそうです。
 僕はモダンフルートとチェロで何曲か演奏してみました。美しい響きでした。チェロの方はト音記号をそのまま(1オクターブ下げて)弾きました。なれないとちょっと難しいですが、ト音記号が読めるようになると便利です。
 移調楽器の人も実音が出せるようになると便利ですよ。つまり、Bフラットの場合、2度あげて(一つ上の音を出す、シャープ2個増やして)吹けるとたとえば他の楽器の楽譜や、歌の楽譜をそのまま吹いてピアノで伴奏してもらえます。
 Bフラットの楽器とバスーンまたはチェロであわせる場合、バスーン(チェロ)はト音記号をテノール記号だと思って、フラットをふたつつけるとそのままあわせられます。テノール記号の練習だと思ってください。音域がちょっと高いかもしれません。
 Eフラットのアルトサックス、バリトンサックスとバスーンまたはチェロの場合、サックスはト音記号で、バスーンまたはチェロはヘ音記号でフラットを3個増やすと、あーら不思議、同じ調になります。是非おためしください。
 ただし、他の異なる楽器の組み合わせと同じで、音量と響きのバランスが、難しいと思いますので、慎重に、お互い良く聞いてあわせましょう。

 残念ながら、金管楽器には音域が広すぎるようです。ですが、移調したり、オクターブ移動したりすれば楽しめる物もあるようなのですが、試してみませんか。





中西 覚
2本のアルトリコーダーのための組曲 村の休日
 黄色い表紙のゼンオンリコーダーピースの142として、でていた。ピースの難易度はA=初級なのだが、もっと難しいと思う。2〜3。村の朝 鬼さんこちら おばあさんの昔話 おじいさんの馬子唄 輪あそび 土俗面 みんなでさわごう の7曲からなる。土俗面では下のaからb(フラット)を「同じポジションで」と指示がある。ポジションは指使いのことだと思うが、これが難しい。個人的には同じポジションではなく、0123467に、5をシェーディングしてaの音を出し、息と指の両方で音程を上げ下げする方が良いと思う。またフラッターもでてくる。みんなでさわこうも4分音符138〜144だ、最後まで崩れずに演奏するのは相当練習がいると思う。おだやかな曲はとてもきれいだし、この組曲は人前で演奏するにも良い曲だと思う。







ノード J.C.Naudot 〜1762
フルートソナタ  Op.1-3 (Japan Flute Club 226)
 JFCは例の何もリアリゼーションしてない、ただのバスとフルートのパート譜のみで出版している。それだったら、ファクシミリ版にして欲しい。短三度あげれば、ごく普通にリコーダーで吹ける。
 この3番は4番(1-4)より面白いかな。
 2楽章アルマンドの繰り返しがしつこい。
 ガヴォットはIIが短調になるのだが、不思議にあまり対照的な変化を感じない。
 ジーグ、アルペジオが「飛んで」いて、最初のパッセージと言い、なんとなくテレマンを思い出す。ちょっと難しいが、楽しい。低い音をしっかり鳴らすにはリコーダーより、トラベルソで吹いた方が気持ちよさそうだが。



ノード J.C.Naudot 〜1762
フルートソナタ ト長調 Op.1-4
 日本フルートクラブでノードのフルートソナタがでている。3度あげるとリコーダーで吹ける。なんというか、フルートと通奏低音のソナタなのだが、通奏低音が数字もついてない、ただのバスで、リアリゼーションしてあるピアノ譜など影も形もない。下手なリアリゼーションしてあるよりよほどましだ、と言う意見もあるだろうが、はっきり言ってこれは手抜きだ。でもこういう形でたくさんの曲が安く手にはいるなら、良いなあ。できればファクシミリで。
 フルートのほうに下手なダイナミックスやスラーがついてないので、自分で工夫できるのはありがたい。ALLEMANDE(Gaiment),Gravement,Gaiement,RONDEAU(Gracieusement)という4楽章形式。アルマンドはアウフタクトの16分音符のついてないタイプのやや速いアルマンド。Gravementの最後についているカデンツァはオリジナルなのか何なのかわからない。どの楽章も退屈しない。何度か吹くには、あるいはアンサンブルするにはとてもいい。難易度3。難しくない。








ノード J.C.Naudot 〜1762
フルートソナタ ホ短調 Op.4-1
 Adagio , Allegro , Aria , Andante , Allegro の5楽章。(Aの頭韻!)Andanteが僕のつぼらしく、とてもとても美しいメロディーと感じる。トラベルソではあまりうまく吹けないが、リコーダーで吹いたり、チェロで弾いたりしている。やっぱりオリジナルの横笛で吹くのが、もっとも曲にあっているとは思うけれど。








オール 、 ヒュー Hugh Orr
24の調による練習曲 アルトリコーダーのための
 全音リコーダーピース 155 で出ていたもので、今では手に入らないだろうなあ。
   24の調と言えばリコーダー奏者にとってはシックハルトだろうし、まあ、いろいろあるのだろう。どうも根が男の子なもんで、こういうのに反応してしまうのだ。これも昔ずいぶん練習した。最近またひっぱり出して練習している。とても面白い。

  11番 ロ長調
リコーダーアンサンブルも市民オーケストラもコロナというか安倍晋三のせいで、ないので、暇にあかせてというわけでもないが、24の調の練習曲をひっぱりだして少し練習。
 シャープ5個は♭7個と同価だ。それでもぼくでも楽しめるというか、練習できるというか、できるんだからリコーダーってのはすばらしくすぐれた楽器だなあ。もっともダイナミックスは無視しないと曲にならない。eis=f とfis が難しくってねえ。
 途中の転調するところの調性感がわからない。(頭の中で鳴らせないし、音を聞いても納得できない。)ひどい。


 12番 嬰ト短調
 11番より12番の方がおおむねやさしいが、ダブルシャープがねえ。特に同じ小節内有効を忘れてしまう。
 思うに、非常の多くの人が同じ小節内に臨時記号がでてくるときに鉛筆で書き込みをしていると思う。最初から印刷して欲しいなあ。岩城宏之が書いてあるように、作曲家は正しい音程で演奏して欲しいでしょう?だったら同音反復以外は臨時記号を書き、印刷すべきだ。
(2020Mar.)


 13番 ヘ長調
 ヘ長調はヘ長調なので易しくうれしい。といっても高いところの連結が難しい。笛のもっとも練習しなければならないところを示していると思う。(2020Apr.)















パッヘルベル Johann Pachelbel
カノン
 オリジナルはヴァイオリン3本と通奏低音だが、リコーダー編曲版が出ていて、良く演奏される。譜面面よりずっと易しいのは聞き慣れた物だからだろうか、きれいなメロディーだなあ。これを通奏低音付きでやったら、通奏低音奏者に深く深く感謝しなければならない。同じ2小節を30回近く延々と繰り返さなければならないのだ、苦痛以外のなにものでもない。なれてきたら、カノンのどのメロディーが主役か考えて一生懸命吹いたり、ちょっと引っ込んだり出来ると良い。





パレストリーナ ,ジョヴァンニ・ピエルルイージ・ダ (Giovanni Pierluigi da Palestrina, 1525? - 1594)
リチェルカーレ
 ジョヴァンニ・ピエルルイージ・ダ・パレストリーナ(Giovanni Pierluigi da Palestrina, 1525年? - 1594年2月2日)は、イタリア・ルネサンス後期の音楽家である。一般に「パレストリーナ」と呼ばれるが、ジョヴァンニが名、ピエルルイージが姓。パレストリーナは後述のように生地である。カトリックの宗教曲を多く残し「教会音楽の父」ともいわれる。(以上wiki)
 リコーダー奏者としてはもちろん編曲ものしかないが、旧リコーダーピースでリチェルカーレが二つ出版され、まだ復刊されていないようだ。はるか昔、大学時代に同級生のリコーダーカルテットで、これ(どっちだっけ?)と、諸岡忠教編曲の
ずいずいずっころばしを組み合わせて取り上げ、オーケストラの先輩から「評判良かったよ」と言われてホクホクしたのをよくおぼえている。










ペープシュ Johann Christoph Pepusch 
リコーダーソナタ ニ短調 作品1-2
  ペープシュと言えばたしか、むかーし僕が最初に買ったソロソナタの楽譜がペープシュだった。中学生の頃に、服部幸三さんがNHKFMの「バロック音楽の楽しみ」で、リコーダーはバロック時代に隆盛をきわめたという話をしていて、リコーダーだったら吹けるかもしれないと思って、(うちの中学では習わなかった)アルトリコーダーを買い、そのうちペープシュも買ったのだった。
2番はフラットなしで書いてあるがニ短調のようだ。(あるいはドリア旋法)  1番は全然何にも感じなかったが、2番はその10倍はおもしろいなあ。3楽章は「白く」て、奏者のものだが、1,2楽章もおもしろいし、4楽章の駆け回るジーグも良い。


 1番も2番もフレーズというか小節の頭に16分音符で同じ音が続いているところがたくさんある。これはほんの少しすきまを空けてやるべきなのか、なんにも考えないで続けて吹くべきなのか迷う。基本的につまらない音楽なので(失礼!シロートのたわごと!)やり過ぎない程度にフレージングしたい気分だが。









ペープシュ Johann Christoph Pepusch 
リコーダーソナタ 変ロ長調 作品1-6
   リコーダーJPのカラオケは解説もしっかりしていて、付け加えるようなことはない。あまり内容のない、でもまあ軽い曲で、2楽章と4楽章にドゥーブルが付いているのが変わっているが、これもあまりたいしたことない。たいしたことないのは音楽的内容で、指の方はフラット二つで難しい。2楽章は4拍子の半分から始まる、ガボットのような曲なのだが、それらしいテンポではドゥーブルが速くてとても吹けない。
 IMSLPでファクシミリがダウンロードできて、この作品はOp.1らしい、作品2aというのもあるらしい。それにしてもファクシミリまで簡単に閲覧できて、すごいことだ。まったく出版社はたまったもんじゃないよなあ。
 リコーダーJPのカラオケは4楽章の28小節目、ラの音が(総譜もパート譜も)フラットになっているが、ファクシミリを見ると間違いじゃないかなあ。



ペープシュ Johann Christoph Pepusch
5つのカンタータ
 日曜日にアンサンブルの会があって、ひさしぶりに参加できた。今回はメゾソプラノの方が参加してくれてて、めったにない、声楽との合わせができてとても貴重な体験だった。アマチュア器楽奏者にとって、歌と合わせられるなんて、めったにないことだ。
 曲はバッハのカンタータBWV208 から「羊は安らかに草を食み」、ヘンデルのドイツアリアのなかから2曲、ペープシュのカンタータ。
 ペープシュは、昔から音楽之友社だったかからソロソナタが出ていたけれど、まあありきたりのバロックのもので、気にも とめていなかった。
 今回やったのは
Love Frowns In Beauteous Myra´s Eyes
 と言う曲だが、実に美しかった。正直に言って、曲がとても良いのかどうかはわからない。曲がいいのか、歌がすばらしかったのか、たまたま自分がかってにそう思っただけなのか、ともかくじつに気持ちよく吹けた。吹いている笛の音と声が、掛け合いになったり、寄り添ったり、練習した会場の割と高い天井に、音が昇っていくのが見えるようだった。感心した。
 ネットで調べるとCDも出ているようだ。買って聞いてみようかな。(2010Feb.)






ペツォールト、クリスティアン Christian Petzold (1677 - 1733)
伝バッハ作 メヌエット
  バッハの有名な、もしかしたら一般にはもっとも知られている、と言ってもいいメヌエット(ト長調とト短調(BWV Anh. 114、115))が偽作というのか、ペツォールトの作だというのはもう常識になっていると思うのだが、知り合いの音楽の先生にたしかふたり教えて、感心されたくらいだから、そうでもないのかな。
 バッハの作じゃないと初めて聞いたとき、なるほどね、そうなのか、でもたしかにこんなシンプルな曲をバッハが残すはずないよなあ、と思ったものだ。
 リコーダー用の編曲はたくさんあると思うが、アルトでハ長調でメロディーだけ、初心者の頃ずいぶん練習したものだ。








パーセル、ヘンリー Henry Purcell(1659- 1695)
「ムーア人の復讐」より
 パーセルのことは中学か高校か、教科書の巻末(どの教科書も暇になると最後のあたりとか見る(^^;)だったか、音楽室の向こうの天井の下に肖像がずらっと並んで張ってあるのを見たのかで知ったのだと思う。イギリス音楽史上最大の夭折した天才、みたいに書いてあるのだが、一曲も聴いたことがなかった。相当後までブリテンの青少年のための管弦楽入門に使われたテーマしか知らなかった。それはリコーダー用にもなっていて教科書に載っていたのだったか、ずいぶん練習したものだ。
 それこそ最近はオリジナルがずいぶん録音されていて、やっと、なるほど天才かもと思えるようになってきている。
 
北御門文夫のリコーダー四重奏曲集
に「ムーア人の復讐」からその Rondou と、Menuetto,Air,Gigue,Airが収められている。全部はやったことがないかもしれない。








クヴァンツ Quantz,Johann joachim
フリードリッヒ大王のためのソルフェージュ

 フリードリッヒ大王の「ソルフェージュ」あるいは「毎日の練習」はリュッツ=ヴェンターフェストの「上級者のためのリコーダー教本」に載っている何曲かをよく吹いていた。その後手に入れたのはブライトコプフ版で、100曲が調性順にまとめてある。モダンフルートを念頭に編集してあって、つまりハ長調からイ短調、ト長調と言う感じで並んでいる。トラベルソではニ長調あたりから始めるなり、気が向いたのを日々、吹くんだろう。
 リコーダー奏者は例の、短三度上げて吹けば、ほぼ全て吹ける。ただの練習曲でなくて、曲になっている。ほんの数小節の物も楽しめてすばらしい。
 5曲目に100曲中一度だけ、下のドが出てくる。トラベルソの最低音はdなのだが、フリードリッヒ大王の持っていたフルートの中には下のcまで出る楽器もあったのかな?
(有田正広によれば、バッハのロ短調ソナタの原曲であるト短調ソナタはオーボエの物ではなく、c管のフルートのための物だとのこと。)
 IMSLPにはファクシミリが登録されていて、それは本当に断片で、曲になっていない。それはそれで練習にはなるというか、練習のためのものだ。(2018/04/追記)









クヴァンツ Quantz,Johann joachimv
ファンタジーとカプリース
 フルート(トラベルソ)のための作品らしいが、短三度あげた物がショットから出ている。花岡和生のCDがある。
 練習になるし、面白いのだが、みんなフラットばっかりで、飽きる。そうかと言って、たまに吹くには難しい。ある程度ちゃんと、ということは、ある程度速くと言う意味でもあるが、吹かないと面白くない。トラベルソ版も出ているに違いなく、そちらを買って短三度あげる練習をすべきだったろうけれど、もう遅い。(でも安かったしなあ)













クヴァンツ Quantz,Johann joachim
フルートのための6つのデュエット Op.5

 シンフォニア(検索したのだが、ネット上には無い)から出版されている、フルートデュエットシリーズ、国内版なので気楽に買える。本体1500円で6曲。
 例によってリコーダーでは短三度上げて出来る。易しくてそんなに面白くもないけれど、良い。一人カラオケも簡単に出来る。やたらに三度で重ねてあって、これがきれいに合わせられるかどうかが、楽しめるかどうかの分かれ目、と思う。(モダンフルートでは難しい?しつまらないと思う。)

 第2番が譜面づらがおもしろいかな。一人カラオケ。
 1楽章。片方がデタッシェで下降して相手が伸ばし。メッサデヴォーチェand/orビブラート。三度の重ねは良く息を(音程も当然!)を合わせて、さっきとのコントラスト。16小節目がクライマックスでその後、静かに落ち着く。
 2楽章、ダイナミックスの指示は編者の付け加えだろうけれど、そんな感じ。3楽章、三度。4楽章Giga、途中、10度の跳躍が出てきて難しいのだが難しい割りに面白くない。(10度の跳躍はリコーダーよりフルートの方がずっと易しいし、楽しい)

シンフォニアのフルートデュエットシリーズにはモーツァルトのK.292(292ってのは例のFg、Vcのデュエットだ)、12の小デュエット(ってのはなんだろう?)ムレ、ドゥヴィエンヌ、オーベール、コレット、モンテクレール、などのあまり知られてない作曲家のデュエットが並んでいる。吹いてみたくなった。




クヴァンツ Quantz,Johann joachimv
フルートのための6つのデュエットから 作品5-6
 楽譜はシンフォニア(デュエットシリーズ2)
Adagio Allegro Adagio Rigodon(I,II)の4楽章。
 アダージョと言ってもなんかあんまり感じがでない。どうしてもアンダンティーノくらいで吹いてしまう。2楽章アレグロはジーグ?リゴードン、同じ事を何回もやらされて、今どこだかわからなくなってしまう。(^^;)リゴードン2は下が分散和音をたくさん吹かされて、難しい。大王のソルフェージュ?




クヴァンツ Quantz,Johann joachim
トリオソナタ(フルートとリコーダー)ハ長調
  有田正広が、クヴァンツを録音しようと思ってありったけの楽譜を吹いてみたけど、良い曲がない。しょうがないから、彼の作品と思われる
フリードリッヒ大王の「ソルフェージュ」にした、と言うようなことを書いていて、印象的だった。僕はこのトリオソナタは傑作だと思う。メロディーが美しいし、トラベルソとリコーダーの個性も生かしてるし、バランスが良い。トラベルソとリコーダーの曲としては、この曲とテレマンのカルテットと、ドッペルコンチェルトしかない。
 1楽章、メロディーが美しい。2楽章、この八分音符の息の長いというか、息の続かないパッセージ。でも不可能じゃないし、機械的な音の連続の中に含まれる印象的なメロディー、キレイだなと思う。3楽章も綺麗だ。4楽章はヴィヴァーチェなんだからあまり速すぎず。でも3/8だし、多少速くても良いのかな。
 楽譜はHortus Musicus 60







クウェンタン、ベルティ Quentin,B
ソナタ ニ短調 Op.1-2
 黄色い表紙のゼンオンリコーダーピースの113として、でていた。今は手に入らないかな。ベーレンライーターでも見つけられなかった。オランダのsaulbgroenでは、ヴァイオリンソナタとして1-10その他が手にはいるようだが、、、
 その後IMSLPにこの曲をトランペットと弦楽のため(!)に編曲したものが登録されている。
 Allemanda がふたつ(Andante,Allegro(!)),Corrente,Sarabanda,Gigaの5楽章。難易度3?Correnteが少し難しいかな。あまり面白くない。(と思ったのだが、別の機会に吹いた時はなかなか楽しめた)(2014Feb.)

















ローゼンヘック 、 アラン Allan ROSENHECK
バナナ組曲
  リコーダーアンサンブルのオリジナル曲で、その筋では有名曲らしい。オリジナル曲が生まれ、楽しまれているのはすばらしいことだと思う。
1. Havin'Fun
2. A kind of Waltz
3. Puppet Show
4. Fried'olin
5. Bananas の5曲。様々なリズム、変拍子も含まれ、飽きさせない工夫がされしている。
(2020 Feb.)







サンマルティーニ Sammartini Giuseppe 1695〜1750
ソプラノリコーダーと弦楽のための協奏曲ヘ長調
 難易度4〜5。ブリュッヘンの名演がある曲。やはり協奏曲となると難しい。易しくて聴きばえのする協奏曲ないかなあ。ヴィヴァルディもとても難しいし。楽譜はショットでピアノ伴奏譜も弦楽版もでている。



サンマルティーニ Sammartini Giuseppe
リコーダーソナタ
 協奏曲だけが有名なサンマルティーニはリコーダーやトラベルソのソナタもたくさん書いているらしい。僕のもっているのはPlatt(編?)の6つのソナタ、Faber Music Limited。

第1番ト短調
 前に5番あたりを書いたときは、全然面白くないなあ、と思ったのだけれど、今回は楽しく吹けた。有名なリコーダー協奏曲のようなパセージなんかもあったりして、うれしかった。でも速い楽章の16分音符は難しい。練習しないと吹けないけれど、意欲がわかないなあ。難易度3〜4か。








第2番ヘ短調
 2番はヘ短調なのだが、そんなに難しくなく、また、暗く重いわけでもなくお気楽に楽しめた。難易度3〜4か。









第3番変ロ長調
 むかし、5番6番のことを書いた時は、全然面白くなくて、最近1番、2番と吹いたら面白くて、もしかしたら、感覚が変わってきてるのかなあ、やっぱり自分の感じたこと、書いてることも全然アテにならない、と思った。ところが、3番の2,3楽章はまた、全然面白くない。どうなってるの?サンマルティーニ、、、
 でも1楽章は面白かった。時々こういうパターンがあるが、最初の3小節は退屈で、なんだこりゃと速く吹き始めると、ごちゃごちゃしてきてなかなか面白い。最初の3小節を意味あるように、物言わないといけないんだな。









第5番ヘ長調
難易度3。全然面白くない。1楽章が一番ましか、根拠は何もないがメロディーがイタ リア的な感じがする。

第6番 ト長調
 難易度4。なかなか難しいが、おもしろい。Allegro Andante (Minuet con variazioni) 1楽章は12/8なのでジーグのようだ。途中に広い分散和音のフレーズがあって例の協奏曲を思い出す。2楽章はト短調なのだが、fisがたくさん使われていて(和声的短音階と言うやつですね)まるでアラビア音楽のようでとてもおもしろい。メヌエットの変奏はよくある、だんだん難しくなるタイプ。テンポをはやめに取って始めてしまうとえらいことになる。









シックハルト Schickhardt
 シックハルトのことは、たしか今はなき「季刊リコーダー」に作品目録かなんかが載ったことがあって、初めて知った。シルクハットって変な名前だなあと思ったのだが、帽子ではなくてシックハルトなのだった。その後かな、24の調の曲集を見かけて、うーんフラットが5個とか、吹けないよなあ、でも一冊くらい買ってみるか、と思って買ったりしているうちに何冊かたまった。今は実家にあって全然(最初から)吹いてない。シャープやフラットがたくさんあっても、ゆっくりな楽章だったりすると案外楽しめる、速いのはやっぱりダメだ、と言う印象だったような気がする。
 「リコーダーの原理」はごく最近知った。
 どちらも
リコーダーJPのサイトにくわしい。それにしてもリコーダーJPの、リコーダーというか、アマチュアの音楽に対する姿勢とか、とても共感する。(ぜひ見てください)



リコーダーと通奏低音のためのソナタ 作品1
シックハルトの作品1はフルートソナタ(リコーダー、通奏低音付き)7曲。7曲ってのがめずらしいなあ。

第2番 ニ短調 Op.1-2
Adagio , Grave , Allemande Allego , Un poco Presto , Vivace , Giga Allegro
Adagio とGrave が続いているのはおもしろいが、Adagio はぐちゃぐちゃ装飾をつけ Grave の方はアーノンクールが言うように装飾をつけないで、荘重にやるべきなのかもしれない。Un poco Presto と Vivace も3拍子が続いていておもしろいが、前者はそうは言っても白玉の3/2だからそれほど速くなく、後者はメヌエットだと思う。ジガが難しく、おもしろかった。








シックハルト 、 ヨハン・クリスティアン Johann Christian Schickhardt (ca.1682 - 1762)
音楽のアルファベット(24の調のソナタ集)作品30

 音楽のアルファベット作品30は24の調のソナタ集で知られている。フルートまたはヴァイオリンのため、あるいはリコーダーでも吹けるようになっている。リコーダーでもというより、1番がリコーダーならハ長調なんだからもともとリコーダーを想定しているのだと思う。そして、楽譜を売るためにもちろんVnでも弾けるだろうし、フルートでも。
 リコーダー奏者にとっては割と有名だと思うのだけれど、フルートあるいはトラベルソにとってはどうなんだろう?リコーダーはどんな調でも割と吹けるが、トラベルソにとってフラット5つとか、相当無理そうな気がする。ヴァイオリンには他にいーーっぱい楽しむ、あるいは練習する曲があるんだからこんな曲を弾かなくても良いんだろう。
 リコーダー奏者にとってもそうかもしれないが、どうも大人になってリコーダーでバロックを楽しむなんてのは相当オタクらしく、だから男の子なので、カタログ的、コレクター的に吹いてみたくなるのではないか。ぼくもこの年になっても相当オトコノコなのだ(^^;)。
 24の調となっているが、見てのとおりすべての調はリコーダーだけでも二つの調で吹けるようになっている。(ハ長調と嬰ハ長調のように。)だから楽しもうと思えば24の調×2で、できるのだ。(実際は、記譜の関係でいろいろ工夫していて規則?通りではない。)
 リコーダーはフレンチGクレフなので得意なはずだが、通奏低音も同じ楽譜を、ヘ音記号をずらして読むのだ。読めない。まえに書いたけれどクープランにもヘ音記号が1個(3度)ずらして記譜しているのがある。当時の通奏低音奏者は普通にできたのだろうか?すごいなあ。(2021Feb.)








シックハルト Schickhardt
4つのリコーダーと通奏低音のための協奏曲 作品19
 シックハルトの作品19は4つのフルート(というのはこの場合当然リコーダー(アルト))と通奏低音のための協奏曲集で、リコーダーと通奏低音だけなので「協奏曲」でなく、合奏曲とか、コンセール、というべきだと思う。定番の6曲セットだ。IMSLPに美しいマニュスクリプトがあるので、それを使うのが良い。全音リコーダーピースで復刊していて、通奏低音のリアリゼイションが必要ならこれを使えばいいと思う。やっぱり当然、低音は必要だと思うなあ。









シックハルト Schickhardt
オーボエソナタ 作品2(をリコーダーで)
 シックハルトの作品2はオーボエソナタなのだが、これがちょっと面白い。オーボエソナタなので、リコーダーでも吹ける。c管(ソプラノかテナー)で吹いても良いし、アルトをc管の運指で吹いても良い。曲は、コレッリのヴァイオリンソナタ(室内ソナタの方)のミニチュア版のようなのだ。小さな舞曲の続いている組曲なのだが、1曲ずつはそれこそあっという間に終わってしまう。欲求不満とも言えるが、気楽で良い、と言う気もする。退屈な、長い曲よりよっぽど良い、とも思う。コレッリのヴァイオリンソナタの方はリコーダー用に編曲された物が出版されているが、難しいし、名曲だけにがんばって練習してもどうしてもヴァイオリンソナタのイメージ通り吹けてなくて、自己嫌悪におちいってしまう。コレッリを聞いたりして、吹きたいなあと思ったら、シックハルトを吹こうと思う。プロの名演がないぶん、上手く吹ければ気持ちがいいし、吹けなければ曲のせいにできる。









シックハルト Schickhardt
オーボエソナタ 作品8(をリコーダーで)
 シックハルトの作品8オーボエソナタは当然、c管だと思えばリコーダーで吹ける。オーボエはきっと音域が狭かったんだろうなあ、狭い範囲で作曲されているようだ。何曲かアルトをc管の指で、それから、僕はチェロピッコロはオーボエなのだ、音にしてみたが、まったく問題ないのだが、残念あまりおもしろくなかった。作品2はとてもおもしろいのだがなあ。








シックハルト Schickhardt
ソナタ ニ短調 作品17-2

 かつての全音リコーダーピースのR-63で出ているのが、シックハルトのソナタニ短調作品17-2 で、もう、ずいぶん昔に買ったものだ。もう、 手に入らないかと思っていたが、最近全音リコーダーピースが復刊しているのだ。そのうち手に入るようになるかもしれない。
 もともと例の
ウォルシュ Walshが1730年頃出版したもの。Adagio , Allemanda ,Vivace , Largo e Affettuoso ,Allegro の5楽章。1楽章もアルマンドみたいな、アウフタクト付きの16分音符が順次進行する曲。Allemanda はちょっと変わっている。最初4小節に渡って16分音符が続いていて息ができない。途中、32分音符の入っているフレーズがしつこい。Vivaceは書いてないけどメヌエット。繰り返し、最後のすぐ手前に定型のヘミオラがある。つぎの Largo e Affettuoso はシチリアーノだと思うんだけど。ちょっと長いな。最後のアレグロはマルチェッロか あるいはレイエのようだ。
 全体に安心して吹ける、ちょっと難しいが、良い曲だと思う。








スザート、ティールマン Susato,Tielman
ダンスリー
 2011年、復刊された季刊リコーダーに、ダンスリーが(また)取り上げられて、なつかしくなってしまった。
 リコーダーコンソートをやろうとすると、まずダンスリーだろうなあと思う。でも季刊リコーダーによるとアルト、テナー×2、バスでやるのが良いものが多いようだ。
 このギースベルトにはいろいろな組み合わせの提案がしてある。
 またリコーダーコンソートもやってみたいなあ。そうそう、ダンスリーをやるなら、ぜひ太鼓を入れたい。










多田逸郎編
アルト・リコーダーと鍵盤楽器のためのバロック名曲選[改定版]
   僕が持っているのは改訂前の 「アルト・リコーダーと鍵盤楽器のためのバロック小品25曲選」多田逸郎 編
 というもので、今は改訂されて、「バロック名曲選」となっているようだ。収録曲目もずいぶん変わっているようだ。全音のHPに詳しい収録曲目がある。
 どうもこの曲集は面白くなくて、あんまり吹かない。吹くのは
恋のウグイスだけだ。曲目が変わって面白くなったかな?






田中吉徳 (編)
  クラス授業のための リコーダー重奏曲集
  なにしろあらゆるものがいいかげんな管理なので、持っているあれこれがどこになるのかちっともわかりゃあしない(^^;)のだが、めずらしく上中下3冊そろって本棚に並んでいる。調べたら今も現役らしく、すばらしい。改訂されているらしく、収録曲が少し違っているのか、曲名とか出自がはっきりしたものをちゃんと書いてあるとかしているらしい。2重奏から4重奏までいろいろあって、たしかにこども向けの選曲も多いが、でも、これを小学校とかでやっているのだったら、すばらしいなあ。
 コロナが収束したらまたアンサンブルでやろうと思っているのだが、いつのことやら。ソプラノとアルトのアンサンブルはテナー、バス、でやりたいのがたくさんある。40年前と違って、バスを持つ人がたくさんいる。世の中豊かになったのかもしれない。(2021Mar.)











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タルティーニ、ジュゼッペ Tartini, Giuseppe

アンダンテ カンタービレ
 かつての全音リコーダーピース 115 で 2018 3月現在まだ復刊してない。
 アンダンテ カンタービレの名で、この楽章だけ取り上げられることが多いらしく、多分もちろんヴァイオリンのアンコールピースとして、その後いろいろな旋律楽器で演奏されてきたのだろう。YouTubeでは、オーボエの演奏が美しかった。こんなこと書いたら怒られるかもしれないが、内容が濃くないのでオーボエ系の音の方が美しく感じられるのだと思う。笛で吹いてもちょっと欲求不満だが、まあ、美しい。前半の繰り返しはぜひとも装飾をつけたいものだ。全音リコーダーピースはひどいもんで、ヴァイオリンの楽譜のままアップダウンの記号がついたままだ。手抜き。
 アンダンテカンタービレと書いてあるが、実はヴァイオリンソナタの一部でAndanteとしか書いてないらしい。ソナタト長調B.G19(この作品番号というか分類番号のことも何も知らない)。
IMSLPにもこの楽章だけ登録されている。








テレマン 、 ゲオルク・フィリップ  Telemann , Georg Philipp
テレマン 無伴奏フルートのためのファンタジー (リコーダーのレパートリー)

 もう随分昔、ブリュッヘンが録音したので有名だが、無伴奏フルート(トラベルソ)のためのファンタジーは三度上げれば、リコーダーで吹ける。短三度上げればたいてい吹けるが、何曲かは四度上げるというか、ソプラノあるいは他のリコーダーをソプラノだと思って吹いた方が吹きやすいのもある。
 個人的には第3番が一番好き。
 ブリュッヘンはリコーダー奏者には良いかも知れないけれど、やはり、有田かクイケンが楽譜に忠実でしかもファンタジーにあふれていて美しいと思う。ホリガーがモダンオーボエで吹いてるのはあまりにも教科書的というか、硬直でつまらない。フェアブリュッヘンがヴォイスフルートで吹いているのがあるそうだが、不勉強で、今だ聞いたことがない。






 第6番
 実はついさっきまで、ずーっとこの曲(6番の3楽章Spituoso)は6/4だとばっかり思っていた。しかも、4分音符3つ×2拍の2拍子で、しょっちゅう4分音符2つ×3拍とが入れ替わる、面白い曲だなあ、ちょっと(フランスバロックの)クーラントのようだ、と思い込んでいた。最初の1小節が2拍子に見えない?3/2だと知って、確かにそうかもしれないが、やっぱり、2拍子と3拍子が交錯していると感じるし、やはりクーラントだと考えて良いんじゃないか。
 リコーダーで吹くが、短三度上げるとフラット4つになってしまう。吹けるが、4度上げて、つまりテナーだと思って吹く、あるいは実際テナーで吹いても良いと思う。
 2012年12月


 第7番 ニ長調→ヘ長調
 7番はシャープ2個なのでリコーダーに三度上げるとフラット1つで、やりやすい。が、ひさしぶりにやってみて三度あげが下手くそになっている。たまには練習しないとなあ。トラベルソならやさしいと思えるオクターブを超える跳躍はリコーダーでは難しいなあ。今日は最低音もうまく出なくて下手くそだった。くそ。
 フランス風序曲とプレストの2楽章。2楽章のアウフタクトはスラーをかけてできるだけ全体としてプレストにすべきだと思う。
2019年11月 








テレマン 、 ゲオルク・フィリップ  Telemann , Georg Philipp (1681-1767)
 リコーダー奏者にとって、テレマンと言えばブリュッヘンの名盤、テレマンのソナタ集。今はなき?全音の黄色い表紙のリコーダーピースに4つのソナタがあった。今はどこの出版社から出ているのだろう?(ベーレンライターHortus Musicus Nr.6 で出ているようだ。)
 この4つのソナタはもともと「忠実な音楽の師」に収められている。オリジナルは売り上げを考えてリコーダーでも吹けるようになっているが、ファゴットや弦でも演奏できるし、そちらの方が作曲者の念頭にあった楽器かも知れない。でもリコーダーらしい良い曲だ。さすがテレマン。
 4つのソナタはブリュッヘンの名盤はあるが、全体にヘンデルに比べて、録音がずっと少ないのはなぜだろう。あとはカメラータケルンの「忠実な音楽の師」全曲があるが、f-mollなどはファゴット、B(フラット)は弦の演奏だ。


テレマン 、 ゲオルク・フィリップ  Telemann , Georg Philipp (1681-1767)
リコーダーソナタ 4つのソナタ(忠実な音楽の師)から第1番 ヘ長調 TWV41:F2
 ずいぶん昔、大学の頃ほとんど最初に練習したリコーダーソナタなので、ちょっと思い入れがある。難易度3〜4
 CDの解説などにイタリア的と書いてあるが、要するに急緩急の3楽章だと言うことだ。そんなのたくさんあるじゃん、と思ったが案外少ない。バロック時代の標準はやはり急緩急緩の教会ソナタ(あるいは舞曲組曲=室内ソナタ)なのだと、実感した。
 3楽章(ジーグ)の終わりから2小節目にc''''(4点c)がある。014で出るが、下のc0123で十分美しいと思う。
 こちらは
2楽章の装飾一案



テレマン 、 ゲオルク・フィリップ  Telemann , Georg Philipp (1681-1767)
リコーダーソナタ 変ロ長調 有名な?4つのソナタの2番目 TWV41:B3
 リコーダーで吹かれることが多く、録音ではヴィオラの演奏が多いように思うが、実際は忠実な音楽の師のなかにイ長調で、トラベルソとガンバのためのデュエット、または変ロ長調にしてヴィオラと通奏低音のためのデュエットとして収められている。さらにはリコーダーでは下のパート!をオクターブ、または2オクターブ上げて吹けるように記譜してある。
 だから、多くの現代譜面は上のパートをリコーダーで、下のパートを通奏低音にしているが、それはまったくテレマンの指示ではない。
 ぼくもその、上下入れ替えた形でやったことはない。やってみたい。さらに言うと一番最初に書いてあるトラベルソ版はイ長調なのだ。バロックの定石で三度上げてハ長調でもやれるはず(実際吹ける。あわせたわけではない。)で、楽譜を書き直すならそうすべきではないか。
 もっともそもそも、テレマンの印刷は楽譜の売り上げ、あるいは読者の便宜を考えていろいろな楽器でできるように作曲し、印刷は紙を節約するための、すばらしいパズル的な記譜なのだ。旋律楽器ならなんでもいいとテレマンは思っていたと思う。リコーダーデュエットで(オクターブ上下ではなく)同度でやってもきれいなのじゃあないか。  すべてカノンになっている。難易度4。
 Largo,Allegro,Largo,Vivaceの4楽章。バロック時代のラルゴはそんなにゆっくりしない。アンダンテの少し遅いのがラルゴ。一方ヴィヴァーチェはあまり速くない。アンダンテとアレグロの中間くらい。テレマンって、とても叙情的なアダージョとか、狂気の疾走とか、ないのね。でもメリハリがないわけじゃないし、抑制がきいたメリハリはあって、これが人気の秘密かな。  二楽章の後半はesのからんだ運指で、とてももつれる。でも替え指は使いたくない。





テレマン 、 ゲオルク・フィリップ  Telemann , Georg Philipp (1681-1767)
リコーダーソナタ ヘ短調 有名な?4つのソナタの3番目 TWV41:f1
「忠実な音楽の師」にファゴットソナタとして収録されているが、indexにはリコーダーのソロとしても載っている。この、indexは隔週刊だった「忠実な音楽の師」をまとめたときにつけたのだろうか?
 どうも当時あるいはテレマンが、リコーダーとファゴットは同じようなもんだ、と思っていたらしく、この曲以外にも、これも有名なトラベルソ2本、リコーダー、通奏低音の4重奏曲(ターフェルムジーク第2集)のリコーダーもファゴットでもと書いてある。
 へ短調なのでとても難しい。難易度4〜5、つまり、多分僕は一生人前では吹けないだろう、と言うくらい難しい。でも、うまい人はたくさんいるもので、アマチュアが鮮やかに吹くのを何回か聴いた。
 asはgisより高いはずで、0123456(半開)の方がよいがb(フラット)asの連続だと難しく、23456を多用してしまう。その後、バロック時代のフィンガリングは、ドイツ式ともイギリス式(いわゆるバロック式)とも違うと言うことを知ったのだが、それでは上のb(フラット)は012346ではなく6は半開だというのだ。そうするとb-asは5だけ動かせばできるので簡単じゃないか。今のイギリス式の楽器でやっても意味はない、と思ったが、いや、実は実際やってみるとそんなに悪くない。というのはb(フラット)はフラットだから相当高くて良いのだ。
 4楽章vivaceはバロックのvivaceなんだからアレグロより遅くなければいけない。(速くてももちろん美しいが)速めのメヌエットくらいで奏すべきだ。




テレマン 、 ゲオルク・フィリップ  Telemann , Georg Philipp (1681-1767)
リコーダーソナタ ハ長調 TWV41:C2 有名な?4つのソナタの4番目
 難易度4 これは傑作だと思う。1、3楽章が美しい。2楽章 Allegro こういうのはトッカータ風というのか、走る回るアレグロ。後半の3小節目、 dis-e-fis-e のfisは指使い0かな。3楽章 Grave 途中長いスラーはけっして走らないこと。gisの指使いは本来23456であって、0すきま123456半分ではないが、この場合多くのgisはイ短調の主音の導音なので高いほうが自然で後者の指のほうがよいと思う。4楽章Vivace はやはりバロックのvivaceでAllegroより遅い。それにしても、とても高い音を含む幅広い跳躍。親指の練習。




テレマン 、 ゲオルク・フィリップ  Telemann , Georg Philipp (1681-1767)
デュエット(忠実な音楽の師)ト長調 (フルートまたはオーボエまたはヴァイオリン、とヴァイオリン)
 忠実な音楽の師の20課。トラベルソとヴァイオリンがもっとも良い編成だろう。例の短三度上げをしても下のパートがリコーダーの音域を越えてしまっている。そうかと言って、チェロでもできない。へ音記号読みするとヴァイオリンの最低音はHになってしまって、チェロでもでない。結局ヴォイスフルートで吹くしかないか、、、と言うわけでこの「リコーダーのレパートリー」にはふさわしくないのかもしれない。Dolce,Scherzando,Largo e misurato,Vivace e staccatoの4楽章。下のパート(ヴァイオリン)は対位法的な2楽章の他はいかにも伴奏で、アルペジオが多い、やわらかいスタッカートで。割と 易しく、気楽にできる曲かな。難易度2〜3?。







テレマン 、 ゲオルク・フィリップ  Telemann , Georg Philipp (1681-1767)
リコーダーソナタ ニ短調 TWV41:d4
 ブリュッヘンのリコーダーソナタ集に4つのソナタ以外に入れてある、2つのうちの一つ。音楽の練習帳(Essercizii Musici)に含まれている。難易度4 Affettuoso Presto Grave Allegro の4楽章。1楽章Affettuosoには珍しくp、ppなどの指示がある。d、cは左手人差し指を少し開ける。gは書え指34、3を使うのが普通だろうか。4楽章は書いてないがジーグ。とても高い音域のコントロールが難しい。






テレマン 、 ゲオルク・フィリップ  Telemann , Georg Philipp(1681-1767)
リコーダーソナタ ハ長調
   ブリュッヘンのリコーダーソナタ集に4つのソナタ以外に入れてある、2つのうちの一つ。音楽の練習帳(Essercizii Musici)に含まれている。難易度4。Adagio-Allgro Larghetto Vivace と言う3楽章。要するに、緩急緩急の最初の緩急がくっついたもの。二楽章のLafghetto はフラット4つ!これはどういうこと?へ短調のよううなのだが、C-durから遠すぎる。最初と最後の音はC-durの和音。4楽章、トリルが連続していて難しいが、なめらかに美しくできないならただのターンにしたほうがよほど良い。



テレマン 、 ゲオルク・フィリップ  Telemann , Georg Philipp (1681-1767)
リコーダーソナタ ヘ短調 SCHOTT OFB(Original Music for the Recorder)1037
 ショットから忠実な音楽の師のものとは別のヘ短調のリコーダーソナタがでている。「Original Music for the Recorder」というくらいだからテレマンのオリジナルだと思うのだが、ひどい楽譜でひとことの解説もない。録音もされてるのかどうか知らない。前に書いたテレマンのリコーダーソナタ全集に、7つ目のソナタとして収録されていたようなので、出自は正しいのだろう。
 忠実な音楽の師のヘ短調に比べると、難しくなく難易度3〜4。これはヘ短調と書いてあるが、実際はfのドリア旋法で書いてあり、フラット3個だと言うこともある。バロック時代はまだドリア旋法が主流らしく、すぐ思いつくのはリコーダー奏者にもなじみの深いバッハの無伴奏チェロ組曲だ。そこではメヌエットやブーレーの2で短調になるときに必ずドリア旋法の記譜だ。もっともバッハの場合、だいぶ近代和声に近づいているらしく、3つ目のフラット(へ短調なら4つ目のレにつくやつだし、ト短調なら2つ目のミにつくフラットのこと)を臨時記号でずいぶん付けている。無伴奏チェロ組曲の1番の場合など臨時記号でフラットにしないほうが例外で、一つを除いてすべてのミがフラットだ。テレマンのこの曲は、まだ完全にドリア旋法で書いてある感じで、レについているフラットはそんなに頻繁ではない。忠実な音楽の師の方はフラット4つなので、こちらは若書きなのかもしれないが、よくわからない。
 若干易しいと書いたが、内容もこちらのほうが薄いような気がする。テレマンにしてはつまらないが、まあまあ楽しめる。 Adagio Allegro Adagio Gigue の4楽章。1楽章はアダージョだがアラブラーベ(Cに縦線)で書いてあるので、速めのテンポだろうか?でもアンダンテにならないように。昔よく「歩くな(アンダンテになるな)」と言われました。2楽章のアレグロは、後半以降の16分音符の連続がもつれないテンポを考えて、速すぎるテンポで始めないように。3楽章アダージョ、8、9小節、18〜21小節はヘミオラ?お決まりの最後の26、27小節も。4楽章ジーグはお決まりの6/8だが、8分音符3個にスラーのかかっているのと、付点8分16分8分という(タッタタ)部分の対比がまあ面白い。通奏低音が付点四分音符の動きで終始していて、つまらないのだが、書いてあるのではなく、即興で掛け合ってくれることを通奏低音奏者に期待しよう。



テレマン 、 ゲオルク・フィリップ  Telemann , Georg Philipp (1681-1767)
 8曲目のリコーダーソナタ?
 エドガー・ハントの「リコーダーとその音楽」日本ショットによると、テレマンのリコーダーソナタは全部で8曲知られている、とのことだ。8曲目のソナタは「カール・ドルメッチの「リコーダー教材III(Schoool Recorder Book III)」に掲載されている」とだけ書いてあって(p.96)出典などがないので全然わけがわからない。出版もされてないのではないだろうか?どなたか、このドルメッチの教材をご覧になっている方があったら教えてください。



テレマン 、 ゲオルク・フィリップ  Telemann , Georg Philipp (1681-1767)
リコーダーソナタ
 AMADEUS BP490 としてテレマンのリコーダーと通奏低音のためのソナタが2曲出版されている。1731/32にハンブルクでテレマン自身が掘った楽譜が出版されたものだそうだ。6曲セットのソロソナタで2曲目と5曲目がリコーダーまたはファゴット(また、リコーダーまたはファゴット!)のソナタである。バスの楽譜は失われているそうで、Winfried Michelが補ったものらしい。

第2番 c-moll 
 c-mollだがフラット2つで書いてある。 Largo Allegoro Dolce(分散和音) Vivace(ターフェルムジーク) の4楽章。難易度4。
 ちゃんと伴奏してもらって吹いたことがないので、何とも言えないのだが、バスだけ録音して自作カラオケしてみた。良く書いて(補完して)あるような気もするし、物足りないような気もするし、、、、対位法的に、あるいは模倣的に書いてあったりして、さすがと感じたり、9小節からのように、b(フラット) 7ナチュラルb ナチュラル 6に斜線6 6 9 8 6に斜線 65 とほとんどすべての8分音符、16分音符に数字が書いてあったりすると、テレマンの通奏低音はもっとおおらかなのではないか、と思ったりもする。
 3楽章、ドルチェ。16分音符の分散和音を練習曲でなく、いかに音楽的に聞かせるか、と言う曲。さまざまなアーティキレーション、テンポを揺らす、などいろいろな工夫が必要。そう考えると、楽しくもあり、難しくもある。
 4楽章、ヴィヴァーチェ。この曲はターフェルムジークの1集、フルートソロの2楽章に似ているような気がして、楽譜を見たのだが、勘違いかもしれない。いかにもテレマンと言う感じの楽しい曲だ。ヴィヴァーチェだから、急ぐことはないと思うけれど、歯切れ良く。跳躍している16分音符が難しい。


第5番 a-moll
 臨時記号?無し(つまり、ドリア旋法ではない) Andante Allegro Andante Presto 緩除楽章がCdurのリコーダーソナタのようで、おおらかでメロディック、美しい。Prestoはリコーダーとトラベルソのドッペルコンチェルトの終楽章のようでこれも楽しく美しい。










テレマン 、 ゲオルク・フィリップ  Telemann , Georg Philipp (1681-1767)
小室内楽曲集
 この曲集の記事をまだ書いてなかったことに驚いている。もうずいぶん昔、たぶん40年も前に旧全音リコーダーピースで購入したものだ。
 そして、そんな昔に買ったのに、ちゃんと合わせたことはほとんどないと思う。
 もともとはオーボエ(またはヴァイオリン、トラベルソ)と通奏低音のものとして出版されているらしい。全音リコーダーピースはソプラノと書いてあって、もちろんc菅の方が吹きやすいのだろう。オーボエが音域が狭かったのだろう、そのままアルトで吹ける曲も多いようだ。
 曲集全体として、個人的にはちょっと奇妙な展開と感じる所が随所にあり、とてもおもしろく(メロディーだけだが)楽しんでいる。リコーダーだけでなく、ト長調、ホ短調は僕のトラベルソでも充分楽しめるし、チェロピッコロでも楽しんでいる。テレマンは本当にアマチュアにとっての神だ。(2020 Oct. 04)










テレマン 、 ゲオルク・フィリップ  Telemann , Georg Philipp (1681-1767)
小室内楽曲集 
第1番 変ロ長調 TWV 41:B1
 1番は変ロ長調 Con affetto , Presto , Dolce , Vivace , Largo , Aria , Allegroの7曲


 つい、奇妙な展開なんて書いたけれど、シンコペイションを多用していたり、3/8なのに2連符が指定してあったりリズムが工夫してあると言うことか。(3/8なのに2連符なんてバロックでは初めて見る気がする。)楽しめる。
 全音=ベーレンライターの楽譜は拍をまたがるスラーを現代譜のようでなく付点音符書いてあって、ちょっと戸惑うがすぐなれる。
 2曲目の5小節目から6小節目にかけて点を書き忘れたのだろう。それをIMSLPに登録されている楽譜では手書きで書き足してあって汚い。3曲目は飽きてしまったのか、同じような所があるのに書き足してない。
 IMSLPのマニュスクリプトは第2版が登録されている。それはさっき書いたような付点音符で書くようなことはしてない。もしかしたらベーレンライターの方はどこにあるのか、初版をもとにしているのかもしれない。


 IMSLPに書いてある速度記号がベーレンライター(初版?)ともマニュスクリプト(2版)とも違うのだが、どういうわけだろう?










テレマン 、 ゲオルク・フィリップ  Telemann , Georg Philipp (1681-1767)
小室内楽曲集 
第2番 ト長調 TWV 41:G2
 Siciliano , Allegro , Allegro , Allegro , Affettuoso , Presto , Tempo di Minuetto の7楽章
 シチリアーノの魅力なのか、最初の楽章が単純なのに美しくてねえ。その後もどれも単純で美しいと思う。ベーレンライター、 Affettuoso に、fじゃなくてaじゃないかと音のが間違っているかのように書いてあるが、根拠薄弱と思う。
 メヌエットは意外に難しいが、これもとても良い。










テレマン 、 ゲオルク・フィリップ  Telemann , Georg Philipp (1681-1767)
小室内楽曲集 
第3番 ハ短調 TWV 41:c1
 Adagio , Presto . Vivace , Vivace , Allegro , Vivace , Presto の7楽章というか7曲と言うべきかもしれないなあ。こうして速度の指定を書いてもなんにも表してない。どれもやさしくキレイ。ハ短調の難しさ。










テレマン 、 ゲオルク・フィリップ  Telemann , Georg Philipp (1681-1767)
フルート二重奏作品2(通奏低音無し)TWV40:101-106
 リコーダー奏者にとって、これ位たくさん吹く曲はないのではないか?ソロソナタも通奏低音を弾いてくれる相手そんなに多くないだろうし。
曲が適度に難しく(難易度3〜4)、その割に音楽は自然で、まあ、楽譜通りに吹けばなんとか曲になるのが良い。そこへいくと、フランス物や、イタリア物は楽譜に書いてないニュアンスが難しくて、、、、
 非常にうまくいけば「たった2本の笛なのに、一瞬まるで3本以上に、またある一瞬まるで1本の笛のように」聞こえるはず。
 楽譜はリコーダー奏者はみんなもってるはずだが、僕は FRIEDRICH HOFMEISTER,MUSIKVERLAG,HOFHEIM AM TAUNUS FH 2998/2999 の方。(横長の奴ね。この、横長の楽譜がかっこいいと思ったものでした。)もう一種手に入りやすいのがあるはず。しかし、今から買うのなら、全音から出ているベーレンライター原典版が良い。(もちろん、ファクシミリにしろとおっしゃる方も多いでしょうが、、、)青い表紙のフルート(またはヴァイオリン)用だが、手に入りやすく、安い。短3度上げて吹く練習にもなるし。難点は譜めくりを考えてないことだが、この曲はみんな持つべきものだ。相手と2冊を並べて6、7ページと8、9ページと言うように、同時に見れば良い。
 当時も人気の曲集だったらしく、曲順を入れ替えたりして、何度も再版されているらしい。ベーレンライターと僕の持ってる FRIEDRICH HOFMEISTER では曲順が違うが、FRIEDRICH HOFMEISTERに従うことにする。



テレマン 、 ゲオルク・フィリップ  Telemann , Georg Philipp (1681-1767)
フルートデュエット作品2 1番ニ長調
(リコーダーではヘ長調 
ウォルシュ Walsh=ベーレンライター版では3番)

 一番最初、Dolceの冒頭、ドレミファソーラシド、ド、というのが、何だよただの音階じゃん。こんなの俺でも書けるぞって、そんなこともないんだけれど、あまり面白くない、と思っていたのだけれど、改めて吹いてみると、なかなか良いなあ。2本の絡みが実に美しい。緩急緩急なんだから、最初はゆっくりめ、と思わないと速くなってしまう。
 2楽章Allegoro。最初いい気になって速く始めると8小節目からもつれてしまう。ド、ドレミファソラシドと最初のドはフレーズの終わり、次のドはフレーズの始まりなんだから、ちょっと間というか、あっても良い。FRIEDRICH HOFMEISTERでは譜めくりが忙しいが、どうにかなる。
 3楽章Largo。最初は下が通奏低音で上がメロディーか。この通奏低音とメロディーの関係が入れ替わりつつ進んでいく。2小節目の伸ばしはメッサディヴォーチェとヴィブラート。この曲はヘミオラの所も含め1,231,23と小節の2拍めから次の小節の1拍めまでがかたまりになっている、と思うのだが。だから、例えば3小節目の伸ばしの次のh(リコーダー版でc#)はアウフタクトのニュアンスがあると思う。
 3楽章Vivace。VivaceはAllegroより遅く!(バロックの常識)。でも3/8だから、1小節1拍の感じもあるんでしょう。スラーがなめらかに出来るテンポで。



テレマン 、 ゲオルク・フィリップ  Telemann , Georg Philipp (1681-1767)
フルートデュエット作品2 第2番ト長調→変ロ長調(ウォルシュ=ベーレンライターでは1番)
 Soave(甘く、やさしく) Allegro Andante Allegro の4楽章。1楽章、時々出てくる32分音符が速くなり過ぎない(けっしてはねないように)ようなテンポ設定を。2楽章も、16分音符がもつれないようなテンポで、また、絶対に走らないよう。3楽章、最初の4小節はメロディーと伴奏(その主従交代)。5小節から追いかけっこ、7小節あたりの揺らめくあたり、きれいだなあ。4楽章。典型的なジーグのリズム。3小節め、アルペジオなんだが、3声(ベース、あるいはドローンの上に2声のメロディーが乗ってる)が感じられると良いと思う。ベースの音程をきちんと合わせて、響きを残すこと。(言うのは簡単だが、、、)後半出てくる縦棒はどういう意味なのかな?ほかの音符と違った長さなら、長くても短くても良い(二人で違うのはだめ)と思う。響きは残して。



テレマン 、 ゲオルク・フィリップ  Telemann , Georg Philipp (1681-1767)
フルートデュエット作品2 第4番ホ短調→ト短調(ウォルシュ=ベーレンライターでは2番)
 Largo Allegro Affettuoso Vivace の4楽章。1楽章、二人がずれているところと、合わせるところをうまく意識して。30小節は最初の一つだけ吹いた所で息をつぐべきだろう。でもセカンドの最初の音(g→b)はフレーズの最初の音も兼ねているのかな。ここら辺、和音は小節の区切りで変わっているし、フレーズをどう考えるか難しい。46小節の後もおなじ。最後の最後はユニゾンなので良くあわせて。このユニゾンが、かっこいいなあ。
 2楽章。16分音符を考えてテンポ設定を。もっとも、二人の考えがあっていれば、途中テンポが変わっていっても良いような気もしてきた。ただし、走るのではなく。また三連譜になったとたんにテンポが違ったりしてもだめだ。
  3楽章、Affettuosoだけれど、上のパートの最初は通奏低音のようにして、下が歌うんだろうね。6小節目の後半は当然逆。23小節からはよくある「ため息」のフレーズか。4楽章。ヴィヴァーチェなのでアレグロより遅く。16分音符が切れがあるものにしたい。二つの繰り返しの最後の部分、16分音符が、スラーの有無による違いもきれいにそろうとかっこいい。





テレマン 、 ゲオルク・フィリップ  Telemann , Georg Philipp (1681-1767)
フルートデュエット作品2 第6番ホ長調→ト長調(ウォルシュ=ベーレンライターでも6番)
  テレマンのデュオのカラオケ(リコーダーJP)をやっていなかったので、引っ張り出して来た。テレマンは楽しい。
 オリジナルはシャープ4つ(6個じゃない)なので短三度上げるとト長調でとても良い。Affettuoso,Presto,Soave,Spritosoの4楽章。リコーダーJPのカラオケは2楽章、途中でテンポを遅くしたり速くして、なんだか気に入らなかったのだが、いや、何回かやっているとこれも良いのかなあ。解説(とてもくわしく、親切)にもあるが面白い演出なのかもしれない。









テレマン 、 ゲオルク・フィリップ  Telemann , Georg Philipp (1681-1767)
「別の」フルートデュエット
 テレマンに有名なフルートデュエットとは別に6曲×2巻のフルートデュエットがあるのをご存じだろうか?有名なOp.2の方ではなくて、1752年出版されたらしい物で、知らなかった!楽譜はAMADEUSで6曲ずつ2巻出ている。BP781と782。また、ベーレンライターでも12曲中7曲抜粋で出版されている。no.4417。こういう半分くらいの抜粋というのは意味があるのかないのか、、、個人的にはせっかくだからつまらなくても、曲にならなくても、一度吹いてみたい、と思うけれど、どれもたいして変わらない、と思えば安くて充分楽しめる、と言う気もする。
 リコーダー奏者は「Op.2」をとても良く吹くが、こちらはあまり知られていないようだ。調性が難しくてやりにくいからかも知れない。例えば1巻はフラット系ばかりで2個2個3個4個2個最後がシャープ4個。リコーダー用に3度あげるとフラットが3個ずつ増える。難しい。
 音楽的にも、バロックから古典派にかけて変化しているように感じられる。ただ楽譜を音にしているだけでは曲にならない感じがする。




テレマン 、 ゲオルク・フィリップ  Telemann , Georg Philipp (1681-1767)
「さらに別の、新しい」フルートデュエット(9つのソナタ)TWV40:141-149
  テレマンのフルート二重奏曲が9曲もまとめて出ていると言うので,
ムラマツフルート まで行ってきて、 うれしく買ってきた。ベーレンライター 5888
 よく知られた作品2ではない、1752年の二つの曲集も初めて知ったときはびっくりしたが、今度もびっくりした。テレマンはまったく多作だ。
 村松のサイトにも書いてあるが,1752年ほどは難しくなく,アマチュアのレパートリーとして,お手頃だと思う。9曲すべてシャープ1個から3個におさまっている。(部分的にはフラットもある)早くあわせてみたい。









テレマン 、 ゲオルク・フィリップ  Telemann , Georg Philipp (1681-1767)
カノンソナタ

 ハイドンだったか、良いメロディーかどうかは無伴奏で歌ってみればわかる、というようなことを言ったそうだが、この、テレマンのカノンソナタは1人で練習していても美しい、すばらしい。

 例えばレクチャーコンサートとか、ファミリーコンサートみたいなので、このカノンソナタと、モーツァルトの「逆さまカノン」と、ダウランドのリュートソング(テーブルに楽譜を置いて、周りを囲んで歌うように、四方(三方だったかな?)から見えるように印刷してある)をやってみたい。楽譜を拡大コピーしてこんな風になってるんですよ、と紹介するのだ。



テレマン 、 ゲオルク・フィリップ  Telemann , Georg Philipp (1681-1767)
フルートソナタロ短調  ターフェルムジーク第1集に入っているフルートソロ
 テレマンのフルート(トラベルソ)ソナタも短三度上げてリコーダーで吹きたい。テレマンのフルート(トラベルソ)ソナタで一番有名なのはどれだろう?もしかして、これ?リコーダーソナタは4つのソナタがスタンダードに有名なのだが、、、
 難易度4。ロココ的というか、わりと装飾的でなんと言うか「ひらひら」している。通奏低音との掛け合いが美しい。第1楽章cantabile など、最初に通奏低音の美しい旋律がでてくるのだが、安いからといって買ってしまった楽譜(Masters Music Publications,Inc.アカデミアで1190円、Jun1999)はピアノ譜しかなく通奏低音のがなくて、失敗した。2楽章以下Allegro Dolce Allegro の4楽章



テレマン 、 ゲオルク・フィリップ  Telemann , Georg Philipp (1681-1767)
フルートソナタニ長調 TWV41:D10    JFC175
 JFCでテレマンのフルートソナタは2つ出ているようだ。2003jul.現在800円。安い。出典が書いてないのでわからないが、どうやらTWV41:D 10らしい。
 3度あげて、あるいはヴォイスフルートでよく吹ける。難易度3。Cantabile,Vivace,Affettuoso,Allegroの定型4楽章。なんとなく、根拠なしに「古い」と言う印象を受ける。Cantabileはフランス風序曲でもないのだが、付点のゆっくり。2楽章のVivaceがちょっと変わった印象のロンドで、おもしろい。3楽章は「エア」と言う感じ?4楽章はいかにもテレマンらしい。全体を通じて楽しめた。




テレマン 、 ゲオルク・フィリップ  Telemann , Georg Philipp (1681-1767)
12曲のVnまたはFlのためのソロ
 IMSLPに12曲セット 12 Solos à violon ou traversiere avec la basse chiffrée という美しいマニュスクリプト登録されているのだが、書いてあるとおりで、Violonが最初に目に入るが、トラベルソのためのものらしく、だから3度上げるとリコーダーですべて吹ける。全部吹いてみた。たのしい!テレマンは本当にすべてすばらしい。どれもテレマンで、しかもそんなにマンネリでもなく、ところどころに新鮮な喜びがある。うれしい。

(2021.Jan.)










テレマン 、 ゲオルク・フィリップ  Telemann , Georg Philipp (1681-1767)
メトーディッシェゾナーテン 全12曲 6曲ずつでヴァイオリンまたはフルートのためのソロソナタ集。すべての曲に1楽章ずつ、装飾の例が書いてある(その楽章だけソロ、装飾付きソロ、通奏低音の3段譜)。
 緩徐楽章は楽譜通りに演奏するのではなく、装飾を付けて演奏すべきだ、というのは今や常識だと思う。当時の装飾を付けた演奏をそのまま楽譜にしたものの例としては次のようなものを知っている。
メトーディッシェゾナーテン
クヴァンツのフルート奏法試論(これはバロック器楽奏者は必ず勉強すべきもの)
コレルリのヴァイオリンソナタにジェミニアーニが装飾を付けた例
マルチェロのオーボエ協奏曲 をバッハがオルガン協奏曲に編曲した際に付けた装飾(これはきれいな装飾で、今や原曲を演奏するオーボイストはたいていバッハの装飾を付けて演奏するそうだ、すごい。)
 このような例にもある通り、当時装飾を付けるのが当たり前だった、と言うのだが、「いやいや、そうとばかりは言えない。昔の人も苦労していたからこそ、装飾の例が出版されたりしたのだ。メトーディッシェゾナーテンの例にしたって、練りに練って出版されたのだ。いきなりああいうアドリブが出来たとは限らない。」という意見が好きだ。さらには「実際の演奏で、メトーディッシュの装飾を全部付けたら、うるさすぎ。これは、こういうのもありますよ、くらいの例だ。」と言う意見すらある。
 青いベーレンライター原典版で持っているのだが、パート譜が無いんだよなあ。それだけにまあ安い。12曲で3500円だから1曲300円弱。安い。演奏できる楽譜もたくさんでているしリコーダー用に短三度上げた譜面もでているようだ。



テレマン 、 ゲオルク・フィリップ  Telemann , Georg Philipp (1681-1767)
メトーディッシェゾナーテン 第1番 ト短調
 短三度上げて吹こうと思ったのにいきなりフラットふたつか、、、当然ながら、フラット5つになるので、リコーダーで吹くのはとても難しい。いっそのこと、長三度あげるか。フルートパートを長3度上げるにはト音記号をへ音記号またはフランス式ト音記号だと思って吹き、フラットを4個減らす、または#を4個増やす。この場合はフラット2つのト短調なので、#2個だと思えばよい。ナチュラルがでてくると頭が混乱するが、#4つがデフォルトなので、ファドソレは#、その他はナチュラルにすればよい。
 短3度上げようが、長3度あげようが、どちらにせよ、パート譜はないのだから、好きなようにやろう。演奏する機会があれば通奏低音用にパート譜を作ればよい。ヴォイスフルートをもっていれば、短3度上げたと思って吹けば実音がでるのでそのまま出来るが、、、また、440のテナーをもっている場合、長三度上げて吹くと415のチェンバロでそのまま伴奏してもらえる。気持ち悪い?僕は絶対音感どころか、相対音感すら怪しいのでだいじょうぶ、全然気持ち悪くない。この曲ではないが、友だちのトラベルソ415とボアモルティエだったか、デュエットしたことがある。僕は440のテナーで長3度上げて。案外きれいに響いたので感心した。もっとも相当練習しないととても人前ではやれそうもない。
 短3度、長3度上げて、両方ともやってみたが、どちらにしても難しいや。困ったもんだ。Adagio Vivace Grave Allegro の4楽章。最初のAdagio に変奏がついている。最後の4小節のような変奏なんて、思いつかないよなあ。和声学を勉強しなきゃ。

テレマン 、 ゲオルク・フィリップ  Telemann , Georg Philipp (1681-1767)
メトーディッシェゾナーテン 第2番 イ長調
 リコーダーで吹くとフラット5つの1番の次はイ長調なのでリコーダーではハ長調。でもけっして易しくはない。難易度4か。最後のvivaceの最後のほうはc#moll(短三度上げるとe-moll)?に転調していて、なにやら難しい。Adagio Vivace Cortesemente(優雅な、愛嬌のある) Vivace の4楽章。装飾のある一楽章、ジーグ のような2楽章(でもVivaceなんだから、少しゆっくりめ。)、ダカーポの4楽章と割と吹きごたえのある曲だ。



テレマン 、 ゲオルク・フィリップ  Telemann , Georg Philipp (1681-1767)
メトーディッシェゾナーテン 第3番 ホ短調
 短3度上げるとフラット二つ。難易度4。1楽章Grave.が変奏つき。面白いことに、4〜6小節など、長いスラーのついている伸ばしの音は装飾してないのね。当たり前なのだが、こういうのもメリハリと言うことが大切で、何でも装飾つければいい、と言うわけではない、ということか。テレマンの装飾は割とオーソドックスで、特にリズムは複雑なことはしてない、その点バッハの装飾はとてもリズムの面白さがある。続けて2楽章を吹くと、一瞬これも装飾か、と思う瞬間がある。3楽章のCunando. と言うのは「揺れるように」だそうだ、初めて見た。4楽章ダカーポ付きの Vivace. 2小節目など、たて線はなんだろう?バロックの記号は統一されてないので難しい。フランスもののバットマン(=モルデント)ではないだろう。アクセントに近いものと思われる。でもよくあるようにテヌートするのも感じが出ない。どちらかというと短く、ものをいうように。(走らず、最初の音を伸ばしたりせずに。)やってみるとモルデントでもいいような気もする。ただし、特殊なやり方で一般化できない。



テレマン 、 ゲオルク・フィリップ  Telemann , Georg Philipp (1681-1767)
メトーディッシェゾナーテン 第4番 ニ長調
 友だちがトラベルソを習っているのだが、メトーディッシュゾナーテンのなかで最初にやったのがこの曲。一番易しいかどうかは知らないけれど。難易度4かな。
 最初のAndanteに変奏がついている。3連符と付点音符をあわせる(正しい付点3:1でなく2:1にする)べきかもしれないが、いやいや3:1でもいい、あるいは3:1にすべきだ(あるいはもっとするどく)だと言う気もしてきた。というのは3連符と付点音符が同時に表れるのは2カ所だけで、通奏低音が付点音符のときは上は伸ばしで、通奏低音が伸ばしや8分音符を弾いているときには上は3連符を主体にした変奏になっているからだ。
 2楽章 Presto 9〜12小節のような音形をロンバルディア趣味という、とクヴァンツのフルート奏法試論に書いてあるが、なぜこの音形がロンバルディア趣味と言うのかはわからない。大切なことは8分音符を拍の頭にきちんと入れることで、そうしないと装飾音符のようになってしまう。
 3楽章 Con tenerezza (慈愛深くと意味だそうだ)リコーダーだとフラット4つだが、割と易しい。4楽章12/8でジーグのようだ。ダカーポになっていて、長い。だがバッハほどではないにせよ、テレマンなら許せる。延々と続くので、息が続かない。7小節めのようなところ、スラーの途中で息継ぎしたいのだが、だめ?



テレマン 、 ゲオルク・フィリップ  Telemann , Georg Philipp (1681-1767)
メトーディッシェゾナーテン 第5番 イ短調  3度あげるとハ短調。
 ベーレンライターの解説にはこの曲を名指しでヴァイオリン用としているが、それは「2弦にわたる同度の重音」があるからだ。4楽章のなかに何度もeの四分音符がでてくるのだが、棒が上下に書いてあって、開放弦のeと押さえたa線のeを同時に鳴らす指示らしいのだが、このことらしい。だが、笛で吹いたったなんの問題もないし、そのほか特別ヴァイオリンらしい音楽と言う訳でもない。
 ただし、3度あげて吹くと、2楽章に下のb(フラット)as、がからむ速いパッセージが あってとても難しい。まあ、笛向きではないかな。
 Largo Allegro ondeggiando(波打つようにだそうだ)Allegroの4楽章。2楽章は長いダカーポだし、どの楽章もりっぱで吹きごたえがある。1楽章の装飾は細かい音符に惑わされなければ、それほど難しいリズムとは思えないのだが、シチリアーノっぽい案外速い楽章なので、難しい。



テレマン 、 ゲオルク・フィリップ  Telemann , Georg Philipp (1681-1767)
メトーディッシェゾナーテン 第6番 ト長調
 Cntabile Vivace Mesto Spirituoso の4楽章。2楽章ヴィヴァーチェのリズムが面白い。ヘミオラと最初に8分休譜が入っている6/8のリズムの交代というか、通奏低音とのからみが複雑。4楽章、スピリトゥオーゾ。付点と3連譜が混ざっているのだが、4番で書いたようなことが、ベーレンライターの解説にある。この曲の場合、付点と3連譜一緒に存在するので、あわせたほうが良い。そして、シンコペーションがたくさんあるから、そこでリズムの違いを強調するのかな。
 この曲と4番をブリュッヘンはヴォイスフルートで録音している。(2000.7.25)



テレマン 、 ゲオルク・フィリップ  Telemann , Georg Philipp (1681-1767)
メトーディッシェゾナーテン 第7番 ロ短調
 後半の6曲は「クエルフレーテまたはヴァイオリンのための」というタイトルで、フルートを意識しているという。またこれらは全部5楽章で、各楽章が短いようだ。
 1楽章Siciliana. いかにもそれらしい。面白いのは変奏で、シチリアーナ特有のリズムをあまり意識してない、と言うか、わざと崩したようなリズムの変奏になっている。これは面白いのと、シチリアーナでなくなる危険と隣り合わせだと思う。なおベーレンライター、10小節目3拍目は32分音符になっているが、ミスプリで16分音符。表紙近くにファクシミリがあるがこちらは正しく16分音符になっている。
 2楽章 Allegro.アレグロだが、僕にはプレストに感じられる。鮮やかに吹きたいが難しい。
 3楽章 Dolce,m`a non adagio. これは変奏はついてないが、変奏みたいな楽章だ。さらに変化することも十分考えられる。
 4楽章 Grave.-Vivace. ごく単純な序奏付きのヴィヴァーチェ。個人的には、すくなくとも最初の2小節は変装を付けないで、和音を聞かせたいと思うけれど、もちろん別の演奏もあるだろう。3小節目のfis-mollの和声的短音階からは勝手な変装(カデンツァ)を付けたい。
 5楽章 Presto.こういう3度の進行ってホントにに難しい。




テレマン 、 ゲオルク・フィリップ  Telemann , Georg Philipp (1681-1767)
メトーディッシェゾナーテン 第8番 ハ短調
 ハ短調だが、フラットふたつで書いてある(ドリア旋法)。フラット5個(6個)になってしまうので、リコーダーでやる普通の短三度上げるのでは、とても難しい。長三度上げるとシャープ二つになるのでよいが、上のfisが出てくるし、やりにくいな あ。ハ短調というと、バッハだったら、いかにも暗い、何とも言えない雰囲気があるのだけれど、テレマンにはなんにもない。曲想には長三度上げる方がテレマンらしく、あってるくらいだと思う。

 装飾の書いてある、Adagio、6小節め、4分音符を16部音符でただ刻む、と言う装飾がついていてうれしくなる。そのうち絶対やってみよう。




テレマン 、 ゲオルク・フィリップ  Telemann , Georg Philipp (1681-1767)
メトーディッシェゾナーテン 第9番 ホ長調→ト長調
テレマンのメトーディッシェゾナーテンの2巻(7番から12番)はテレマン自身がフルートを意識していたようだから、3度上げればリコーダーで立派に吹ける。ホ長調はト長調になるのでうれしい。
 1楽章は三連譜が目立つが、それらしい変奏で、そう言う意味でとても参考になるが、実際にはこういう変奏が吹けるはずもない。4楽章に時々現れる3度が指が回らない。困ったもんだ。
 Andante, Allegro, Adagio, Gratioso e semplicemente の4楽章 
メトーディッシェゾナーテンのなかではやさしいほうだと思う(難易度3-4)


テレマン 、 ゲオルク・フィリップ  Telemann , Georg Philipp (1681-1767)
メトーディッシェゾナーテン第10番 変ロ長調→?
 フラット二つとか三つとかで、それがはっきりフラウトトラベルソを意識して作曲された物なら、ある種の情感と言うか雰囲気を持っていて、リコーダーで吹いても感じが出ないことが多い。典型的なのがバッハの音楽の捧げ物に収められているトリオソナタ(ハ短調フラット三つ)で、リコーダーで大部分吹けるよと教えられたのだが、吹く気がしない。個人的な思い込みだが、高度な演奏する技術とともに、高度な想像力(今自分が吹いているのはトラベルソなのだと思える力(^^;))が必要なのだ。
 でもこのメトーディッシェゾナーテン第2部はトラベルソを意識していると言うのだが、あんまりそんな感じがしない。6曲セットで売るのにいろいろな調がなくちゃね、と言う感じしかしない。
 フラット二つのこの曲をリコーダーで吹くのに、どうしようか、定石通り短三度上げるとフラット5個になってしまう。長三度上げてシャープ2個にして吹いてみたのだが、上のfisが出てきてしまい、うまいごまかし方を考えるのも面倒だ。やっぱり短三度上げたほうがまだましか。いや、4度上げて(ソプラノかテナーだと思えばいい)吹くのが一番やさしいようだ。下のミフラットを含むフレーズが難しいが、提案された装飾のほうを吹けば良い。
 この曲を人前で吹くことはないだろうなあ。でもたまに練習する価値はある。テレマンは楽しい、すばらしい。自分で楽しむようにいろいろやってみれば良い、と思う。




テレマン 、 ゲオルク・フィリップ  Telemann , Georg Philipp (1681-1767)
メトーディッシュゾナーテン 第 11番 ニ短調→へ短調
 フラットひとつになると、ぐっとやりやすくなる。短3度上げるとヘ短調になるが十分楽しめるくらいにやさしくなる。下のasのトリルがあるが、b(フラットね)-asだけ正規の指使いをして後は中指を低く速く上げ下げする。何となくそんな感じで吹ける。提案された装飾もどうにか楽しめた、すばらしい。









テレマン 、 ゲオルク・フィリップ  Telemann , Georg Philipp (1681-1767)
2本のリコーダーと通奏低音のためのトリオソナタ ハ長調 TWV42:C1
 忠実な音楽の師に収められている、少なくともリコーダー吹きには最も有名なトリオ・ソナタ。リコーダー2本だし、ハ長調だし、演奏する機会は多そうだ。黄色い全音リコーダーピースでも持っているのだが、別の編曲で学生の時友人Sと、もう顔も覚えていないギターと合わせたのを懐かしく思い出す。
 7つの楽章からなるが、1楽章は典型的なフランス風序曲。第3楽章以降のタイトルは女性の名前だそうで、その曲の性格を表しているとのこと。ネットで検索すれば読める。
 オリジナルはsoli,tuttiなどの表記があり、合奏もできるように想定しているらしい。







テレマン 、 ゲオルク・フィリップ  Telemann , Georg Philipp (1681-1767)
リコーダーとオーボエと通奏低音のためのトリオソナタ ハ短調 TWV42:c2
 テレマンはトリオソナタだけでもとてつもない数を書いていて、ハ短調だけで8曲書いているらしい。Essercizii Musici (音楽の練習帳)に収められている、オーボエとリコーダーのトリオソナタハ短調は、少なくともリコーダー奏者にとっては忘れられない名曲だ。
1. Largo 2. Vivace 3. Andante 4. Allegro の定型4楽章。
 モダンオーボエで合わせてくれるときは、オーボエの方、極力小さな音で(うすいリード?)お願いします。




テレマン 、 ゲオルク・フィリップ  Telemann , Georg Philipp (1681-1767)
リコーダーとチェンバロと通奏低音のためのトリオソナタ変ロ長調 TWV42:B4
 有名曲で、ブリュッヘンの名盤(テレマンのトリオソナタ集)に入っている。とにかくテレマンはいろいろな曲を書いてくれていて、トラベルソとチェンバロと通奏低音のためのトリオソナタもある。
 Essercizii Musici に納められている曲だ。1. Dolce 2. Vivace 3. Siciliana (sol mineur) 4. Vivace の4楽章。
 チェンバロは2段鍵盤のものを想定して書かれているようで、1段鍵盤ではとても弾きにくいのだそうだ。リコーダーは気持ちいいが、2,4楽章はなかなか難しい。
 楽譜は僕の持っているのは Edition Pelikan (オーストリアの出版社らしい)の861 Musica instrumentalis 21 と言う番号のもの。








テレマン 、 ゲオルク・フィリップ  Telemann , Georg Philipp (1681-1767)
テレマン リコーダー、ヴィオラ・ダ・ガンバと通奏低音のためのトリオソナタ ヘ長調 TWV42:F3
 残念ながらやったことがない。そもそもガンバとあわせたことも1,2回しかない。
 テレマンはどの曲もハズレがなく、たいていそれほど難しくもなく、本当にわれわれアマチュアにとってありがたい作曲家だ。
 ときどき思うのだが、音楽学校の作曲科で学んだ人たちが累計何万人ほどもいるのじゃあないのか?その人たちは今何をしているのだ?下手くそなアマチュアのために作曲、編曲してくれないだろうか?絶対ニーズはあると思うのだがなあ。
 リコーダーは難易度3から4。ガンバは実はチェロピッコロで、完全に弾けるのだ、ときどき楽しんでいる。耳になじんでいるせいかアルト記号でもだいたいできる。そんなに難しくない。通奏低音はとてもできそうもないところがある。そこはクヴァンツが書いているように本当の低音だけ省略して弾き、鍵盤楽器などに任せた方が良いと思う。








テレマン 、 ゲオルク・フィリップ  Telemann , Georg Philipp (1681-1767)
リコーダーとオーボエと通奏低音のためのトリオソナタへ長調 TWV42:F9
 旧全音リコーダーピース R-100 もとはべーレンライターの Hortus Musicus らしい。
テレマンは本当にいいかげんな作品が少なくて、どれも一定のレベルを保ち、どれもアマチュアが楽しめるものなのだ。本当にすばらしい。昔はずいぶん良くやったものだが、しばらくあわせたことがない。
  1. Allegro 2. Affettuoso 3. Presto の3楽章。こういう急緩急の3楽章のものって意外にめずらしくて、有名なやはりヘ長調のリコーダーソナタと同じく、イタリア的というか、協奏曲様式、と言うのだろうか。










テレマン 、 ゲオルク・フィリップ  Telemann , Georg Philipp (1681-1767)
 コンチェルトニ短調(笛とチェンバロと通奏低音)TWV42:h1
  SCHOTT OFB 145 でブロックフレーテとオブリガートチェンバロのための協奏曲というのが出ている。(今も現役)
 ショット版はリコーダーとチェンバロの2重奏になっているが、作品番号でもわかる通り、オリジナルはロ短調で、トラベルソとチェンバロと通奏低音のためのトリオの編成のものだ。オリジナルタイトルもコンチェルトだが、緩急緩急の4楽章だからトリオソナタと言うべきかと思うが、内容は派手だし練習のしがいがある、いやいや難しい。
 2楽章はヴィヴァーチェだが、速くて16分音符はタンギングができない。スラーをつけても充分だと思う。4楽章はプレストだが、そんなに速くなくても良いんだと思うけれどなあ。やはり16分音符はタンギングができない。スラーをつけても充分だと思う。













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テレマン 、 ゲオルク・フィリップ  Telemann , Georg Philipp (1681-1767)
リコーダー、トラベルソ×2、通奏低音のための四重奏曲 (ターフェルムジーク第2集より)
 リコーダー奏者にはごく有名な、こんな編成のオリジナル曲はほかにない、と言う名曲。もっともテレマンは不思議な編成の曲を(僕が知ってるだけでも)たくさん書いている。
 リコーダー(またはファゴット(!)ということは当然チェロでも)は独奏的に扱われていて、難しいけれど、ともかく名曲だ。(でもリコーダーで吹くよりも通奏低音を弾くことのほうが圧倒的に多い。リコーダー吹きたーい。でも難しい。)
 僕の持っているブライトコプフの楽譜は、かってにたくさんのディナーミクやらスラーやらついていて、実に良くない。もっと クリーンな楽譜を!






テレマン 、 ゲオルク・フィリップ  Telemann , Georg Philipp (1681-1767)
室内協奏曲 TWV43-g3
 ショットのOFB100で、出ている。リコーダーとヴァイオリン2、通奏低音のための室内協奏曲。本当に、というのも変だけれど、リコーダー協奏曲で、派手だ。テレマンらしく、たのしく、軽い。
 アンサンブルの会でやるのだが、難しい。練習しなきゃ。
(2008/3/9)








テレマン 、 ゲオルク・フィリップ  Telemann , Georg Philipp (1681-1767)
四重奏曲 ト短調 TWV43g4
 日曜日にアンサンブルの練習があって、初めてあわせたこの曲を仲間内で発表した。無謀としか言えないが、ま、あんなもんか。
 すぐ上の記事の室内協奏曲がg3。テレマンはト短調の四重奏曲だけで5曲書いているらしい。まったく、いくら書いたんだ。
 こちら(g4)はリコーダー、ヴァイオリン、ヴィオラ、通奏低音のためのもので、g3ほど独奏的には書いてないが、それでもやはりリコーダーのソロという感じだろうか、なんだか同じようなことを何度もやらされて、飽きる。2楽章はやたらに楽譜が白くて、派手に装飾を入れなきゃいけないと思うのだけれど、余裕がなくてなかなかできなかった。
 アンサンブルでは通奏低音もリコーダーもカルテット、トリオソナタなどを主にやっているのだが、何回か練習して感じるのは、バロック音楽の豊かなディナーミクの変化だ。一般的にバロック音楽には強弱の変化はない、あるいはフォルテとピアノ(主にエコー?)の交代くらいしかない、と考えられていると思うのだけれど、けっしてそうではない、と思う。すぐれた作品は特に、強弱は自然にそうなるように書いてあるのだ。強い所は豊かな響きの音域で、全員参加するように書いてあるし、ソロはソロだけが強く高い音域でそう響くようなフレーズが書いてある。奏者はそれを自然に感じて吹けば、自然に浮き上がったり、響きの中にとけ込めたりするのだ。アンサンブルは楽しい。
(2008/3/26)





テレマン 、 ゲオルク・フィリップ  Telemann , Georg Philipp (1681-1767)
リコーダー協奏曲 ハ長調 TWV51:C1
 吉澤実のリコーダーのバロック・コンチェルト・スタディに入っているテレマンの1曲目。これはブリュッヘンの演奏でなじみがあるが、もちろん吹く(練習と呼んでよいのか?)のは初めてで、難しかった。コンチェルトなんだからあたりまえだけれど。テレマンらしいし、コンチェルトらしくとても高いところを動くがとても効果的だと思う。
 楽譜はIMSLPで、スコア(自筆?のマニュスクリプトも!)もパート譜も手に入る。思わずダウンロードしてしまった。
 難しいけれど練習すればもしかしたらできるかな。演奏する機会を作るのはとても難しいと思うけれど。






テレマン 、 ゲオルク・フィリップ  Telemann , Georg Philipp (1681-1767)
フルートとリコーダーのための協奏曲 ホ短調 TWV51:e1
 バロック時代はリコーダーから(横吹の)フルートに取って代わられる時代だ。いくつかの、リコーダーとトラベルソ両方を使った曲が何曲かある。この、テレマンの協奏曲、同じくテレマンの四重奏曲、クヴァンツのトリオソナタが代表だろうか。どれも名曲だ。
 この協奏曲は弦楽4部をともなうもので、ピアノ編曲かなんかを持っていないもので、あわせたことないかも。すくなくともトラベルソとあわせたことはないと思う。コンチェルトなのでアマチュアにとってはなかなか骨がある。4楽章はポーランド風というのだろうか、ドローンというか、「べーー」となっているところにユニゾンからグニャグニャといかにも遊びで楽しい。






テレマン 、 ゲオルク・フィリップ  Telemann , Georg Philipp (1681-1767)
組曲イ短調(リコーダーと弦楽) TWV55:a2
 非常に有名なリコーダーと弦楽のための組曲で、プロの多くの録音がある。
 日本フルートクラブの安い楽譜があり、多くがこれで知ったと思うが、これはピアノ伴奏のモダンフルート用で、リコーダーでは出ない音もあり、休みなく吹かされる。(弦楽だけの部分もフルートがメロディーを吹くようになっている)
 ひさしぶりに見たら、IMSLPに現代譜がアップロードされていてとてもうれしかった。前に見た時はファクシミリ(の総譜だけだったかな)しかなかったのだ。











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ヴァレンタイン 、 ロバート Valentine , Robert (1671頃 - 1747)
 ロバート・ヴァレンタイン はイギリス生まれでイタリアで活躍したという作曲家。リコーダーJPでカラオケが出ている。 




ヴァレンタイン 、 ロバート Valentine , Robert (1671頃 - 1747)
リコーダーソナタ ハ長調 作品5-1
 リコーダーJPでカラオケがある。5-2より後に吹いてみた。平易な内容、技術的レベルでたまに吹くには良い。












ヴァレンタイン 、 ロバート Valentine , Robert (1671頃 - 1747)
リコーダーソナタ ニ短調 作品5-2
  リコーダーJPから先月送られてきたのが、ロバート・ヴァレンタイン(ヴァレンティーニ)のリコーダーソナタニ短調作品5-2。最近はカラオケCDの封を切らないこともあるくらいで、まずいなあ。今回は取り出して一度カラオケをしてみた。音楽はあまりたいしたことはない感じだが、伴奏がつくと吹いていて楽しい。十分楽しめた。Adagioなど32分音符の装飾が書いてあるが、音楽的に易しいし、何しろ音階だから簡単だし、吹けなければ適当に省略すればいいと思う。
 作曲者のことも作品のことも全く知らなかったが、リコーダーJPの解説はいつも丁寧に書いてあって、良い。付け足すことはあまり無い。
 imslpにを見てみるとちゃんと楽譜が登録されている。この、作品5はまだ無いようだが、作品2(実に美しいファクシミリだが、音楽はどうだろう?)と作品3から8.9.10(こちらはファクシミリではないが、こちらも通奏低音は数字付きのバスだけ)が登録されている。(2011Aug.現在)








ヴァレンタイン 、 ロバート Valentine , Robert (1671頃 - 1747)
リコーダーソナタ ヘ長調 作品5-3
 もう、ずいぶん前のRJPの配給なのだが、やっとカラオケ楽しんだ。
 IMSLPには登録されていないようだ。
 装飾を書いてしまったAdagio、ガボット?のようなAllegro、メヌエットのようなLargo、ジーグじゃないかな、ヘンデルにあるような3/8のAllegroの4楽章。内容はたいした事ない。1楽章の装飾も。
 リコーダーJPの解説は懇切丁寧だ。1楽章の簡略版がついていて、妙に遠慮深く、こんな事しても許されると思う、と書いてある。許されるもなにも、こういう事が曲の分析、理解なのだろうし、ほんとうは誰でも自分でやるべき事なのだろう。











ヴェラチーニ 、 フランチェスコ・マリア VnSnt (1690-1768) Francesco Maria Veracini
フルート(リコーダー)ソナタ 第1番
 ヴェラチーニは後期バロックのVn奏者、作曲家。フルート(リコーダー)ソナタを1ダース書いている。
 1番の冒頭これなんだっけ?と思って、そればかりが頭に残り、曲全体、なんの印象も残らなかった。二日経って気づいた。これ、ハーレルヤ!じゃないか。まったく老人は困る。  







ヴィヴァルディのこと
 皆川達夫(バロック音楽の楽しみ、現代新書の「バロック音楽」)の影響があるのも確かなことだと思うのだけれど、それだけでなくなんとなくヴィヴァルディは好きじゃない。ほんと、同じイタリアでもアルビノーニなどとてもきれいだと思うのだけれど。  CDなど、聞くのもあんまり面白くない。なんというか内容がないと言うか、感銘を受けない。なぜ?。自分で演奏する場合は、無駄に難しいというか、練習のコストパフォーマンスが悪い。例えばバッハでもあるいはモーツァルトでもベートーベンでも難しいけれど、しょうがない、許せる気がするのだけれど、ヴィヴァルディの練習をする気になれないんだよなあ。
 でもトリオソナタとか(偽作らしいが)忠実な羊飼いなど、なかなかきれいだ。フルートコンチェルトももともとリコーダーの物が多いし、ピッコロ協奏曲は3曲(?)リコーダーのレパートリーとしては重要だ。




ヴィヴァルディ Vivaldi,Antonio(1678-1741)
忠実な羊飼い→
シェドヴィーユ

ヴィヴァルディ Vivaldi,Antonio(1678-1741)
リコーダーと2つのヴァイオリンのための協奏曲 イ短調 RV 108
 基本的にヴィヴァルディは嫌いなのだが、アンサンブルで割り当てられたので、練習している。ヴィヴァルディにしては好きだ。おもしろくないのにやたらに難しい音階、おもしろくないのにやたらに難しいアルペジオ、おもしろくないのにやたらに難しい跳躍、これらがヴィヴァルディの特徴だと思うのだが、この曲はそれが少ない。弦楽を含まない、室内協奏曲?ではあるけれど、それでもリコーダーが活躍するのだが、無理な音型がほとんどなくて、すばらしい。
 1楽章、リコーダーとヴァイオリンが半拍だったかな?で、からんでいて、一生懸命、確信を持って吹かないと、自分でも表拍なんだか、裏なんだかわからなくなってしまう。ヴァイオリン奏者は、最初のパターンの8分音符がみなアウフタクトというか、その後のパターンが拍頭に聞こえるのか、と言う。リコーダーが下手なのかもしれない。




ヴィヴァルディ Vivaldi,Antonio(1678-1741)
フルートソナタ ホ短調(ストックホルム)
   もうずいぶん前にヤマハだったか、アカデミアだったか、2160円かな、だったのが、500円になり、それでも売れなくて、300円になっていた楽譜をを買った。(写真、右上)ヴィヴァルディは好きじゃないけれど、300円だったら、まあ一度吹いてみるか。
 LONDON W.1 MUSICA RARA M.R.1620というものだが、検索してみたが、出てこない。

   たまーに三度上げてリコーダーで吹いたりしたが、トラベルソでも吹いてみた。ヴィヴァルディとは思えないほど(失礼)面白い。特に、シチリアーノが面白かった。変な音階や跳躍がない。
 ラソスキーというリコーダーの曲をよく編曲して、今はなき?全音リコーダーピースで取り上げられていた学者?が、ストックホルムで楽譜を掘り出したものらしい。




ヴィヴァルディ Vivaldi,Antonio(1678-1741)
フルート協奏曲 ニ長調「ごしきひわ」 RV.428、作品10-3

 ごしきひわを吹いてみた。下のeが出てくるが楽しめる。リコーダーのものとは思えないが、いや元は三度上、と言うことはある?いや原曲だというRV90もほぼ同じ。下のeまで出てくるから、もともとトラベルソの曲ではないか。






ヴィヴァルディ Vivaldi,Antonio(1678-1741)
リコーダー協奏曲 ヘ長調 海の嵐 RV.433
 ヴィヴァルディの「海の嵐」はもちろんフルート協奏曲なんかじゃなくて、リコーダー協奏曲だ。面白いことにIMSLPにはリコーダーパートが載ってなくて、ヴァイオリン以下オーケストラパート譜だけ載っている。リコーダーパートは、だが、もちろんバロックコンチェルトスタデイ に収められている。ヴィヴァルディは、無駄にむずかしくて嫌いだ。(もちろんむずかしくて吹けない負け惜しみです。)






ヴィヴァルディ Vivaldi,Antonio(1678-1741)
リコーダー協奏曲 ト短調「夜」(La notte)RV.439、作品10-2
「夜」ももちろんフルートというよりリコーダー協奏曲だ。だいたい作品10の頃、ヴィヴァルディはあんまりトラベルソのことをわかってなかったんじゃないかね?リコーダーのことは割とよくわかっていて、この曲も難しいけれど、いかにもリコーダーのための曲だ。それを多分、はやりのトラベルソのために出版すれば良いとそそのかされて、リコーダーとおんなじようなもんでしょ?笛だし、と流用したんだと思う。
 緩急緩急緩急の6楽章。最初低いGの連打で、当時の夜はどれだけ暗かったんだろうか、と思いながら吹く。2楽章は「幽霊」と言うらしいが、西洋の、この頃の幽霊のイメージがよくわからない。その後通奏低音抜きだったり「眠り」だったり、「四季」を思い出してしまう。
 全体として悪くないが、自分が協奏曲を吹く機会はもうなさそうだし、万一そんな機会が作れたとしてもヴィヴァルディは難しすぎるし、練習する気になくて、選ばない、すみません。






ヴィヴァルディ Vivaldi,Antonio(1678-1741)
リコーダー協奏曲 ハ短調 RV.441
 ハ短調は難しい。ここらへんのリコーダー協奏曲はそういうわけで、トラベルソ用と言うことにして作品10として出版されているわけだが、この曲はハ短調だからだろうか、作品10には入ってないのらしい。
吉澤実 編 バロック コンチェルト・スタディに収められている。

 アルトリコーダーのための3つの練習 ケース・ブッケ の「どのひとくさりでも練習」といのはいつも頭にありながら、ろくに実践していない。つまり、練習ってものをしてなくて、楽器を手にするときは練習じゃなくて、ただ音を出して楽しんでるだけだ。
 そうだ、どんな短くても、というのはどんな短い時間でも良いということじゃないか、1分でも練習だ。というわけで、昨日は1分、この16分音符8個しか、練習しなかった。でも練習になったと思う。うまくなったという意味では、まったくない。
 曲はヴィヴァルディのリコーダー協奏曲ハ短調441から。ハ短調は難しい。






ヴィヴァルディ Vivaldi,Antonio(1678-1741)
リコーダー協奏曲 ヘ長調 RV.442
 ヴィヴァルディのフルート協奏曲集作品10は、あやしい。あやしいくせにヴィヴァルディのフルート協奏曲として、作品番号までついている。作品番号も自分でつけたわけでもないらしいが、そういうわけで多く演奏されて来たんだろう。
 もともとこの曲も(も!)リコーダー協奏曲で、ブリュッヘンが少なくとも2回録音している。両方ともa≒415の録音のようだが、当時のヴェネチアはa≒440(とa≒460のピッチも混在??)だそうだ。
 2楽章はヘ短調だが、これを当時流行り始めていたトラベルソのための曲(つまりフルート協奏曲)として、出版するにあたり、トラベルソでヘ短調は技術的に難しい、あるいは効果的でないと思ったらしいヴィヴァルディ自身が、全音上げろと指示の書き込みしたのが残ってるらしい。ヘ長調の曲の緩徐楽章をヘ短調で書いておいて、トラベルソじゃあ難しいから全音上げてト短調でいいや、と思ったらしい。ヴィヴァルディってなんていいかげんなんだろう。
 この曲も吉澤実のバロック コンチェルト・スタディ に載っているのだが、吉澤実もヴィヴァルディのようにいいかげんだ。RV.442と書いてあるが、実際はフルート協奏曲 op.10-5 RV.434 の方なのだろう、2楽章はト短調のほうが載っている。冒頭から出ない音の下のdが書いてあり(トラベルソなら出る。)、言い訳のように「Tutti」。そして序文に、リコーダーでは出ない音域もあるが、「Tutti」はヴァイオリンが弾いてるから、吹かなくても大丈夫、みたいなことが書いてある。けしからん。そもそも、この曲の2楽章はヘ短調なのだ。
 残念ながら、IMSLPにはOp.10のほうしか載っていない。






ヴィヴァルディ Vivaldi,Antonio(1678-1741)
リコーダー協奏曲 ハ長調 RV.443
 ヴィヴァルディのピッコロ協奏曲は3曲知られているようで、RV443、444、445という番号がついている。
 ピッコロ協奏曲と書いてあることが多いと思うが「フラウティーノ」で、少なくとも横笛じゃないのだろう。ソプラニーノだと思われる(IMSLPにはソプラニーノ協奏曲と書いてある)が、だがこの443には下のeが出てきて、もちろん出ない音だ。(ソプラノでは上が全然出ない)いいかげんなヴィヴァルディのことだから驚くに当たらない。だが、作曲家が何かの楽器の曲を書くときに最初に聞くのが「出る音はどこからどこまで?」じゃあないのか、というようなことをダン・ラウリンが書いている。まったくだ。
 楽譜は吉澤に収められている。
 
こちらのYouTubeの演奏が魅力的で感心した。大道芸のようで、イタリアっぽく、エンターテイメントだなあ。






ウォルシュ 、 ジョン John Walsh
 ウォルシュはヘンデルのころのとても有名な出版業者だ。悪名高いが、当時としてはある程度許される範囲なのかもしれない。
 ヘンデルの作品1は12曲セットのソロソナタ集で、バロック音楽を楽しむすべての旋律楽器奏者にとって、もっとも重要な作品群の一つだが、これからしてウォルシュが当時の出版業者ロジェを語って出版した海賊版なのだ。さらにその後その改訂版のようなものを自分の名で出版するのだが、ロジェ出版、だったタイトルページだけウォルシュの名にし、楽譜ページは同じ銅版が使われているというのだから、みずから他人の名をかたって出版したのをバラしているのだが、それにこともあろうに「前の版より正しい」と書いてあるというのだからあきれかえる。
 作品1のヴァイオリンソナタはどうやらヘンデルの作品が見つからなかったらしく、適当なのを組み込んであるのだ。ソロソナタ集を出版するのにヴァイオリンソナタがないと売れ行きにも影響するだろう。今図書館だかに残っているウォルシュの楽譜のヴァイオリンソナタの所には「これはヘンデル氏のではない」と当時の書き込みがあるそうだ。すぐバレちゃったのだろう、ロジェだったのを自分の名にして出版した改訂版のヴァイオリンソナタは別の作品に入れ替えてある。ところがそれも「これはヘンデル氏のではない」と書き込まれている。あきれかえる。
 ヘンデルの合奏協奏曲集作品3も、オルガン協奏曲の一部も、鍵盤楽器の一部もウォルシュは勝手に出版したらしい。
 オルガン協奏曲の時には「6曲の協奏曲をヘンデル氏の草稿に基づいて、ヘンデル氏自身の校訂を経て、目下印刷中であるから、作曲者のあずかり知らぬいかがわしい楽譜に注意するように」というような広告を出したのが残っているというのが笑える。(だからかってに、じゃなくてヘンデルと関係ができたと思われる。)
 ヘンデルもいい加減なもので、オルガン協奏曲の中には有名なハープ協奏曲もオルガン協奏曲として入っている(オルガンでも弾けるから、入れていいよ、と言ったかどうかは知らないけれど)し、リコーダーソナタのソロと通奏低音(バス)をオルガンの両手で弾くことにして、オルガンソロとしてオケはあとから適当に書いた、なんてのもあるようだ。
 これも有名なリコーダーとヴァイオリンと通奏低音のトリオソナタは、当時リコーダーから横吹のフルートに人気が傾いてきたので、フルート用にすべての音を下げて(移調して)出版しているのだが、さげたらヴァイオリンの音は下がつっかえちゃったのに、そのまま(演奏不可能のまま!)出版している。これもウォルシュがいい加減なのか、ヘンデルがいいかげんなのか、僕は知らない。
 ヘンデルだけでなく、たくさんの作曲家の膨大な楽譜を(たぶんすべて作曲者の了承なし、あるいはろくな謝礼も払わずに)出版している。著作権とか著作権料なんて概念はなかったのだろうからしかたがない。われわれにとっては多くの貴重な作品を目の当たりにできてこんなにありがたいことはない。



ウォルシュ Walsh(編)
The Division FLUTE
 例の
グリーンスリーブスややさしいフォリアなどが入っている曲集。ウォルシュが編集及び編曲したのではないか?2集出ていて、僕がもっているのはファクシミリで Arte Tripharia というのだろうか?スペインの出版社から出されたものらしく1、2集合本になっている。ファクシミリなのに安かったもので購入した。入っている曲は以下の通り。

The First Part

Readings Ground
Pauls Steeple
Faronells Ground
Old Simon the King  (あまり面白くない)
Tollets Ground   (つまらない)
Green Sleeves to a Ground
Johney Cock thy Beavor (まあまあ)
Division on a Ground (おもしろい)
A Division on a Ground by Mr. Eccles.
A Division on a Ground by Mr. Finger.
A Division on a Ground by Mr. Jno. Banister(やさしいフォリア)
A Division on a Ground by Mr. Banister


The Second Part

A Ground by Mr. Finger
A Division to a Ground by Mr. Solomon Eccles
A Division on a Ground
A Ground by Mr. Solomon Eccles
A Division on a Ground
An Italian Ground
A Chacone
Division by Mr. Hills
Division by Mr. Gorton
Prelude by Mr. Pepusch (I)
Prelude by Mr. Pepusch (II)
Prelude by Mr. D. Purcell
Prelude by Mr. Finger
Cibell by Mr. Henr. Purcell
Cibell by Signr. Baptist
Cibell
Cibell by Mr. King (I)
Cibell by Mr. King (II)
Cibell by Mr. O
Cibell by Mr. Clark (I)
Cibell by my Ld. Byron
Cibell by Mr. Clark (II)

 メモは楽譜に昔、自分で書き込んだ物だが、あまり当てにはならない。バスが曲の初 めか終わりに一回分だけ書いてある。バスがおんなじなのでMIDIとか、電子鍵盤楽 器とかで簡単にカラオケができるのではないか。







吉澤実 編
バロック コンチェルト・スタディ

  ドレミ楽譜出版社から
バロック コンチェルト・スタディ 〜リコーダー、又はフルートのための〜 というのが出版されている。(吉澤実 編)
 多くの楽器にオーケストラ・スタディと題してオーケストラのレパートリーを準備・練習する曲集が出ているが、このコンチェルト・スタディはコンチェルトの準備というよりは、練習のためのものだろう。
 収録されている曲は以下の通り。
ペッツ
コンチェルト・パストラーレ ヘ長調
ヴィヴァルディ
リコーダー協奏曲 ヘ長調 海の嵐
フルート協奏曲集より 2.夜 ト短調 RV.439
リコーダー協奏曲 ヘ長調 RV.442
リコーダー協奏曲 ハ短調 RV.441
リコーダー協奏曲 ハ長調 RV.444
リコーダー協奏曲 ハ長調 RV.443
リコーダー協奏曲 イ短調 RV.445
2本のリコーダーのための協奏曲 ハ長調 RV.533
テレマン
リコーダー協奏曲 ハ長調
2本のリコーダーのための協奏曲 イ短調
リコーダーとヴィオラ・ダ・ガンバのための協奏曲 イ短調
リコーダーとフルートのための協奏曲 ホ短調
リコーダー組曲 イ短調
リコーダー協奏曲 ヘ長調
リコーダー協奏曲 ハ長調(原調:イ長調)
グラウプナー
アルトリコーダー協奏曲 ヘ長調
バッハ
ブランデンブルク協奏曲 第2番 ヘ長調
ブランデンブルク協奏曲 第4番 ト長調
シュルツェ
アルトリコーダー協奏曲 ト長調

 まったく、最近はまじめにさらっていない。少し練習しなきゃなあ。







吉澤実 編
リコーダーアンサンブルの基礎と技法
 リコーダーアンサンブルを楽しんでいる。楽しい。アンサンブルを初めて、いままでかってにほぼ一人で楽しんでいたリコーダーの世界がずいぶん広がって幸福だ。リコーダーアンサンブルの世界は一種独特の発展をしていることもわかった。それはそれでおもしろいものだ。
 僕のイメージしていたその通りの部分ももちろん大きくて、その一つ、技術的な部分はこの「リコーダーアンサンブルの基礎と技法」を教材に練習している。
 30年も昔に買って持っていたのだが、現在出ている改訂版はだいぶ改訂されていて、しょうがない、買い直してしまった。(2018/3)











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